一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

65たび大野教室に行く(前編)

2014-04-21 00:25:56 | 大野教室
阿部さんの諦めの悪さには閉口した。悔しいのは分かるが、棋譜を汚さないでもらいたい。

19日(土)は、埼玉県川口市にある「大野教室」に行った。春になりぽかぽか陽気になって、室内でひとときを過ごすのがもったいないくらいだが、まだ表を歩くのは億劫である。
午後1時半すぎに教室に入ると、将棋を指していない年配客が2人いた。これはときどきあるパターンで、彼らは小学生の生徒の保護者である。2組ともご新規様で、大野教室、ますます好調である。
奥の部屋には北島忠雄六段の姿があった。きょうは植山悦行七段の代理で来ており、早くも4面指しを行っていた。
まず大野八一雄七段に角落ちで教えていただく。大野七段の△6四歩に、私は▲6六歩と突かず、別の手を指す。ここで△6五歩は下手の注文と見たか、大野七段は△6三金。
それに倣ったわけではないが、私も▲4五歩を突かず、ぐずぐずしていたら△4四歩と突かれてしまった。これで下手の発展性がなくなり、作戦負けに陥った。
左の将棋盤を見ると、どこかで見た局面である。これ、先日の私とS君の横歩取りの将棋ではないか。並べたのは大方Fuj氏だろう。
こんな素人の将棋を検討しても意味ないと思うのだが、そのくらいFuj氏は勉強好きということだ。彼に比べれば、私はまだまだ甘い。
和田あき女流3級が見えた。女流棋士の登場はありがたいが、個人的にはちょっと顔を合わせたくない感じである。時期が悪い。
和田女流3級は持参のお弁当を食したあと、私の左で大野七段に教えを請うた。
さてこちらの将棋はますます苦しい。徐々に駒損を重ね、挙げ句は角を切って暴発し、敗勢になった。
その局面が下である。


図以下の指し手。△1三角▲2四歩△6六歩▲5七金△7七歩成▲2三歩成△同玉▲2一竜△2二歩▲1五桂(投了図)まで、一公の勝ち。

△4三同銀に▲5一竜まで。上手玉は詰めろではないので、△7七歩成▲同桂△7六桂ぐらいで負けと思っていた。しかし大野七段の視線が盤面の右を泳いでいるのでどうするのかと見ていると、△1三角と打った。攻防の角だ。私はその一方を外すべく、▲2四歩。
ここから妙な手順が続く。△6六歩に▲5七金で、下手は手順に角の直射を遮ることができた。
大野七段は△7七歩成だが、私は▲2三歩成。以下、何と上手玉が詰んでしまった。
大野七段は▲1五桂をうっかりした、とのことだが、それにしてもおかしい。まるでキツネにつままれたような勝ち方である。

感想戦が終わった後、最後の△2二歩で△2二角はなかったですかと問うと、
「それで詰まないね」
と苦笑された。私は呆けるしかない。
以前も書いたが、対大野七段戦は、下手必敗の局面からの大逆転勝ちが多い。まあその逆も山ほどあるわけだが、敗勢→勝ちのパターンは感想戦でも反省するところばかりが目につき、ちっとも勝った気がしない。
3時休みになった。奥の北島六段も一休みしているので、お邪魔しておしゃべりをさせていただく。
北島六段は以前、NHK-BSで「囲碁将棋ジャーナル」の司会を何年間かしていた。華やかさのない将棋番組(失礼)で、男性棋士の司会は異色である。つまりそのくらい、北島六段の人望が厚かったということだろう。
生の北島六段も、テレビで見たときと変わらず、穏やかな物腰だった。
洋間に戻ると、和田女流3級に捕まってしまった。学校帰りだろうから制服姿なのは当然だが、私が女子高生に弱いということを知っていて、目一杯それらの武器を使ってくる。
15,000円…。
何が何だか、分からなかった。
3時休みのあとは、北島六段にやはり角落ちで教えていただく。相居飛車の出だしから、北島六段は△8六歩~△同飛。私は▲8七金と立ち▲8六歩とフタをするが、金銀が上擦ってしまった。
北島六段の将棋を指す手つきは、いままでに見たことがないほど穏やかだ。爪もしっかり手入れがされている。
後方では、Sat氏とHanaちゃんの一局が行われている。昨年10月から始まった、「第1回・大野八一雄杯リーグ戦」の同点決勝である。注目の一戦だが、私には関係のない話である。
私は▲5六歩。以下△同歩▲5五歩△同金▲6五歩(▲8八の角で金取り)と進んだ。そこで△5四金▲5五歩△4四金に味よく▲5六銀と歩を取り、下手十分と見ていた。
ところが本譜は△5四銀! 銀を立つ平凡な手を見落としていた。これでは下手が2歩損し、上手の金銀が大威張りという結果が残っただけである。これで下手の負けが決まった。
本譜は終盤で△5七歩成が実現し、下手の完敗となった。
(つづく)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする