一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

電王戦における将棋ソフトの実力

2013-03-22 00:30:06 | 将棋イベント
第2回電王戦が、あす23日(土)から行われる。今回は団体戦で、5人のプロ棋士と5つの将棋ソフトが、1週間ごとに対戦する。参戦ソフトは、第22回世界コンピュータ将棋選手権の上位5位。
棋士側のメンバーと将棋ソフトの対局日は、以下の通りである。

3月23日…阿部光瑠四段VS習甦(5位)
3月30日…佐藤慎一四段VS Ponanza(4位)
4月6日…船江恒平五段VSツツカナ(3位)
4月13日…塚田泰明九段VS Puella α(2位)
4月20日…三浦弘行八段VS GPS将棋(1位)

昨年の第1回は米長邦雄永世棋聖が登場したが、ボンクラーズに惜敗した。また2010年10月には、清水市代女流六段と「あから」の一戦が行われ、「あから」が勝った。日本将棋連盟としては、屈辱の結果である。今回は現役男性棋士の登場となり、結果的に「女流棋士→男性引退棋士→男性現役棋士」と出場棋士のレベルを上げる形になった。…が、ちょっと待て。
プロ棋士VS将棋ソフトなら、渡辺明竜王対ボナンザ戦が、2007年3月に行われている。
この将棋、ボナンザの四間飛車で、相穴熊になった。71手目にボナンザが▲6四歩と突き捨てた手が、一見疑問手に見えて実は妙手。コンピュータの常識に捉われない指し方に心底感心した。
熱戦になったが、89手目の▲2四歩が敗着とされる(渡辺竜王の読みは▲2七香)。また101手目▲2八同銀では、▲2八同馬として、まだまだ長い戦いだったらしい。
問題は、将棋ソフトがこの6年間で、▲2七香や▲2八同馬が指せるようになったかどうかである。それが指せれば、今回出場の現役棋士にも勝てる理屈だ。
私は、将棋ソフトにはもう、その実力がついたと思う。コンピュータの世界は日進月歩。この6年での進化は、プロ棋士の読みを凌駕するのに十分な歳月だったと信じる。
では今回の5局の勝敗はどうか。
かつて木村義徳九段は観戦記で、「プロ棋士の実力は紙0.1枚の差」と力説した。
そのわずかの差が実は大きい、の意なのだが、ソフトから見ればどうなのだろう。超一流棋士と普通棋士の実力差は、プロ間から見れば、たしかに大きいのかもしれない。しかしソフトから見れば額面通り、まさに紙0.1枚しかないのではないか。ソフトが将棋棋士の実力を凌駕するときは、渡辺竜王も羽生善治三冠も、新人の四段もない。まとめて抜き去ると思うのだ。
難解極まる終盤戦、ソフトは力づくであらゆる手を読み潰す。人間のように疲れるということもない。参戦棋士が誰でも関係ない。私は、将棋ソフトの5勝0敗と予想する。
コメント (4)
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