
昨日の朝、大山崎ふるさとセンターで続けてこられた「論文を読む会」で「ひらけ、博物館」というテーマで発表させていただきました。島本町で仕事をしているなら「山崎」のことを学んで損はないはず、と勧めていただいて参加を決めたものの、毎回公務や会議と重なり、たった一度しか参加できないままに自分自身の発表を迎えてしまいました。
「ひらけ、博物館」(伊藤寿朗:岩波ブックレット)を読み解き、A3サイズ2枚のレジュメを作成、約80分の持ち時間での発表。テーマを与えてくださった歴史資料館の館長さんは、かつて社会科教師をされていたとのこと、わたしは学生になった気分で取り組みました。
「論文を読む会」メンバーのみなさんは、大山崎町や京都市で、歴史や史跡の案内ボランティアをされている方がほとんど。島本町在住の方もおられ、中世、近世の歴史について学び発表されています。わたしは異色の存在、身の丈でのぞみました。
嬉しかったことは、自由討議の場で「政治家の視点」「いままでになかった発表」という言葉をいただいたことです。
博物館法やICOM世界博物館会議による博物館の定義やルーブル美術館のはじまりに言及、日本における博物館の数と歴史、背後になる社会変容、大山崎町と島本町の資料館設置条例に触れたからかもしれません。
また、博物館は「教育」か「文化」か、という著者の問いかけに、「どちらでもあって、どちらでもあるべき」、「繰り返し学ぶことが教養になり、文化となり、文化の厚みと深みがまちを育てると思う」とも発言しました。
「教育」か「文化」か。発表後の自由討議では、このことで議論が白熱(?)しました。線引きできない、相互に関連していて線引きする必要がないとわたしは思っています。
ですが、自治体においてこの問題は、教育委員会の所管になるのか、首長部局の所管になるのかという大きな問題であり、遵守すべき法律の面でたいへんな違いとなると、館長さんから指摘がありました。
そして、首長の美術「観」が美術「館」のあり方をストレートに左右することの危うさを、新潟市美術館の例をあげて紹介してくださいました。
市長が著名アートディレクターを館長に招き、そのことで学芸員3名が「他の職場で行政事務を経験することで職務の視野が広がる」と職員健康管理課などに人事異動になりました。結果、所蔵作品の扱いの決まりごとが守られず(薫蒸して出し入れするなど基本的知識への無知)、文化財にカビが生えたり、虫が発生したりしました。
「美術館を活用して地域を活性化しようという狙い」ばかりが感じられ「保存・研究」という原点と使命を失ってしまったのです。
「都市ブランド戦略」という言葉が議員対象の研修でもよく使われるようになっています。「すべての文化施設を市長部局に移管して予算を潤沢に確保し文化に力を注ぐ」として機構改革が行われ、議会がこれを認めたということです。
島本町でも歴史文化資料館がJR島本駅前にあることから、賑わい創造、経済発展のために「前庭の広場でカフェを」「たとえばプレハブのようなものを建てて民間に活用してもらう」「土地の賃借料が見込める)」などの意見が、文化推進委員会で出されています。
こういった考え方にわたしは反対の立場。学芸員の配置や地位向上(正規雇用)、文化財の保存、修復、資料の整理活用に力を注ぎ、市民参加、地域志向の「ひらかれた資料館」であることを求めます。同時に、前庭を活用して行われる市民活動を応援、支援していきます。
「地域=市民の生活の場」すなわち島本町に係る「歴史、考古、民族などの分野を有機的にむずび、活動を通じて市民相互の関係を深める」「訪れる人の話題が企画展を通して、常設展示の核心へ自然に誘発される」(伊藤寿朗氏)文化施策が行われるよう、教育子ども部(教育委員会)の取組に期待したいと思います。
画像
第2回育まちカフェ(6月26日)大成功
翌日、京都新聞の「洛西」に掲載されました
子育て世代の出会いと学びを創造
大山崎・島本両町、府域を超えた
人と町の交流をめざしています
「ひらけ、博物館」(伊藤寿朗:岩波ブックレット)を読み解き、A3サイズ2枚のレジュメを作成、約80分の持ち時間での発表。テーマを与えてくださった歴史資料館の館長さんは、かつて社会科教師をされていたとのこと、わたしは学生になった気分で取り組みました。
「論文を読む会」メンバーのみなさんは、大山崎町や京都市で、歴史や史跡の案内ボランティアをされている方がほとんど。島本町在住の方もおられ、中世、近世の歴史について学び発表されています。わたしは異色の存在、身の丈でのぞみました。
嬉しかったことは、自由討議の場で「政治家の視点」「いままでになかった発表」という言葉をいただいたことです。
博物館法やICOM世界博物館会議による博物館の定義やルーブル美術館のはじまりに言及、日本における博物館の数と歴史、背後になる社会変容、大山崎町と島本町の資料館設置条例に触れたからかもしれません。
また、博物館は「教育」か「文化」か、という著者の問いかけに、「どちらでもあって、どちらでもあるべき」、「繰り返し学ぶことが教養になり、文化となり、文化の厚みと深みがまちを育てると思う」とも発言しました。
「教育」か「文化」か。発表後の自由討議では、このことで議論が白熱(?)しました。線引きできない、相互に関連していて線引きする必要がないとわたしは思っています。
ですが、自治体においてこの問題は、教育委員会の所管になるのか、首長部局の所管になるのかという大きな問題であり、遵守すべき法律の面でたいへんな違いとなると、館長さんから指摘がありました。
そして、首長の美術「観」が美術「館」のあり方をストレートに左右することの危うさを、新潟市美術館の例をあげて紹介してくださいました。
市長が著名アートディレクターを館長に招き、そのことで学芸員3名が「他の職場で行政事務を経験することで職務の視野が広がる」と職員健康管理課などに人事異動になりました。結果、所蔵作品の扱いの決まりごとが守られず(薫蒸して出し入れするなど基本的知識への無知)、文化財にカビが生えたり、虫が発生したりしました。
「美術館を活用して地域を活性化しようという狙い」ばかりが感じられ「保存・研究」という原点と使命を失ってしまったのです。
「都市ブランド戦略」という言葉が議員対象の研修でもよく使われるようになっています。「すべての文化施設を市長部局に移管して予算を潤沢に確保し文化に力を注ぐ」として機構改革が行われ、議会がこれを認めたということです。
島本町でも歴史文化資料館がJR島本駅前にあることから、賑わい創造、経済発展のために「前庭の広場でカフェを」「たとえばプレハブのようなものを建てて民間に活用してもらう」「土地の賃借料が見込める)」などの意見が、文化推進委員会で出されています。
こういった考え方にわたしは反対の立場。学芸員の配置や地位向上(正規雇用)、文化財の保存、修復、資料の整理活用に力を注ぎ、市民参加、地域志向の「ひらかれた資料館」であることを求めます。同時に、前庭を活用して行われる市民活動を応援、支援していきます。
「地域=市民の生活の場」すなわち島本町に係る「歴史、考古、民族などの分野を有機的にむずび、活動を通じて市民相互の関係を深める」「訪れる人の話題が企画展を通して、常設展示の核心へ自然に誘発される」(伊藤寿朗氏)文化施策が行われるよう、教育子ども部(教育委員会)の取組に期待したいと思います。
画像
第2回育まちカフェ(6月26日)大成功
翌日、京都新聞の「洛西」に掲載されました
子育て世代の出会いと学びを創造
大山崎・島本両町、府域を超えた
人と町の交流をめざしています