嫖ヒョウ・慓ヒョウを追加しました。
票 ヒョウ・ふだ 示部

解字 篆文の上段は「上からの両手+左右の両手」(発音ヨ)の形。四つの手で持ち上げる意がある。それに囟シン(ここは発音のみ表す)がつき、発音がセンに変化したのが右横の𢍱セン(この字は上の両手の向きが下から出ているが意味は同じ)になった。この字は下部の両手が廾に変化している。上方にあがる意味がある。
下段は「𢍱セン+火」だが、センの廾は横の一に変化した。現代字は上の「両手+囟シン」が覀になり、下の「一+火」⇒示に変化した票になった。意味は、火が勢いよく上にあがること。転じて舞い上がるように軽く薄い札の意味を表す。
覚え方 覀(にし)に示(しめす)票(ひょう)
意味 (1)ふだ(票)。書きつけ用の紙片。手形・切手・証券など。「伝票デンピョウ」 (2)選挙などに用いるふだ。「投票トウヒョウ」「票決ヒョウケツ」 (3)かるい。ひるがえる。「票然ヒョウゼン」(ただよって定まらないさま=飄然)
イメージ
「まいあがる・高くあがる」(票・飄・標)
まいあがる意から「かるい」(剽・嫖・慓・驃)
まいあがる意から「うく」(漂・縹・瓢・鰾)
音の変化 ヒョウ:票・標・飄・剽・嫖・慓・驃・漂・縹・瓢・鰾
まいあがる・高くあがる
飄 ヒョウ・つむじかぜ・ひるがえる 風部
解字 「風(かぜ)+票(まいあがる)」の会意形声。まいあがる風。
意味 (1)つむじかぜ(飃)。はやて。「飄風ヒョウフウ」(急に吹きあがる風。つむじ風) (2)ひるがえる(飄る)。舞いあがる。「飄々ヒョウヒョウ」(①風にひらひらとひるがえる。②つかまえどころのないさま) (3)ふらふらとさまよう。「飄然ヒョウゼン」(さすらうさま。ふらりと来て、ふらりと去る)「飄逸ヒョウイツ」(世俗を離れてのんびりとしているさま)
標 ヒョウ・しるし・しるべ・しめ 木部
解字 「木(き)+票(たかく上がる)」の会意形声。木の高いところ。遠くから大きな木の梢(こずえ)をめじるしとするので、転じて、高く目につく目印の意味を表す。
意味 (1)しるし(標)。しるべ(標)。めじるし。しめ(標)。「標識ヒョウシキ」(他と識別できるめじるし)「商標ショウヒョウ」 (2)まと。めあて。「標的 ヒョウテキ」「目標モクヒョウ」 (3)しるす(標す)。あらわす。書きしるす。「標榜ヒョウボウ」(標は、しるす意、榜は、たてふだ。①立て札に善行をしるすこと。②主義・主張などを立て札にして掲げる)
かるい
剽 ヒョウ・かすめる・おびやかす 刂部
解字 「刂(刀)+票(かるい)」の会意形声。刃物でかるくそぎ取ること。
意味 (1)かすめる(剽める)。表面をさっとそぎとる。他人のものをさっとかすめとる。「剽窃ヒョウセツ」(他人の詩歌・文章などを盗みとって自分の作品として発表すること) (2)かるい。すばやい。「剽悍ヒョウカン」(すばやくて強い)「剽軽ヒョウケイ」(身軽ですばやい)「剽軽ヒョウキン」(明るく滑稽な) (3)おびやかす(剽かす)。おどす。「剽盗ヒョウトウ」(おいはぎ。おどして盗む)
嫖 ヒヨウ・かるい 女部
解字 「女(おんな)+票(=剽。かるい)」の会意形声。意味は二つあり、①女の身がかろやか。すばやい。②遊女とあそぶ。女色におぼれる。
意味 (1)かるい(嫖い)。かろやか。すばやい。「嫖姚ヒョウヨウ」(軽くすばやいさま) (2)女色におぼれる。「嫖客ヒョウカク」(遊女とあそぶ客)「嫖子ヒョウシ」(遊女)
慓 ヒョウ 忄部
解字 「忄(こころ)+票(=剽。かるい)」の会意形声。心がかるいこと。心がかるいと身もすばやく、かるくなる。
意味 すばやい。かるい。「慓悍ヒョウカン」(すばやくあらあらしい。=剽悍)「慓疾ヒョウシツ」(すばやい)
驃 ヒョウ・しらかげ 馬部
解字 「馬(うま)+票(=剽。かるい・すばやい)」 の会意形声。動作が軽くすばやい馬。特に、白いまだらのある黄色い馬をいう。
