改訂しました。
殹 エイ 殳部

解字 「匚(はこ)+矢(や)+殳(打つ)」の会意。矢を入れた箱を打つまじないを表す。矢は知・智の字においては、矢を供えて神に祈るかたち。族においては旗のもとに矢をおいて誓うかたちで、矢は武器だけでなく願い事の手段としても用いられた。殹エイは、願いをかけた矢を箱に入れ、巫女(みこ)が打って、邪霊のもたらした結果である病をはらう意。しかし、本来の意でなく、打ち祓うときの音や声の意となる。
意味 音がひびく。ああ。音調を整える助字。
イメージ
矢を打って病を「はらう」(殹・医・毉・翳)
音の変化 エイ:殹・翳 イ:医・毉
はらう
医[醫] イ・いやす 匚部はこがまえ
解字 篆文および旧字は醫で「酉(さけ)+殹(はらう)」の会意。酉は、薬草をいれた薬酒。醫は、薬酒を飲ませて病をはらうこと。病気をなおす、なおす人を表わす。新字体の医は、旧字の上部左にある「医(矢をいれた箱)」の字を取り出して「醫」に代えたもの。
意味 (1)いやす(医す)。病気をなおす。「医方イホウ」「医療イリョウ」「医薬イヤク」「医院イイン」 (2)くすし(医)。いしゃ。「医者イシャ」「名医メイイ」
毉 イ 殳部
解字 「巫(みこ)+殹(はらう)」の会意。巫フは神がかりして神意をつたえる巫女(みこ)。毉イは、巫女が神がかりして病をはらうこと。この字から古代の医療は巫女あるいは巫祝フシュクによる呪的行為だったことが分かる。
意味 醫イの元の字で、醫(医)と同字。
翳 エイ・かざす・かげ・かげる・かすむ 羽部
解字 「羽(はね)+殹エイ(はらう)」の会意形声。エイという発音の羽に関するものの意。[説文解字]は「華蓋カガイ(天子の車につけたきぬがさ。はながさ)也」とする。北宋の発音辞典である[廣韻コウイン]は「羽葆ウホウ(はねかざり)也」とする。[字統]は、華蓋などの天子の車の羽がさは、天子に災いが及ばないようにはらう意味があるとする。羽がさの意から、かざす・おおう意となり、さらにかげる・かげの意味となる。また、目の網膜がかげる意から「目がかすむ」意味になる。
意味 (1)きぬがさ。鳥の羽で飾った絹のおおい。車上の羽で飾った衣がさ。「幢翳ドウエイ」(旗ほこと車上の衣がさ) (2)かざす(翳す)。おおう。上にさしかける。「蔽翳ヘイエイ」(おおいかざす)「掩翳エンエイ」(おおいかざす) (3)かげる(翳る)。かげ(翳)。陰になる。「翳翳エイエイ」(かげってくらい)「陰翳インエイ」(うすぐらいかげ=陰影)「暗翳アンエイ」(暗いかげ=暗影) (4)かすむ(翳む)。「眼翳ガンエイ」(翳かすみ眼め」
<紫色は常用漢字>
殹 エイ 殳部

解字 「匚(はこ)+矢(や)+殳(打つ)」の会意。矢を入れた箱を打つまじないを表す。矢は知・智の字においては、矢を供えて神に祈るかたち。族においては旗のもとに矢をおいて誓うかたちで、矢は武器だけでなく願い事の手段としても用いられた。殹エイは、願いをかけた矢を箱に入れ、巫女(みこ)が打って、邪霊のもたらした結果である病をはらう意。しかし、本来の意でなく、打ち祓うときの音や声の意となる。
意味 音がひびく。ああ。音調を整える助字。
イメージ
矢を打って病を「はらう」(殹・医・毉・翳)
音の変化 エイ:殹・翳 イ:医・毉
はらう
医[醫] イ・いやす 匚部はこがまえ

解字 篆文および旧字は醫で「酉(さけ)+殹(はらう)」の会意。酉は、薬草をいれた薬酒。醫は、薬酒を飲ませて病をはらうこと。病気をなおす、なおす人を表わす。新字体の医は、旧字の上部左にある「医(矢をいれた箱)」の字を取り出して「醫」に代えたもの。
意味 (1)いやす(医す)。病気をなおす。「医方イホウ」「医療イリョウ」「医薬イヤク」「医院イイン」 (2)くすし(医)。いしゃ。「医者イシャ」「名医メイイ」
毉 イ 殳部
解字 「巫(みこ)+殹(はらう)」の会意。巫フは神がかりして神意をつたえる巫女(みこ)。毉イは、巫女が神がかりして病をはらうこと。この字から古代の医療は巫女あるいは巫祝フシュクによる呪的行為だったことが分かる。
意味 醫イの元の字で、醫(医)と同字。
翳 エイ・かざす・かげ・かげる・かすむ 羽部
解字 「羽(はね)+殹エイ(はらう)」の会意形声。エイという発音の羽に関するものの意。[説文解字]は「華蓋カガイ(天子の車につけたきぬがさ。はながさ)也」とする。北宋の発音辞典である[廣韻コウイン]は「羽葆ウホウ(はねかざり)也」とする。[字統]は、華蓋などの天子の車の羽がさは、天子に災いが及ばないようにはらう意味があるとする。羽がさの意から、かざす・おおう意となり、さらにかげる・かげの意味となる。また、目の網膜がかげる意から「目がかすむ」意味になる。
意味 (1)きぬがさ。鳥の羽で飾った絹のおおい。車上の羽で飾った衣がさ。「幢翳ドウエイ」(旗ほこと車上の衣がさ) (2)かざす(翳す)。おおう。上にさしかける。「蔽翳ヘイエイ」(おおいかざす)「掩翳エンエイ」(おおいかざす) (3)かげる(翳る)。かげ(翳)。陰になる。「翳翳エイエイ」(かげってくらい)「陰翳インエイ」(うすぐらいかげ=陰影)「暗翳アンエイ」(暗いかげ=暗影) (4)かすむ(翳む)。「眼翳ガンエイ」(翳かすみ眼め」
<紫色は常用漢字>