一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

4月12日のわらび将棋教室(後編)

2014-04-18 00:09:28 | 蕨将棋教室
次はS君との対局である。S君には先日の東十条将棋教室で惜しい将棋を負けているので、本局は私の雪辱戦だ。
S君の先手で▲7六歩△8四歩▲2六歩△8四歩。
ここでS君が私を何とも言えない顔で見る。私は先日のブログで、S君は横歩取りの将棋も指すとよい、と書いた。S君がそのブログを読んでいる可能性は低いが、お父さんが読んでいて、それをS君に伝えた可能性はある。
▲2五歩か、▲6六歩か。私が注目していると、S君は(やっぱりこれで…)という顔で、▲6六歩と突いた。私も追随して、相矢倉になる。
と、横で指導対局をしていた植山悦行七段が
「矢倉ですか」
と言った。
「S君の▲7六歩~▲6六歩でこうなりまして」
「大沢さんは矢倉が苦手だから、S君チャンスですよ」
おっしゃるとおりで、私は矢倉が苦手だ。しかし苦手なら、勉強して自分のものにする楽しみもある。まあそれはともかく、いまは目の前の将棋だ。
S君、▲3七銀から▲3五歩。これを△同歩と取るから、いつも作戦負けに陥るのだ。私は△6四角と出た。
「もう△3五同歩とは取りません」
「いや取ってもいいんですが…」
と植山七段。
ここから矢倉独特の攻め合いになったが、S君の攻めが一枚上で、飛車角に成りこまれてしまった。
私は寸隙をついて△8六桂。これをS君が▲8六同歩と指しかけて、▲同銀と取ったのがマズかった。△同歩▲同歩に△8七歩と王手で叩けては、一瞬にして後手ペースである。
▲8六同銀では、もちろん▲同歩が良かった。これなら以下△同歩▲同銀△同飛に▲8七歩で、先手を取ることができた。
S君、前回の東十条で「△8六歩には(この局面では)▲同銀と取るのが形」と植山七段に教えられたが、それを守ったのが今回は裏目に出てしまったようだ。
△4六馬の飛車取りに構わず、私は▲4三角成。△2八馬なら▲3二馬までなので△同金だが、ここで▲3二銀打でなく▲1五桂が好手。以下△1四玉▲2三銀△1五玉▲1六歩まで。
詰め上がりまで指して、S君は「…け、ました」と言ったが、聞き取れないと思ったのか、「負けました」と言い直した。
S君、オッサンに負けたのが信じられないというふうだったが、私はもう少し抵抗するつもりである。
続いては別の少年と対局。彼とは前回のわらび教室で連敗している。それを植山七段も憶えていて、「大沢さんは彼が苦手だからなア」とか言っている。私が彼に負けたのは先日が初めてなのだが、否定するのも大人げない感じだ。
将棋は私の誘導で、△4五角戦法となった。▲1一角成に△3三桂と跳ねず、△8七銀。前回と同じだ。少年は▲7七馬。前局は▲7九金だったが、感想戦で出た手順を踏襲してきた。
△7六銀不成以下、少年は▲8五飛だが、△2五飛が切り返しの好手。これで私が優勢になったと思ったのだが…。
以下数手進んだ局面を記そう。

先手・少年:1七歩、1九香、2六歩、2八銀、2九桂、3七歩、4七歩、5七歩、5八金、5九玉、6三と、7七歩、9七歩、9九香 持駒:飛、角、銀、桂、歩2
後手・一公:1一香、1三歩、2一桂、2四歩、3一銀、3二金、4三歩、5一玉、5三歩、6一金、7一銀、7三歩、7九と、8一桂、8八飛、9一香、9三歩 持駒:角、金、歩
(▲5八同金まで)

以下の指し手。△6九角▲5二銀△4二玉▲4一飛△3三玉▲6八歩△6七歩▲3六香△2三玉▲5六角△1四玉▲6七角△5八角成▲同角△3八金▲3九銀△同金▲1六歩△5二金▲1五歩△2三玉▲6七角△2二玉▲3二香成△同玉▲2三角打 まで、少年の勝ち。

後方では、植山七段とFuj氏が平手戦を行っている。Fuj氏の居飛車に、植山七段が右玉の趣向を見せていた。
私は△6九角と打った。しかし▲5二銀以下を決めてから▲6八歩がいい辛抱で、△6七歩と使わせてから▲3六香でシビれた。私も頑張ったが、もう後手の勝ちはないようである。
感想戦では、△6九角で△6七角を少年に指摘された。そうか上から打つのか。なるほどこれなら自陣にも利いて、たしかに決め手に見える。
さらに植山七段からは、△3八角の指摘もあった。うう…この挟み撃ちもあったのか。私の△6九角はスジっぽく見えて、決め手になっていなかった。
まあそれは置いといて、では先手はどこが悪かったのか。やはり▲8五飛だろう。これに代わる手として、少年は▲5六香を示したが、なるほどこれで後手は困っている。
もう▲1一角成に△8七銀は使えないようだ。
植山―Fuj戦も終わったようで、植山七段の勝ち。感想戦を聞いていると、
「大沢さん、飯島先生の横歩取りの本、買ったんじゃないんですか?」
とFuj氏が聞いてきた。
「まだ読んでない」
確かに飯島本をしっかり読んでいれば、▲8五飛に対して、もっと明確に勝てたかもしれない。
食事は植山七段、W氏、Fuj氏、私の4人で、ガストに行く。喫煙席が満席で、そこが空くまで入口で30分近く待った。けっきょくしびれを切らして禁煙席に座ったが、スモーカーは、煙草を吸うためにはここまで辛抱するのかと感心した。
食事後の植山七段は、弁舌が滑らかだった。まさに一刀両断という感じだが、それだけにその内容は、ここに書くことはできない。
コメント (2)
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