80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

はるばる九州リポート(後篇)

2010-03-03 11:28:47 | 九州・山陽方面
九州遠征リポートの後篇です。まずは「上熊本駅舎」の続きから。

わが家で建設中レイアウトの「信濃長池駅」のモデルとなったのが、国鉄/JR九州の旧上熊本駅であるという話はだいぶ以前に書きました

九州新幹線の建設と鹿児島本線の連続立体化に伴い、大正生まれのレトロモダンな駅舎は解体・撤去されましたが、歴史的価値が高いとして保存運動が起き、外壁の一部が熊本市電の上熊本駅前電停に再利用されました。

再利用されたのは差し掛け屋根から本屋の前半分くらいで、瓦屋根は普通の板屋根となってしまいましたが特徴的な四角い煙突は残されました。



差し掛け屋根の下は歩道に接していて自由に通ることができます。窓下にはプランターが置かれ、小さな花が咲いています。
右端の扉はもとの駅長室の出入口ですが、今は開けることはできません。



もとの駅長室扉の上部には継ぎ足しの住居表示板と、電電公社のマーク入り電話番号プレートが残されていました。2-0211とあり、現在の上熊本駅の電話番号(096-352-0211)の祖先であることがわかります。



もとのエントランス部分です。扉は残されていますが常にオープンの状態で鎖が張られ、ここも普段は出入りはできないようです。



エントランス右手の柱上部には建物財産標も残されていました。大正2年7月27日とあります。「鉄」というのは国有財産区分上の「鉄道」の略でしょうか?



内側(電停側)はこのようになっていて、屋根とともにしっかりと鉄骨に支えられています。X形に補強の入ったエントランスドアのデザインがわかります。



車寄せの屋根も健在です。できれば時計を掛けてもらえると、駅らしさがもっと出て良いのではないでしょうか。入口の向こうに電車というのも不思議な光景です。



車寄せの右脇には丸型ポストも。駅舎の現役時代は左側に置かれていました。ポストの方は現役で頑張っています。



味わいのある木造駅舎が次々と姿を消していく中、部分的でも「駅」の一部として活用されているのは喜ばしいことで、保存に尽力された方々の熱意に拍手を送りたいと思います。


さて、電停にレトロな1081号車が到着しました。熊本交通センター最寄りの辛島町まで乗ることにします。最古参でラッシュ時以外は出てこない車両だそうなのでラッキー。



冷房化されていますが、板張りの床と木の窓枠がいい感じを出しています。もちろん釣り掛け。熊本市電は自動車の軌道内乗り入れを禁止しているようで、交通量が多い時間帯にも関わらずスムーズに走ります。



大きなマスコンはTDK(東洋電機)製。運賃は150円均一です。熊本市電は自動車の軌道内乗り入れを禁止しているようで、交通量が多い時間帯にも関わらずスムーズに走りました。



辛島町電停で降りてしばし電車やバスを撮影。でも雨のうえに夕暮れが近づいてきてブレまくり(>_<)
新鋭0800形超低床車は辛うじてきれいに映ってくれました。


8500形の広告電車「チキンラーメン号」も後ろ半分が見事流れてしまいました~!
薄暗さの中でもこのど派手な塗装は際立ってますね。



熊本交通センターからは高速バスで天神へ戻りました。「スーパー特急」というネーミングに期待して1本遅い便に乗ってみましたが、高速に乗るまでは各駅停車ですね。高速上ではさすがに主要バスストップだけしか止まらず快走してくれました。




上熊本駅のスケールモデルを作るわけではないのに写した写真100枚以上。梁の構造から窓枠のディティールまでこれでもかと・・・
実物を見てきて嬉しいはずなのに、何だろうこのブルーな気分。

ま、いっか。モデルはモデル!
頭を切り替えてオリジナル駅舎を作ろうっと。


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コメント (2)
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