一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

十二たび大野教室に行く(前編)・大逆転負け

2011-10-22 00:15:16 | 大野教室
15日(土)は「大野教室」のある日だった。大野教室とは、日本将棋連盟の大野八一雄七段が主宰する将棋教室で…。以下はバックナンバーを読んでください。
仕事が休みだからといって毎回大野教室に行く義務はないのだが、いまの私にはやはり、誰かとの交流が必要である。
これが広告代理店務めの時だったら、いくらでも愚痴をこぼせる相手がいたのだが、現状ではそうもいかない。午後1時すぎ、私は家を出た。
京浜東北線に乗っていると、中井広恵モデルのスマホにメールが入る。W氏からだった。
「今日、来ないんだっけ?」
私がスマホを持ったのはいいが、現状ではそれを有効活用しているとは思われない。
最大の目的だったAyakoさんとのメアド交換は、飲み会がツブレておじゃん。中井女流六段とはメル友になれたが、いざなってみると、ああこんなものか、という感じで、格別の感慨はなかった。全国の中井ファンが聞いたら怒るだろうが、実感としては、そうである。
以上がスマホ所持の収穫だとすれば、あまりにもさびしい。W氏からもときどきメールが来るが、前述のように、「きょうは大野教室に来るの?」とか、「植山先生いるけど…」とか、どうでもいいメールばかりだ。
それどころかスマホを持ったせいで、沖縄の離島でのんびり海を眺めていても、北海道の雪まつりで雪像鑑賞をしていても、博多でどんたくを楽しんでいても、つねにメールや電話が来る心配をしなければならない。いやだ。私は何人にも束縛されない、自由が好きなのだ。
そうか…。旅行中は電源を切っておけばいいのだ。
「いま、上中里をでるところ」
とりあえず私は返信し、その後、大野教室に入った。
きょうは何があったのか、室内は大勢の人である。W氏、His氏、Ue氏、以前もお見かけしたことがある成人男性2人、それに少年4人、Akiちゃん、Hanaちゃんだ。のちにHon氏と大野七段の弟子の奨励会員も来て、私も含め総勢14人となった。
「大沢さん、待ってたよ。早速で悪いけど、彼と指して」
臨時手合い係のW氏が、早速手合いをつける。大野教室は大野七段にみっちり指導を受けられるのがウリだが、最近は生徒が多いので、将棋道場の雰囲気も漂っている。きょうは植山悦行七段の助っ人がなく、余計その感が強かった。
さて相手の少年とは何局か指しており、たしか2日(日)にも指した。
私の先手で対局開始。▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩、と進む。そうだ…彼は居飛車党だったんだ。私もどちらかといえば居飛車党だが、相居飛車は嫌いというエセ居飛車党である。
数手後△8八角成とされ、さらにイヤな展開になった。私は角換わりの将棋が嫌いなのだ。
まあ一手得なのでその利を活かして棒銀に出たが、△5四角が定跡の一手(▲1五銀に△5四角が定跡だった)。対して▲3八角と打つ気にならず、私は中央に戦いを求めた。しかしこれでは、▲2六銀が取り残されてしまった。
ただ、その後の少年の指し手が甘く、私が優勢から勝勢となった。
少年の△6七成桂に、私は▲8四角から詰ましに出る。もちろん詰みありと見たものだが、これには少年も意表を衝かれたのではなかろうか。
右では奨励会の少年が将棋を指していたが、「このオッサン、何者なんだろう」という顔で、私の顔と指し手を交互に見ていた。
ではこの局面の一部の駒の配置と、終局までの指し手を記す。

先手・一公:1三竜、8二成香、8五歩 持駒:角、銀3…
後手・少年:5二金、6一金、6二玉、6三銀、6四歩、6七成桂、7五歩、8一桂、9一香、9五歩 持駒:角、金2、桂、香…
(△6七成桂まで)
▲8四角△7三角▲7一銀△同金▲5三銀△同金▲5一銀△6一玉▲7一成香△同玉▲6一飛△8二玉▲7三角成△同玉▲8四金△8二玉▲6二飛成△7二桂▲7一角△9二玉▲9三金△同玉▲同角成△同玉▲6三竜△8三歩▲同竜△同玉▲5三竜△7四玉 まで、少年の勝ち。

角の王手から、銀捨ての三連打で後手玉に迫る。▲7三角成△同玉で、後手玉は風前の灯だ。ところが私は手拍子で、▲8四金。△8二玉▲6二飛成に△7二桂とされ、意外に詰まない後手玉に、私は「やべええええ」と叫んだ。
戻って、▲8四金では▲7一飛成で簡単に終わっていた。これなら少年も投了だったろう。この時点で私の持ち時間は7分以上あったのに、何をやっているのだ。
私は投げ切れず後手玉を追い掛けるが、△7二桂がよく利いて、後手玉はどうしても詰まない。▲5三竜に△7四玉と逃げだされ、私はここで投了した。
いやあ…勝負事は最後まで分からないものだ。こんな手を社団戦でやらかしたら、後悔どころでは済まない。
局後の感想戦では、△8二玉に▲8三金と突っ込んでも、後手玉が寄っていることが分かった。何てことだ。こりゃもう、どうしようもない。
Hanaちゃんと目が合う。
「たしか、Hanaちゃんだったね?」
「たしかはいらないよ!」
きょうのHanaちゃんは、ちょっとご機嫌ナナメだった。
また一般対局がつき、2局目は、奨励会の彼と指すことになった。
(つづく)
コメント (3)
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