一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

感激のジョナ研(後編)・中井広恵女流六段を口説く

2011-10-08 00:25:21 | ジョナ研
青森県を走っている十和田観光電鉄が、今年度中に廃止になるという。同電鉄には1度だけ乗車したことがあるが、鄙びたいい鉄道だった。
クルマ全盛の今、鉄道は斜陽である。いま生き残っている大赤字ローカル線だけでも、時間を見つけて乗りに行こうと思っているのだが、いかんせんおカネがない。

(きのうのつづき)
初メール、送信!
初メールの受信が中井広恵女流六段から、というのは光栄だが、初送信の相手が中井女流六段というのも光栄だ。
中井女流六段からの文章を掲載してしまったので、私の文章も載せてみよう。

「タイトル:Re少し元気になりました。
本文:ありがとうございます。
少しだけ元気になりました。
これからも、よろしくお願いいたします。」

私は渾身の文章を送ったのだが、受け取った中井女流六段は、
「ふつうの文章ですね」
と落胆の色を見せて言った。向かい合ってメールのやりとりをしているから、相手の顔色が分かってしまうのだ。意外と平凡なHでしたね、と言われたようで、私のショックは大きかった。
「あぁう…私のメールは、つまらないですよ」
私は力なく返したが、落ち込んではいられない。次は電話である。
「中井先生、次は電話をください。処女電話。オレのケータイ番号言いますね」
私の求めに、中井女流六段は苦笑しながら応じてくれる。スマホを買った夜、本当に電話が通じるかどうか、オヤジが電話をくれようとしたのを慌てて拒否したのだが、それもこれも、一発目の電話は、中井女流六段もしくはAyakoさんからもらうためであった。
ブーッ。
スマホが振動した。
「ハイ! …あれっ? あっ、切っちゃった」
「……」
「先生、もう1回お願いします」
「もう」
ブーッ…。
「…ハイッ、大沢です」
「中井です」
「ええっ? 中井先生ですか!? マジで!?」
「もうー。フフッ、本当です」
どう考えてもバカバカしいやりとりに、Kun氏らが呆れて笑っている。
「ええー? 中井先生、オレ、感激です。あ、あの中井先生、きょうは、何色の(ピーー)てるんですか…」
「…。ワタシ(ピーー)じゃないんだから、教えません」
「あ、そうですか…」
「(ブチッ)」
いかん…つい調子に乗って、公開セクハラをしてしまった。
植山悦行七段、W氏、Y氏、Kaz氏による研究は佳境に入っている。斎田晴子女流五段の頑強な抵抗に、中井女流六段が、金を5段目にグイッと出たのが好手だった。
将棋には、手の意味を考える前に、一目味のいい好手、というのがある。この金出がまさにそれであった。
Kun氏が将棋を指したそうだったので、私がHon氏と席を代わり、相手をすることになった。
しかし私はこの1ヶ月メロメロなので、どこまでついていけるか分からない。
将棋は私の横歩取りにKun氏の△3三桂戦法。△2四飛に▲2八歩と謝った形がつらく、私が作戦負けに陥った。
ボンヤリしていたら▲7五歩も取られ、これで歩得の利もなくなった。その後はこちらに面白い局面もあったと思うのだが、以下の局面でしくじった。
▲2六歩▲2八銀▲4七金▲4八玉▲6七金▲6八角、△1一香△1三角△2四飛△5六歩 の局面で、▲5六金左と歩を払ったのが敗着。すかさず△2六飛と走られ、これまで。
棋力が上の会員と将棋を指すと、やはり厳しい。まだ将棋を指せる状態ではないと実感する。社団戦最終局の日まで、しっかり調整をしなければならない。
そのKun氏から、ありがたい訓話をいただく。ふだんは無口なKun氏だけに、その話には重みがある。まあKun氏の話を聞いたところで結果が変わるわけはないのだが、少し気分が晴れた気がした。
前日の29日に行われた、倉敷藤花戦・清水市代女流六段-室谷由紀女流初段戦の話も出る。あの将棋は清水女流六段の貫禄勝ちに見えたが、Kun氏によると、中盤清水女流六段が▲4六桂と据えた手が疑問で、室谷女流初段にも十分チャンスがあったらしい。まあ、室谷女流初段はまだ若い。これからである。
Hon氏はここで退席。Hon氏も仕事が忙しいが、寸暇を割いてジョナ研に参加する姿勢は素晴らしい。
「中井先生、長崎に行きましょうよー」
私はまた、中井女流六段を口説きにかかる。
「でも主人が…」
「また旦那か…。じゃあ植山先生が同行でもいいですよ」
「じゃあ、って…」
「いやオレ、あの喫茶店でひとりでいるのイヤなんですよー。ほかの客はカップルとか大人数でさー」
ここでいらぬ注釈を入れると、この喫茶店に、私は年に1回お邪魔しているのだ。ここのマスターがなかなかの人物で、私の結婚を予言したのも彼である。その信用は絶大で、いまや全国区だ。
しかし悲しいかな、私の結婚相手は、「彼女」ではなかった。
「ひとりの客っていないの?」
中井女流六段が意外そうに言う。
「いません。だから一緒に行って楽しみましょうよー」
「私も行きたいのよ。だけど長崎に行く用事がなくて」
「あのね先生、何かのついでにとか、そういうのはダメです。ちゃんと自分のおカネを遣わないと! 『あの喫茶店に行く!』、それを目的で行かないと」
「あ、そういうものなのね」
「ボクなんかね、予約で断られたことないですよ。だって最初から店に入る、っていう明確な意思がありますから。断られることをイメージしてない」
この喫茶店は予約制なのだ。先着30名で、コーヒー1杯で4時間粘れる。
「うーん」
「いまからなら早割で安く行けます。ささ!」
「強引なのね大沢さん。そのくらいの強引さを出せば、(ピー)ちゃんともうまくいったのに」
「グッ…」
中井女流六段、何かというと彼女の名前を出す。天使の笑顔で傷を癒してくれるのはありがたいが、その一方で瘡蓋(カサブタ)を剥がすようなこともする。勘弁してほしい。
そのまま中井女流六段、Kun氏、私と、トライアングルスペースで雑談。将棋もいいが、こんな時間も楽しい。
11時、そのKun氏も退席。しかしジョナ研はまだまだ続く。結局この日は、11時40分ごろに散会となった。
傷心の私に、いまのジョナ研は最高の癒しの場である。また10月からは、月2回開催を固定化しようという声もある。次回の開催が待ち遠しい。

結局きょう、Ayakoさんは、休みだった。
コメント (4)
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