意味 (1)馬が軽々と駆けてゆくさま。 (2)しらかげ。白いまだらのある黄色の馬。「黄驃コウヒョウ」(白いまだらのある黄色い馬で、馬頭に白毛がある。得難い名馬)「赤驃あかかげ」(毛色が赤みがかった茶褐色の馬)「逸驃イツヒョウ」(駿馬) (3)「驃騎ヒョウキ」(漢代の将軍の名称の一つ。驃騎将軍の略) (4)つよい。いさましい。
うく
漂 ヒョウ・ただよう 氵部
解字 「氵(水)+票(うく)」の会意形声。水に浮く意で、浮いてただようこと。また、水にさらす意ともなる。
意味 (1)ただよう(漂う)。流れにうかぶ。さまよう。「漂流ヒョウリュウ」「漂着ヒョウチャク」「漂泊ヒョウハク」(あてもなくさまよう) (2)水にあらう。さらす。水や薬品で白くする。「漂白ヒョウハク」
縹 ヒョウ・はなだ 糸部
解字 「糸(ぬの)+票(=漂。さらす)」の会意形声。藍の生葉をすりつぶし水にといた青汁に漬けて染めた絹のぬの。淡い藍色を呈するので、はなだ色という。また、飄ヒョウ(ひるがえる)に通じ、ひるがえる意がある。
意味 (1)はなだ(縹)。はなだいろ。薄い藍色。「縹色はなだいろ」「縹草はなだぐさ」(ツユクサの異称)「縹帙ヒョウチツ」(はなだ色の本包み)(2)はなだ色の絹。(3)ひるがえる。「縹飄ヒョウヒョウ」(ひるがえるさま)(4)「縹渺・縹緲ヒョウビョウ」とは、①遠くかすむさま。②はるかに広いさま。
瓢 ヒョウ・ひさご 瓜部
解字 「瓜(うり)+票(うく)」の会意形声。水に浮く瓜。ひょうたんのこと。
意味 (1)ひさご(瓢)。ふくべ。ひょうたん。「瓢箪ヒョウタン」(①ウリ科の一年草の瓜。②その果実の中身を除いて乾燥させ器としたもの。水や酒を入れる) (2)ユウガオ・ヒョウタン・トウガンなどの総称。「干瓢カンピョウ」(ユウガオの果肉を薄く長くむいて干した食品)
鰾 ヒョウ・うきぶくろ 魚部
解字 「魚(さかな)+票(うく)」の会意形声。魚の浮き袋をいう。
意味 うきぶくろ(鰾)。魚の浮き袋。ふえ(鰾)。「鰾膠ヒョウコウ」(魚の浮袋を原料にした、にかわ。粘着力が強い。にべ。)
<紫色は常用漢字>
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票 ヒョウ・ふだ 示部

解字 篆文の上段は「上からの両手+左右の両手」(発音ヨ)の形。四つの手で持ち上げる意がある。それに囟シン(ここは発音のみ表す)がつき、発音がセンに変化したのが右横の𢍱セン(この字は上の両手の向きが下から出ているが意味は同じ)になった。この字は下部の両手が廾に変化している。上方にあがる意味がある。
下段は「𢍱セン+火」だが、センの廾は横の一に変化した。現代字は上の「両手+囟シン」が覀になり、下の「一+火」⇒示に変化した票になった。意味は、火が勢いよく上にあがること。転じて舞い上がるように軽く薄い札の意味を表す。
覚え方 覀(にし)に示(しめす)票(ひょう)
意味 (1)ふだ(票)。書きつけ用の紙片。手形・切手・証券など。「伝票デンピョウ」 (2)選挙などに用いるふだ。「投票トウヒョウ」「票決ヒョウケツ」 (3)かるい。ひるがえる。「票然ヒョウゼン」(ただよって定まらないさま=飄然)
イメージ
「まいあがる・高くあがる」(票・飄・標)
まいあがる意から「かるい」(剽・嫖・慓・驃)
まいあがる意から「うく」(漂・縹・瓢・鰾)
音の変化 ヒョウ:票・標・飄・剽・嫖・慓・驃・漂・縹・瓢・鰾
まいあがる・高くあがる
飄 ヒョウ・つむじかぜ・ひるがえる 風部
解字 「風(かぜ)+票(まいあがる)」の会意形声。まいあがる風。
意味 (1)つむじかぜ(飃)。はやて。「飄風ヒョウフウ」(急に吹きあがる風。つむじ風) (2)ひるがえる(飄る)。舞いあがる。「飄々ヒョウヒョウ」(①風にひらひらとひるがえる。②つかまえどころのないさま) (3)ふらふらとさまよう。「飄然ヒョウゼン」(さすらうさま。ふらりと来て、ふらりと去る)「飄逸ヒョウイツ」(世俗を離れてのんびりとしているさま)
標 ヒョウ・しるし・しるべ・しめ 木部
解字 「木(き)+票(たかく上がる)」の会意形声。木の高いところ。遠くから大きな木の梢(こずえ)をめじるしとするので、転じて、高く目につく目印の意味を表す。
