一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

将棋ペンクラブ将棋会(前編)

2013-03-05 01:21:22 | 将棋ペンクラブ
先月下旬、将棋ペンクラブ幹事のA氏からメールがあり、「将棋ペンクラブ・将棋会」にお誘いいただいた。
これは社団戦のない時期に月に1回開催され、昼間は有志で将棋、夜は居酒屋で将棋談議に花を咲かせる、というものである。ジョナ研の将棋ペンクラブ版といえようか。
私もこの会の存在は知っていたが、今回初めて呼んでいただ形だ。別に誘いを待っていたわけではないが、ものは試しで、一度だけ参加してみようと思った。
日時は2月23日(土)午後1時半から、場所は神保町にて。開始時間は絶対ではなく、いつ来てもいいし、いつ帰ってもいいようだ。これもジョナ研仕様である。
23日は秋葉原で下車し所用を済ませたあと、神保町まで歩いた。
途中、小諸そばがあったので反射的に入る。将棋の前の小諸そばは半ば定跡化している。今回、美味しいことは美味しかったが、ちょっと水切りが足らなかったか。そばつゆも少し薄い気がした。
将棋の集合場所は「魚百」というところ。将棋ペンクラブ幹事のH氏が経営している、アカシヤ書店の近くらしい。
将棋古書を専門に扱うアカシヤ書店は私がサラリーマンのころ、1、2回お邪魔したことがある。しかし将棋の本は買わず、松本清張「渦」を100円で購入した記憶がある。
さてスマホで地図を見ると、この辺である。と、前方にKun氏の姿が見えた。Kun氏はこの会の常連である。Kun氏はY氏主宰の将棋会にも参加しているし、週末は何かしらの将棋行事に出席しているようだ。奥さんの理解がなければできないことで、うらやましく思う。
Kun氏に声を掛け、案内をお願いする。「魚百」はすぐ近くだった。ここの2階が会場である。定刻を10分遅れで2階に上がると、そこは完全な居酒屋だった。もっともいまは準備中である。奥にはH氏とA氏がおり、すでに将棋を指していた。ここで4時半ごろまで将棋を指し、開店後は飲み会となるらしかった。
挨拶を済ませたあと、私とKun氏も将棋に入る。先手Kun氏の居飛車に、私は四間飛車藤井システム。Kun氏が▲9八香と上がったところで、△8五桂と跳ねてみた。
Kun氏は銀桂交換を甘受する指し方を採り、穴熊に潜る。私は得た銀を△8五に打つ。▲8六角が死に、これはさすがにこちらがいいと思った。
しかし角銀交換後の△5六歩が甘かった。▲5八歩と謝るような相手ではなく、Kun氏は▲3六歩と突き、角頭を狙う。私はありがたく△5七歩成だが、これが穴熊玉に全然利いてないのにはクサッタ。
店内にはレトロなポスターが貼られてあり、昭和の雰囲気を醸し出している。店員さんは仕込みに忙しい。それを横目に私たちは、店の湯呑を拝借して、お茶なんかをいただいている。私は新参者だから何も言えないが、どこまで図々しくしていいのか分からない。
Kun氏、金頭に▲5四歩。これが厳しかった。△同金は▲2四飛で、▲2一飛成の桂取りと、▲3三歩成~▲5四飛の両狙いが受からない。
私は泣く泣く△4三金ヨリだが、ここで▲3五桂と打たれていたら、逆転模様だった。本譜は▲5三銀だったので冷静に対処し、何とか受け切ることができた。
それにしても、穴熊相手に△5七と(▲5三と)は不可、穴熊側は多少の駒損があっても戦える…とは、穴熊の将棋は常識外れだ。これだから穴熊は始末が悪い。
昨年末の将棋寄席で、私の近くにすわったOh氏に続いて、若手会員のOg氏が訪れた。Og氏とは初見だが白皙で、将棋も強そうだ。
2局目はそのOg氏と。私の居飛車に、Og氏の通常四間飛車。△5四歩なら▲9七角の山田流を指すつもりだったが、△4三銀だったので▲4六銀と出てみた。
私は▲6八金上と△6四歩の交換を入れて▲3五歩と仕掛けたが、これも一長一短というところ。この辺りを研究すると面白いのだが、いまの若手女流棋士はどうだろうか。角交換振り飛車の研究ばかりで、通常四間飛車の研究はおろそかになっている気がする。
ペンクラブのほかの人たちは、対局者を替えて指している。H氏は四間飛車穴熊一辺倒。Oh氏も腕に覚えがあるようだ。
私は飛車角交換から敵陣に飛車を打ちこむが、お返しの△6四角も厳しかった。
やむない▲1八飛に、△2七銀▲1七飛△2八角成とされては、まったく自信がなくなった。
しかしOg氏の△3六銀不成が不可解。△2六歩~△2七歩成とし、歩で飛車を取ろうとしたのだが、これはあまりにも虫がよすぎた。
私は▲1八飛と馬に当て、△6四馬に▲3三歩成△同歩▲3八飛、と銀に当てる。やむない△2五銀に▲3三飛成とできては、一遍にこちらが優勢になった。
さらに進んで、▲6四角(王手)△7三桂に、▲6五桂。そして△6二金寄。
ここで▲8五桂と足せば後手玉は受けなしだったが、私は▲6一竜と切る。これが、負ければ敗着だった。感想戦では恥ずかしくて言えなかったが、このあと全部バラして、▲3二飛で後手玉は即詰みと読んでいたのだ。
ところが持ち駒に飛車はない。さんざん指してからそれに気づき、仕方がないから妖しい角を打って攻めたが、これがあまり利いてない。もう、イヤになった。
しかし実戦ではまだ私に利が残っていたようで、最後は何とか勝つことができた。だがこんな将棋を指しているようでは、私もまだまだである。
A氏はKun氏に、角落ちで教わっていた。たしかに平手の対局ではKun氏が手厚いが、それにしたって角落ちはないだろう。
大野教室の生徒は駒落ちを厭わないが、ここでもその雰囲気がある。
Kun-A戦はKun氏の勝ち。「駒落ちの上手は勝率9割」。LPSA駒込金曜サロンでの定説を思い出した。
幹事のM氏も見えて、これで総勢7人になった。このほかにもうひとり、棋士が参加してくれるらしい。
A氏が私に対局を申し込む。これがやっぱり、私の角落ちだった。
(7日につづく)
コメント (3)
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