地球散歩♪

いもとなおこのBLOG

モザンビークの楽園編。

まずは過去の日記を掲載。

2005年03月09日 | sierra leone
2004年9月

シエラレオネだより①

ご無沙汰しております。みなさま、お元気ですか?
シエラレオネという国にいます。聞いたことありますか?
西アフリカにある、世界で一番貧しいと言われている国です。(「貧しさ」をどうやって量るか、というと議論が長くなります)

シエラレオネでは11年間、それはそれは残酷な内戦をドンパチやっていました。2001年に終わって今は平和が訪れてようとしています。

今回はそんなシエラレオネのお話をいろいろとしたかったのですが、それよりもガーナへの帰路の旅が凄まじかったのでそちらに焦点を当てることにします。

私は2週間の滞在を終え、火曜日にガーナへ帰ることになっていました(拠点はガーナです)。しかし飛行機は前週金曜日から「エンジン・トラブル」で飛んでいなかった。不安になったけど、絶対自分の日は飛ぶのだ!と楽観していたおめでたい私でした。

月曜日、翌日の私の便が運航しないことが告げられました。やれやれ。では水曜日は飛ぶのかしら。

水曜日。13時発の飛行機を目指して、空港へ。空港行きの船は1時間半遅れたけど、こんなこともあろうかと早めに出ておいた。
途上国では気を長く持たないとやっていけません。
空港に着くと、チップ目当ての従業員がまとわりつく。
「自分でできるからほっといて」と冷たく一蹴。しつこい人が多いので現地人についつい冷たくなってしまう、そんな自分が嫌だ。
空港内のカフェで待つ。出発はどうせ遅くなるから、と持参のPCを開いて報告書なんて書いてしまう真面目な私。

15時。まぁ2時間遅れなんてよくあること。昼食がまだだったからサンドウィッチなどオーダーしてみる。
場内アナウンスが16時出発と告げる。でも信用してはいけないわ。きっともっと遅れるはず。

18時。案の定、まったく動く気配なし。報告書はすでに書き終えてしまった。
「今だけを生きる」、のんびり屋の私が少し先を考えるようになってきた。
今日はマジで飛ばないかも…。
もう首都のフリータウンに帰る交通手段は遮断されてしまった。こうなったら空港近くのホテルを確保しておかなければ…。

20時。とうとう搭乗手続き!わーい!このままだと夜遅くてもアクラ(ガーナ)には着く。やれやれ。
デブの金持ちアフリカ人の合間を縫って席に着く。
アフリカの飛行機ではよくあることだが、飛行機の岐路は直行ではない。いろんなところに寄りながら自分の目的で降りる。バスみたい。
前から乗っていた隣のおじさんはビル・クリントン元大統領の分厚い自伝を大事そうに読んでいるつまらない奴だ。だけどちょっと声をかけてやるか。

「どこから乗っているの?」
「アクラだよ」
へ?それって私の目的地です。
「え、この飛行機、これからどこに行くの?」
「バンジュール(ガンビア)、ダカール(セネガル)、コナクリ(ギニア)だよ」

はあああああ???
つまり、ガーナ行きが飛ばなくなった代わりに、これら3都市行きの便に私たちを詰め込み、最後にちょっと足を伸ばそうという魂胆だったのです。やれやれ、これじゃ着くのは朝か…。

1時間でガンビアの首都バンジュールに着いた。まさかガンビアに降り立つことになるとは。何人かの乗客が降りて、残された私たちは機内で次の目的地ダカールへの出発を待つ。

1時間ほど待ったところで機内アナウンスがあった。
「この機体は都合により離陸不可能になりました。手荷物を持って降りて下さい」。

はああああああああ???
よくわけがわからないまま、他の乗客と一緒にぞろぞろと空港に下り立つ。
「飛行機が飛ばないってことは、今日はどこに泊まるの?」
「ホテルに連れていってくれるらしいよ」。

大した説明もないまま、私たちはバンジュール市内に向かいました。
ガンビアというのは実はヨーロッパ人に人気の観光地なんです。
ホテルに向かう途中の家々があまりにも立派で驚きました。
こんなに発展したアフリカの国は見たことない…。

ホテルは超豪華。4ツ星くらい。まぁこれならちょっと許してやろうかな。
それにしても相変わらず情報はなさすぎです。
「明日の飛行機は何時に飛ぶの?」
「また明朝、連絡します。」
「はっきりしなさいよっ!」
とブーブー文句をいいながらも、皆、昼から何も食べていないので(機内食も出なかった)空腹で弱っていた私。すでに深夜0時。
「どこかに食べるところはないの?ルームサービスは?」
「もうサービスは終わっています」。
皆の怒りは爆発して廊下で騒いでいたけど、私は空腹で力も出ず、不貞寝することにした。

翌朝。朝食バイキングを皆でガツガツと食べる。
人間は空腹だとこうも行儀が悪くなるのか。
西アフリカの果物はものすごく甘くておいしい。
ガンビアでもマンゴ、パパイヤがサイコー。

ガーナ航空の担当者は料金を課されないようにチェックアウトの時間には私たちをホテルから出した。こういう時だけ素早い。

空港で待つこと4時間。ようやくガンビアを出た。
セネガル、ギニアを経由してアクラに戻ったのは22時。

アフリカ人は、飛行機が目的地に降り立つと拍手するクセがあるのです。
私はいつもはそんな彼らを見て、「飛行機なんて滅多に落ちないんだよ。ちゃんと着くんだからいちいち騒ぐなー」と馬鹿にしていましたが、今回の着陸で真っ先に拍手したのは、私でした。

そして「もうガーナ航空は一生利用しない」と心に誓うのでした。

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