意味 (1)しるし(標)。しるべ(標)。めじるし。しめ(標)。「標識ヒョウシキ」(他と識別できるめじるし)「商標ショウヒョウ」 (2)まと。めあて。「標的 ヒョウテキ」「目標モクヒョウ」 (3)しるす(標す)。あらわす。書きしるす。「標榜ヒョウボウ」(標は、しるす意、榜は、たてふだ。①立て札に善行をしるすこと。②主義・主張などを立て札にして掲げる)
かるい
剽 ヒョウ・かすめる・おびやかす 刂部
解字 「刂(刀)+票(かるい)」の会意形声。刃物でかるくそぎ取ること。
意味 (1)かすめる(剽める)。表面をさっとそぎとる。他人のものをさっとかすめとる。「剽窃ヒョウセツ」(他人の詩歌・文章などを盗みとって自分の作品として発表すること) (2)かるい。すばやい。「剽悍ヒョウカン」(すばやくて強い)「剽軽ヒョウケイ」(身軽ですばやい)「剽軽ヒョウキン」(明るく滑稽な) (3)おびやかす(剽かす)。おどす。「剽盗ヒョウトウ」(おいはぎ。おどして盗む)
嫖 ヒヨウ・かるい 女部
解字 「女(おんな)+票(=剽。かるい)」の会意形声。意味は二つあり、①女の身がかろやか。すばやい。②遊女とあそぶ。女色におぼれる。
意味 (1)かるい(嫖い)。かろやか。すばやい。「嫖姚ヒョウヨウ」(軽くすばやいさま) (2)女色におぼれる。「嫖客ヒョウカク」(遊女とあそぶ客)「嫖子ヒョウシ」(遊女)
慓 ヒョウ 忄部
解字 「忄(こころ)+票(=剽。かるい)」の会意形声。心がかるいこと。心がかるいと身もすばやく、かるくなる。
意味 すばやい。かるい。「慓悍ヒョウカン」(すばやくあらあらしい。=剽悍)「慓疾ヒョウシツ」(すばやい)
驃 ヒョウ・しらかげ 馬部
解字 「馬(うま)+票(=剽。かるい・すばやい)」 の会意形声。動作が軽くすばやい馬。特に、白いまだらのある黄色い馬をいう。
意味 (1)馬が軽々と駆けてゆくさま。 (2)しらかげ。白いまだらのある黄色の馬。「黄驃コウヒョウ」(白いまだらのある黄色い馬で、馬頭に白毛がある。得難い名馬)「赤驃あかかげ」(毛色が赤みがかった茶褐色の馬)「逸驃イツヒョウ」(駿馬) (3)「驃騎ヒョウキ」(漢代の将軍の名称の一つ。驃騎将軍の略) (4)つよい。いさましい。
うく
漂 ヒョウ・ただよう 氵部
解字 「氵(水)+票(うく)」の会意形声。水に浮く意で、浮いてただようこと。また、水にさらす意ともなる。
意味 (1)ただよう(漂う)。流れにうかぶ。さまよう。「漂流ヒョウリュウ」「漂着ヒョウチャク」「漂泊ヒョウハク」(あてもなくさまよう) (2)水にあらう。さらす。水や薬品で白くする。「漂白ヒョウハク」
縹 ヒョウ・はなだ 糸部
解字 「糸(ぬの)+票(=漂。さらす)」の会意形声。藍の生葉をすりつぶし水にといた青汁に漬けて染めた絹のぬの。淡い藍色を呈するので、はなだ色という。また、飄ヒョウ(ひるがえる)に通じ、ひるがえる意がある。
意味 (1)はなだ(縹)。はなだいろ。薄い藍色。「縹色はなだいろ」「縹草はなだぐさ」(ツユクサの異称)「縹帙ヒョウチツ」(はなだ色の本包み)(2)はなだ色の絹。(3)ひるがえる。「縹飄ヒョウヒョウ」(ひるがえるさま)(4)「縹渺・縹緲ヒョウビョウ」とは、①遠くかすむさま。②はるかに広いさま。
瓢 ヒョウ・ひさご 瓜部
解字 「瓜(うり)+票(うく)」の会意形声。水に浮く瓜。ひょうたんのこと。
意味 (1)ひさご(瓢)。ふくべ。ひょうたん。「瓢箪ヒョウタン」(①ウリ科の一年草の瓜。②その果実の中身を除いて乾燥させ器としたもの。水や酒を入れる) (2)ユウガオ・ヒョウタン・トウガンなどの総称。「干瓢カンピョウ」(ユウガオの果肉を薄く長くむいて干した食品)
鰾 ヒョウ・うきぶくろ 魚部
解字 「魚(さかな)+票(うく)」の会意形声。魚の浮き袋をいう。
意味 うきぶくろ(鰾)。魚の浮き袋。ふえ(鰾)。「鰾膠ヒョウコウ」(魚の浮袋を原料にした、にかわ。粘着力が強い。にべ。)
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