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漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「夸コ」<人がまたをひろげた形>と「誇コ」「胯コ」「跨コ」「刳コ」

2023年03月26日 | 漢字の音符
 コ  大部

解字 甲骨文と金文は、「大(ひと)+于(まがる)」の会意。于にまがる意がある。篆文から于⇒亏に変化した夸になった。大の形の人が、脚(あし)を広げて曲げたかたちで跨(またぐ・またがる)の原字。夸の単独字では人をまたいで、①ほこる(=誇る)、②おごりたかぶる、意味となる。
意味 (1)ほこる。大げさに言う。「夸言コゲン」「夸詐コサ」(ほらをふいてだます) (2)おごる。たかぶる。「夸者コシャ」 (3)またがる。(=跨)

イメージ 
 人を「またぐ」(夸・誇)
 「またぐ・またがる」(胯・袴・跨)
 またを開いた形から「まがる」(刳・瓠)
音の変化  コ:夸・誇・胯・袴・跨・刳・瓠

人をまたぐ
 コ・ほこる  言部
解字 「言(いう)+夸(人をまたぐ)」の会意形声。相手をまたいで言うこと。優越感を感じて言うことから、ほこる意となる。
意味 (1)ほこる(誇る)。自慢する。「誇示コジ」「誇張コチョウ」 (2)おおげさ。「誇誕コタン」(おおげさででたらめ)

またぐ・またがる
 コ・またぐ・またがる  足部
解字 「足(あし)+夸(またぐ)」の会意形声。足でまたぐこと。
意味 (1)またぐ(跨ぐ)。またがる(跨る)。のりこえる。「跨年コネン」(年をこえる。年末から年初にわたる)「跨越コエツ」(またぎこえる)「跨鶴コカク」(①鶴にまたがり空をとぶ。②仙人となる。③逝去する)「跨線橋コセンキョウ」(鉄道線路の上をまたぐ橋) (2)また。またぐら。(=胯)「跨下コカ」(またの下)
 コ・また  月部にく
解字 「月(からだ)+夸(またぐ)」の会意形声。月(からだ)のまたぐ部分である「また」を表す。
意味 また(胯)。またぐら。股とも書く。脚のつけねの内側。「胯下コカ」(またの下)「胯間コカン」(またの間)
 コ・はかま  衣部
解字 「衣(ころも)+夸(=胯。また)」の会意形声。胯の部分をおおう衣。
意味 はかま(袴)。腰から下をおおう衣服。「袴褶コシュウ」(騎馬用のはかま)「袴着はかまぎ」(男子に袴を着せる儀式)「洋袴ズボン

まがる
 コ・えぐる・くる  刂部
解字 「刂(かたな)+夸(まがる)」の会意形声。刀でまるく(曲線に)えぐること。
意味 えぐる(刳る)。くる(刳る)。くりぬく。「刳り舟」「刳刀コトウ」(やりがんな)「襟刳(えりぐ)り」(洋服の仕立てで首回りに準じて、刳りあけた襟回りの線。ネックライン)
 コ・ひさご・ふくべ  瓜部

ひさごのひ杓(「谷中松野屋」のHPより)
解字 「瓜(うり科の植物)+夸(=刳。くりぬく)」の会意形声。中身を刳りぬいて容器とする瓜である、ひさご(瓠)をいう。成熟したひさごを半分に割って中身を刳りぬき、ひ杓などにしたもの。瓜の外形を保ったヒョウタンは、瓜の口に穴をあけ水に漬け、中身が腐ってから取り出してつくる。
意味 ひさご(瓠)。ふくべ(瓠)。瓢ヒョウ・匏ホウとも書く。「瓠瓢コヒョウ」(瓠も瓢も、ひさごの意) (1)ヒョウタン・ユウガオなど、ウリ科の一年草。「瓠瓜コカ」 (2)ヒョウタンの果実の中をとり除き乾燥させたもの。酒や水の容器として使う。「瓠尊コソン」(ひさご形の酒つぼ)
<紫色は常用漢字>

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