一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

十たび大野教室に行く(中編)・まさかの結末

2011-10-10 00:03:44 | 大野教室
きのう9日は、25年前に亡くなった祖母の命日だったので、久しぶりにお墓参りに行った。
この25年、私は成長しているのだろうか。全然成長していないと断言できる。祖父母に報告すべきこともなく、合わせる顔がなかった。この四半世紀、どこで歯車が狂ってしまったのだろう。

(きのうのつづき)
大野八一雄七段が戻ってくる。5五で銀交換をし、▲5五同角まで。
ここで上手が△6六銀と角を殺した手に対し、私が▲7五歩と桂頭を攻めたのがマズかった。以下△5五銀▲同飛△5四歩と上手にガッチリ受けられ、下手が負けた。
感想戦では、△6六銀に▲同角△同歩▲7五歩で下手優勢とのことだった。以下△6七歩成▲7四歩△5七歩には、黙って▲7九飛と回る手が好手。これで下手が十分だったようだ。
これで大野七段には、角落ちで2勝17敗となった。こちらの体調が万全でないとはいえ、ちょっともう、手合いが違う感じだ。次は飛車を落としてもらおうか。
3局目はKun氏と。実力者のKun氏には、最近勝った記憶がない。Kun氏は不断の努力を怠らず、将棋に精進している。大野教室でも、大野七段、植山悦行七段に角落ちで何番も入れているし、先日のLPSAジャンジャンマンデーでは、中井広恵女流六段にも、公平の条件で一発入れたそうだ。
努力家の彼に比べて私は…と思うと、自己嫌悪に陥るばかりだ。
将棋は先番Kun氏の石田流三間飛車。Kun氏の攻めを私が抑え込む、という展開になったが、Kun氏がさらに猛攻を続け、私が受けきれるかどうか、という終盤戦になった。
Kun氏・▲4二成銀▲4三金・持駒金、歩など、一公・△2二玉△4四歩△4六香△7五歩△8二飛△9九馬・持駒飛など の局面で、私が△7二飛と打ったのがヒドかった。これは▲3二金打△1三玉▲4七歩で、二枚の飛車がダブってしまった。
さらに△7六歩~△7七歩成としたのがココセ級の2手パスで、いい将棋を落とした。
大野、植山両七段を交えた局後の検討では、△7二飛打に代えて△4五歩と馬筋を通すのが、味がよかったようだ。
それにしても、アマの将棋に棋士2人が検討に加わってくれるなんて、なんて贅沢なのだろう。これでは大野教室通いを止められない。
きょうの将棋はここまで。成績0勝3敗は、私の実力どおりだった。
食事会は、以前入った海鮮居酒屋となった。店の企画のじゃんけん大会で私が優勝し、飲み代を半額にした店である。
店は満員で、また待つ。その間に、中井女流六段も合流した。このところ、中井女流六段とは何かにつけて会っているような気がする。しかしいま以上に進展しないのがもどかしい。
席が空いたので、店に入る。最初は中井女流六段、Kun氏、Fuj氏と私が同じテーブル、大野七段、植山七段、W氏がカウンター席だったが、私たちの隣のテーブルが空いたので、3人が移動した。
では例によって、席順を示す。

  Kun Fuj 植山 大野
壁 テーブル テーブル
  一公 中井 W
      壁

きょうは私が穴熊、中井女流六段が女王席だ。向かいに中井女流六段が座るのもいいが、横に座るのもいい。けっこう密着している。今夜はエンジのカーディガンを羽織っていて、一段と魅力的であった。
話は、いつもの話が中心となる。私は1ヶ月前と変わらない状態なのだが、周りに言わせると、顔色はよくなってきたという。午前中の「御手洗潔」からの電話で、だいぶ気持ちがラクになった。
先ほどからソワソワしているのが植山七段である。土曜日は恒例のじゃんけん大会がある。これが楽しみで楽しみで仕方ないふうなのだ。
9時が過ぎ、じゃんけん大会のアナウンスがあった。今回出場するのはFuj氏。私が出場してもよかったのだが、連続優勝して出入り禁止にされるのも味が悪いので、今回は遠慮した。
じゃんけん大会開始。注目のFuj氏は1回戦で負けた。ちなみに私が出ても負けていた。やはり優勝はむずかしい。しかしそれだけに、前回の私のそれは、奇跡的だったのだ。
宴もたけなわのころ、中井女流六段が、私に意外な事実を述べた。それは中井女流六段が私を慮って控えていたらしいのだが、私としては、それを聞いて却って、踏ん切りがついた。すっかり快活になり、私は沖縄旅行前の体調に戻ったのだった。
じゃんけん大会で負けたので、今回は料理の追加をしにくい。じゃあ安くあげようか、ということで、近くのガストに河岸を変え、そこで雑談となった。
植山七段に、
「大沢さんは上座で」
と促され、私も当然のように王将席に座る。こういうときは目上の人の言葉に素直に従ったほうがよい。今度は正面に中井女流六段が来た。感激である。
ここでの席の配置は以下のとおり。

  大野 中井 植山
   □  □  □  壁
Fuj Kun 大沢 W
     壁

「そういえばさ」
とW氏が言った。「昔は大沢さん、穴熊(壁際の隅の席)が多かったよねえ」
そういえばそうだった。それでジュースを取りに行くのに、いつも難儀していたのだ。
それで思ったのだが、各人それぞれ、落ち着く席があるようだ。植山七段は飲み物を取りに行きやすいように通路側。大野七段もトイレに行きやすいように通路側。通路側は椅子席なのでお尻が痛くなるが、それは関係ないらしい。
中井女流六段は女王席もしくはその向かい。紅一点なので、みんなの中心に座る。これは当然であろう。Kun氏はなんとなく端の席。W氏も意外に端に座ることが多い。
話が弾んでいる中、Kun氏が退席となった。もう11時も過ぎた。しかしまだまだ話は続く。中井女流六段から、LPSA芝浦サロンの新企画の話が出た。
もういまさら、という感じである。金曜日にジョナ研があり、週末に大野教室があり、食事会ではみんなと談笑できる。これ以上何を望むことがあろうか。
「大沢さん、中井先生が出るときは行かなきゃダメだよ」
「なんで」
「だって大沢さん、中井先生のことが好きなんだろ? ファンとして絶対行かなくちゃ」
「うん、でもそれとこれとは…」
「何言ってんだよ。あんたこの1ヶ月、中井先生にはだいぶ世話になったんだし、絶対に行かなくちゃ」
「そうよ」
「ううー」
行く、行かないで、また話が盛り上がった。
フトFuj氏の腕時計をのぞき見る。私は腕時計をしない主義だ。と、その時計の針が12時20分を指しているように見えた。
「ええ!? おおい、時間は大丈夫なのか!?」
「アッ…!!」
Fuj氏、電車なのに何を余裕ぶっこいてんだ。アンタ時計は見ないのか!?
みんなにも聞くと、植山・中井夫妻とW氏はマイカーだった。なんと…。しかしオレたちはヤバくないか!? 終電が出ちゃったんじゃないか!?!?!?
私たちは慌てて会計を済ませると、意外とノロノロと、川口駅に向かった。駅は営業しているようだが、都内へ向かう上り電車があるかどうかだ。
改札の電光表示板を見る。
「赤羽 0:34」
ガーン!! 隣の、赤羽までしか行かない…!!
「なんてことだ…」
私はその場に、呆然と立ち尽くした。
(12日につづく)
コメント (3)
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