一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

十一たび大野教室に行く(後編)・親子の縁を切れ

2011-10-18 00:07:36 | 大野教室
きのうの「笑っていいとも!」、「テレホンショッキング」のゲストはKARAだった。KARAは5人ともかわいいが、彼女らのいちばんの魅力は、たどたどしい日本語をしゃべることだと思う。
私はスンヨンのファンだったが、きのう見た限りでは、ジヨンがいちばん、私のタイプだった。いっしょにいて、癒される人がいい。

(きのうのつづき)
3局目は大野八一雄七段と。いつもはしょっぱなに教えていただくので、3局目は珍しい。
迷ったが、きょうも角落ち戦である。相居飛車の出だしになったが、居玉のうちに仕掛けられて困った。
しかし中盤、私が△6四銀取りに▲6五歩と打ったのが好手だった。銀が逃げれば▲4八の角で△7五の金が取れる。上手はやむなく△6五同金だが、▲同桂△同銀で金桂交換の駒得になっては、急に下手がよくなった。
しかし終盤、また私が崩れる。上手△4二王△5三金△5四歩△6五銀△6六歩・持駒桂…、下手▲2六角▲3五歩▲3六銀▲4六飛▲4九金▲5九玉▲7五金▲7八金▲7九銀・持駒歩… の局面から、△6七桂▲4八玉△7九桂成▲6五金△7八成桂▲5五歩△6七歩成▲5四歩△5七銀 と進み、私が負けた。
上手の△6七桂は半分形作りで、▲4八玉以降も、どう指しても下手がよかったようだ。
簡明なのは▲5五歩で▲6六飛と歩を払う手で、これで上手は金銀のみだから、攻守ともに見込みがなかった。
本譜は6七にと金を作らせ、△5七銀の王手飛車まで打たせているのだから、下手お話にならない。
いままでに何回も書いてきたが、どうも大野七段に教えていただくと、終盤で乱れる。何か、ここまで指せたんだからいいやと、自分自身で勝負を諦めているフシがある。これでは下手が勝てっこない。何か妙薬はないものだろうか。
どんどん対局がついて、4局目はHon氏と。Hon氏の先手三間飛車に、私は玉頭位取りを目指す。△3四銀に、Hon氏は▲5五歩~▲7四歩。
何を考えてるんだろうと△7四同歩と取ったら、▲7四同飛が△3四銀取りと飛車成りの両狙いとなって、一本取られた。
私は仕方なく△7三歩だが、▲3四飛に△4五角が、飛車取りと8九桂取りとなって、まだむずかしい形勢なのは幸運だった。
数手進み、▲2六飛、△3二香の局面で、Hon氏は▲4五角。これが▲2三角成と▲6三角成の両狙いで好手に見えたが、ここで私に△3四桂(飛車取り)の切り返しがあった。
実はこのあたり、猛烈な睡魔に襲われ、半分意識がなかった。
こんなことは初めてで、明らかな寝不足である。精神的にも肉体的にもそろそろ再生しないと、本当にこの身があぶない。
将棋は何とか私が勝った。私は負けるといつも機嫌が悪いのだが、Hon氏は勝っても負けてもニコニコしていて、感想戦も実に楽しそうだ。私も見習いたいところである。
5局目は、将棋関係者のMi氏と。前回は、終盤で私が致命的なミスを犯し、転がってきた勝機をミスミス逃してしまった。同じ人に連敗はできないので、本局は気合を入れて臨んだ。
将棋はMi氏の後手番一手損角換わり。私は先日のマイナビ女子オープンで、中井広恵女流六段が貞升南女流1級相手に指した将棋を目指した。
中盤の入口で、私が▲3七角と打ち、△6四歩取りを目指す。この歩が存外受けにくく、後手、△7三角と手放さざるを得ないようでは、私が一本取った。
さらに進んで、5五の地点で銀交換になり、▲5五同角にMi氏が△6五歩と角交換を挑んできた。ここで私が▲6四銀と打ったのが好手。△5一角に▲5三銀不成が歩得と飛車取りとなって、さらに優位が拡大したと思った。
しかしアマ同士の将棋は、この程度の指し易さでは、優位のうちに入らない。このあと私が疑問手を指し、形勢がひっくり返った。
しかしMi氏も時間が切迫しており、ココセのような悪手を指して、最後は戦意喪失の投了となった。
「戦意喪失」は私の専売特許なので、逆をやられるのは珍しい。しかし指し継いでもMi氏に勝ち目はなく、私に楽しい時間を与えるばかり。ここでの投了がいいところであろう。
ちなみに私がなぜ早く投げるかといえば、勝ち目のない将棋を粘って、相手に楽しい時間を与えるのがイヤだからである。
大野七段に戦績を聞かれる。本日は5局指して、プロに2敗、一般対局で3勝。まだ軽い後遺症は残っているが、きょうはまずまずの将棋が指せたのではないかと思う。
「ボクとの将棋も、大沢さんどうやっても勝ちだったでしょう?」
「……」
大野七段も、ヒトのカサブタを剥がす癖があるようだ。

放課後の食事会は、クルマでちょっと走ったところにある、「華屋与兵衛」で。参加者は大野七段、植山悦行七段、W氏、Hon氏と私。
中井女流六段がいない今回はほとんど意味がないが、一応席の配置を記しておこう。

植山   大野
  テーブル
W 一公 Hon
   壁

まあ、中井女流六段がいなきゃいないで男同士の会話ができ、それも楽しい。
ちなみにW氏とHon氏と私は同学年だ。この事実は以前から何度も聞かされていたのだが、私はヒトの話を全然聞かないので、それを理解したのはごく最近のことである。
さしずめ将棋バカ三兄弟といったところだ。いや、ただのバカ三兄弟というべきか。中でも一番のバカが私であろう。人間のクズというべきか。
こういうチェーン店の食事は外れがない。私の頼んだ料理も美味かったが、ドリンクバーがないので長居ができない。食後は近くのガストに河岸を変えて、雑談となった。
「中井先生ってさ」
W氏がいう。「少女みたいにかわいい笑顔をするときがあるよね」
「うむ。オレもそう思う。あの笑顔はいい」
当人がいないのにホメても意味がないように思えるが、そうではない。向かいには植山七段がいる。この会話は、植山七段を通じて、中井女流六段の耳に必ず入る。第三者からのホメ言葉は、直接言われるより効果がある。絶対彼女はよろこぶはずだ。次に中井女流六段に会ったときの反応が楽しみである。
植山七段が、中井女流六段からの伝言を交えて、ある将棋企画の話になった。一応植山七段があちら持ち。しかし企画自体に無理があるので、容赦なく私たちが咎めてしまう。とくに私などは、もう何の義理もないので、遠慮がない。
「いまから何の企画をやってもムダ。終わっとります」。
結局、この企画は行われることになった。結果やいかに。

どこかのバカ団体が、ある母子に、親子の縁を切れ、と迫った話が出る。
この話はだいぶ前から知っていたが、改めて俎上に乗ると、呆れるのを通り越して、爆笑してしまう。
私がいつか間違って作家になったら、実名で洗いざらいバラしてやろうか。
きょうはスマホを傍らに置いて、つねに現在時刻を把握していたから、終電には余裕で間に合った。
かくしてきょうも、楽しい大野教室であった。
コメント (4)
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