一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

10月21日のLPSA芝浦サロン(前編)・中井広恵研究室

2011-10-28 00:04:02 | LPSA芝浦サロン
LPSAが芝浦に移転したのが昨年10月。今月から芝浦は2年目だ。そこでLPSAは「芝浦移転1周年記念」と題して、通常の芝浦サロンに、中井広恵女流六段を特別講師として投入することを決めた。名付けて「中井広恵研究室」。なかなかエロチックなネーミングだ。
開講日は10月21日(金)、11月25日(金)、12月16日(金)の3回。題材は将棋講座や指導対局、一般対局のワンポイント解説など、なんでもあり。これら中井女流六段の指導には、一切追加料金はかからない。たいへんおトクな企画である。
ひとつ気になったのが12月16日の回で、この時期、私は長崎旅行を予定している。12月の第3土曜日は長崎に行く――。たとえ中井女流六段が登板しても、これは絶対外せない年中行事である。
今年は中井女流六段との長崎旅行を目論んでいたのだが、早くもそれを外された形となった。今回は見送りとせざるを得ないが、今後はさて、どうするか。

というわけで、21日(金)のLPSA芝浦サロンは、島井咲緒里女流初段の担当だった。
田町までのJR回数券が切れていたので、自動券売機で190円の切符を買う。回数券は買わなかった。
午後5時すぎにサロンに入ると、すでに8人の会員がいた。W氏、Is氏、His氏、Tod氏、Kaz氏、Sご主人…。いつものメンバーの中に、Sai氏の姿があった。
Sai氏は大野教室の生徒だが、みんなから話を聞いて、今回芝浦サロンに出向いたものだった。これから芝浦サロンの常連になればいいと思う。
中井女流六段に挨拶。
「遅かったじゃない」
と誰かがいう。私だって、一応仕事らしきものはしているのだ。
W氏以下4人は、中井女流六段の指導のもと、ペア将棋を始めた。私は遅れて入室したSu氏とともに、中井女流六段の指導対局を受ける。繰り返すが、これも無料である。通常だとお代わり料金(1,000円もしくは2,000円)が発生するところだ。
Su氏は振り飛車党なので、Su氏の四間飛車を中井女流六段が受けるという設定。私は戦型自由の将棋となった。
「大沢さん、メールの文章がつまんないんだもん」
中井女流六段から、軽いジャブをいただく。またその一言か、と思う。女性に対しては、たかがメールでも、気の利いた一言を入れなくてはいけないようだ。
指導対局開始。▲7六歩△3四歩。ん…? 中井女流六段の、パールピンクのマニキュアが愛らしい。アートが施されていて、よく見るとハロウィン仕様だ。聞くと、きょうネイルサロンに寄り、オシャレにしてきたという。中井女流六段、とてもよく似合っていた。
将棋は、後手(上手)中井女流六段の誘導で一手損角換わりに進む。大野教室でもそうだったが、相居飛車では、「一手損――」が大流行だ。
私は例によって▲2六銀と棒銀に出る。対して中井女流六段は△1四歩。私は▲1六歩。▲1五銀と出させない△1四歩は有力な手。後手が居玉なので、端攻めに出ても効果がうすいと見ている。
そこで私は▲3六歩~▲3五歩とこちら側から討って出たが、これでは▲1六歩がムダ手になってしまった。
中井女流六段は△7三桂。私は桂頭を狙って▲7五歩。中井女流六段は▲3六銀取りに△6三角と放つ。私は構わず▲7四歩と取りこむ。△3六角なら、▲7三歩成と桂を取りつつ飛車取りになるので、下手十分と見た。
よって中井女流六段は△7四同角だが、ここで▲4七銀と引き締めたのが緩手だった。中井女流六段はすかさず△9六歩と端攻めに出たが、これが存外厳しかった。
▲4七銀では第一感どおり、▲7六銀と立つのだった。これに△6三角引き(再び▲3六銀取り)なら、▲7四歩△同角▲7五銀△6三角▲7四歩と、あくまで桂頭を狙って勝負する。
本譜は徐々に駒損がひどくなり、敗勢を自認せざるを得ない。
「大沢さんもこんな手を指してるようじゃ、まだまだ…」
――ショックから立ち直れていないようですね、と言いたいのだろうか…。
△7四歩と金頭を叩かれ、いまはこれまでと投了。前局はあまりにも早い投了だったが、今回は「(大沢さんの投了も)まあ仕方ないですね」(中井女流六段)という将棋だった。
島井女流初段との指導対局に入る。島井女流初段は髪を黒く戻し、落ち着いた雰囲気を醸し出している。左では、遅れて入室したHon氏が指していた。芝浦サロンでHon氏と隣り合わせになるのは、意外にも初めてだ。
「島井先生、ファンクラブカップ優勝おめでとうございます」
私は祝福の言葉を述べる。
「ありがとうございます。ふふっ」
「大沢さん、島井さんに結婚のお祝い言った?」
Hon氏がワキから口を挟む。
「それは前回来たときいっぱい言ったよ。次は2回目にしたとき言うよ」
「それは…ふふっ」
島井女流初段が苦笑した。
「島井さんと会うのは久しぶりですねえ。というか私、今年初めて芝浦サロンで島井さんに会いましたよ、ハハハハ」
とHon氏。Hon氏はいつも朗らかだが、けっこう見切りは早い。にっこり笑って人を斬るタイプだ。ちなみに私は、グズグズしていて、見切られるタイプだ。
本日の会員は10名を軽く越えている。これも「中井効果」か。6時20分。中井研究室では、大盤解説が始まった。題材は、植山悦行七段と三女との平手戦。三女は5級だが、妙にスジのいい手を無意識に指すことがあるらしい。さすがにカエルの子はカエル、ということか。
島井女流初段との指導対局が終わった。感想戦が終わり、私は対局中に感じていたことを言った。
「きょうの島井先生、とっても綺麗でした」
「えっ…」
「いやホント、私がいままで島井先生を見た中で、いちばん綺麗でした」
戸惑いながらも、ちょっとうれしそうな島井女流初段であった。
中井女流六段の大盤解説は題材を変える。会員を「攻めの棋風」「受けの棋風」に分けて、中井女流六段の実戦を基に、合議制で指し手を決めていく、という趣向である。私は自分の将棋を、攻め五分、受け五分の棋風だと思うが、中井女流六段の指示で、「受けの棋風グループ」に入った。
中井女流六段が、倉敷藤花戦の、石高澄恵女流二段との一戦を並べ始めた。
先番が中井女流六段である。▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩▲6六歩△8五歩▲7七銀△7二銀。
何か、いや~な予感がした。
(つづく)
コメント (3)
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