地球散歩♪

いもとなおこのBLOG

モザンビークの楽園編。

盲目の除隊兵士

2006年02月06日 | rwanda
今日は全国一斉地方選挙です

町会議員を選ぶ日

道に誰も人がいなくて
車も全然走っていなくて
集会所のどばーーーっと人が集まっている

日本のケタタマシイ選挙とはエライ違いで
何のサインもなく
厳かに行われている

投票率は凄いと思う
だーれも外にいないもん

本当にこの国 皆で何かやろうとするときは すごい結束力だ
「結束」といっても 喜び勇んでやるのではなくて
義務だからやってるような
半ば強制ともいえるような そんな感じで 
あまり感情の起伏なしに 淡々と不特定多数を担っている

空いている店はただのひとつもなくて
経済活動が完全にストップしていることなど
気にかける人は誰もいないのだろうか


そんな今日 運の悪いことに
盲目の除隊兵士の研修の集合日と重なってしまった
誰も来ないかもなぁと思って集合場所に行ったら
5人ばかり来た


普通 除隊兵士で障害を持つ人は 引っ込み思案だったり
やたらと要求したり
何かトラウマでも抱えているような人が多い

盲目だと尚更で
一人では何もできないのが当たり前


でも今日会った5人の中に
とんでもないスーパーおじさんがいた

集合場所に来ないで
バイクタクシーで勝手に現れるし
普通なら誰かに同伴してもらうけど
杖もないのに一人で行動してるし
やたら良く喋るし
「ワイフと子どもにしばらくお別れしなくちゃいけないから今日は帰る。明日来る」という始末・・・

もうとっくにエンパワメントされちゃっているの このおじさん
名前をオーガスティンといいます

帰りの車の中で話していて さらに驚きました

オ「実は今日の選挙で16人中1番に当選しちゃってよー」

        ・・・。

オ「でも断ったよ。この研修があるから」

私「失礼ですが、盲目なのに、何でそんなにリスペクトされてるんですか?」
オ「ワシ、ガチャチャ法廷(94年のジェノサイド加担者を裁くコミュニティ裁判)でも副議長やから」
私「えー すごい。今、仕事とか持ってるんですか?」
オ「前、小学校を作った」

       ど、どうやって・・・

オ「コミュニティの若いモンに作らせた」
私「何か他にあなたができることは?」
オ「農業と・・・ 椅子も作れるけど」

椅子・・・

あまりに驚いたので、そのサングラスの下で 本当は見えているんじゃないかと疑ってみました。

こんな人 私たちのプロジェクトでやる盲目者のための自立促進研修なんていらないんじゃないか
もう立派に自立しているもの!

私「わかった。おじさん。他の参加者たちを助けてね」

オ「ナキバゾ!(キニヤルワンダ語でノー・プロブレム)」


まさにスーパーおじさん
こんな除隊兵士もいるのか

頼りにしてるよ オーガスティン