第12回 とだ*やすこのまなびとひろば
天王山の麓に暮らした偉人たち
~昭和の名建築・聴竹居を訪ねて~
先週の土曜日、午後、JR山崎駅前集合に集合して大山崎町の聴竹居を見学。聴竹居倶楽部・管理ボランティアスタッフのTさんの素晴らしい解説で、建築家・藤井厚二の研究の成果と宮大工の緻密な仕事を細部にわたり知ることができました。
天王山の麓には、昭和を生きた偉人の夢と情熱が刻まれています。サントリー山崎蒸溜所の創設者・鳥井信次郎氏、マッサンと呼ばれた初代工場長・竹鶴政孝氏、大山崎山荘(現アサヒビール山荘美術館)を建てた加賀正太郎氏。
そして建築家・藤井厚二氏(1888~1938年)です。「聴竹居」は、サントリー山崎蒸溜所とアサヒビール大山崎山荘美術館の中間に位置しています。お互いに交流があったと想像できます。
「聴竹居」は、「真に日本の気候、風土にあった日本人の身体に適した住宅」を生涯追い求めた藤井氏の研究の集大成といわれ、創建時と変わらぬ姿で今に伝えられています。
「聴竹居倶楽部」(有志の任意団体)のみなさんの維持、管理、特別公開などの地道な活動の成果もあって、内外の専門家(建築・環境工学など)からたいへん注目されているそうです。
先人の足跡をのこし、活かし、感動とともに伝えていく地域力、大山崎町の底力に感銘しました。地域の人にさえその存在が知られていなかった私邸は、いまや世界から注目される日本住宅建築。天皇・皇后両陛下が訪問されたことでも話題になりました。
身近にある隠れた歴史文化遺産の魅力と、すぐそこにある「むかし」を知る「まなびの半日まち歩き」。終了後は、島本町・大山崎町から参加してくださった住民の「まちのこし座談会」。 話題は尽きることがありません。
ひとがつながり、語りあって生まれる「都市間共創」。参加された方から山崎1Q28という、実に興味深いプロジェクトの紹介もありました。1928年、藤井厚二氏が聴竹居を建てた年です。
1928年、昭和3年、この年から、この場所からみる山崎、日本、そして世界。山崎1Q28は、山崎という場所の魅力を掘り起こすロマンあふれる作業。。。とわたしは理解しました。
参加してくださった方、ありがとうございました。参加がかなわなかった方、お知らせできなかった方(聴竹居の見学定員20名)お許しください。
これからも、学び、ひと、語らいのひろば、ゆるやかなつながりを大切にして活動します。
『聴竹居 藤井厚二の木造モダニズム建築』(平凡社コロナブックス)
聴竹居見学時(要申込み)に購入可能
阪急水無瀬駅前の長谷川書店でも購入できます