一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

九たび大野教室に行く(後編)・女子中学生をハ×る

2011-10-03 00:40:35 | 大野教室
3局目、植山悦行七段との角落ち戦。2,500円で棋士ふたりに教えていただけるとは、充実している。これがLPSA芝浦サロンだと、ふたりの女流棋士に教えていただくと、回数券使用でも4,000円になる。
対局開始。最初は居飛車で立ち向かう予定だったが、上手が△6四歩~△6三銀と変化してきたので、私は5筋の位を取り、▲4八飛と回る。次に▲4五歩△同歩▲同銀となれば上手つぶれなので、植山七段は△4二飛と対抗したが、これは玉飛接近形で、下手が一本取ったと思った。
その後、4筋と5筋で銀交換となる。その局面が下。

上手・植山七段(角落ち):1一香、1三歩、2一桂、2三歩、2四飛、3二王、3三歩、4一金、5二金、5四歩、6三銀、6四歩、7三桂、7四歩、8三歩、9三歩 持駒:銀、歩
下手・一公:1七歩、1九香、2七歩、2九桂、3七歩、3九銀、4五歩、4八飛、5八金、6六歩、6九金、7六歩、7八玉、8七歩、8八角、8九桂、9六歩、9九香 持駒:銀、歩
(△2四飛まで)

以下の指し手
▲4四歩△4三歩▲同歩成△同金▲2六歩△同飛▲4四歩△5三金▲2二歩△2九飛成▲2一歩成△3九竜▲3五桂△6七銀▲同玉△6九竜▲6八銀△4七歩 まで、植山七段の勝ち。

私は▲4四歩と突きだしたが、△4二歩と受けてくれるような上手ではなく、強く△4三歩と反撃され、これで下手が忙しくなった。
私は攻め合いに活路を見出すが、どう見ても上手の攻めのほうが速い。
最後は妙歩を打たれて、私の投了となった。
しかしおかしい。実戦は私のほうが模様がよかったのではないか? 感想戦で私は、▲2六歩で▲2八銀を主張した。植山七段は最初、肯定しなかったが、検討を進めるうち、じっと▲2八銀、の優秀性を認めてくれた。
本譜△5三金に、▲2二歩はハッキリ悪手。これは上手王に全然迫っていない。ここは植山七段が指摘したように、▲6二銀と打つのが正解だった。以下変化はあるが、いずれも下手がおもしろかった。
序盤はポイントを稼いだのに、それを活かせず攻め合いに走り、明快な一手負けにしたことが、大いに悔やまれた。
4局目はAkiちゃんと。対局の前にAkiちゃんから、
「私、順位のことで抗議してないよ」
と言われる。
私が以前このブログで、旧LPSA金曜サロンメンバーの棋力表を書いたのだが、AkiちゃんとHanaちゃんの順位を低くつけてしまい、後で2人が不満を漏らしていた、という話は聞いていた。
「おおう、そうかい。今度順位、訂正しとくよ」
「変えなくていいよ」
Akiちゃんはこのブログの数少ない女性読者である。読者は大切にしなければならないが、最近のブログはローティーンに難しい内容で、申し訳なく思う。
最近はAkiちゃんに勝った記憶がないが、対戦成績を聞いたら、私の1勝3敗とのことだった。だいたい私は、カワイイコに弱い。
将棋は、私の先手三間飛車。私は居飛車も振り飛車も指すが、振り飛車は三間飛車が多い。
対するAkiちゃんの作戦が注目されたが、△7三銀~△8四銀と棒銀に来たので、激しく動揺した。前日のMi氏は私のブログを読んでないが、Akiちゃんは読んでいる。何かのイヤミとしか思えない。
私の指し手はすっかり乱れ、Akiちゃんの思うままに捌かれてしまった。
▲1一角成に△2二銀。▲1二馬では話にならぬので、私は▲2二同馬△同玉▲2六香と開き直る。死んだフリをして、実は一発を狙っていた。
Akiちゃんは△7七飛成と桂を取る。すかさず私は▲1一角。定跡書に出ている攻めだ。△同玉の一手に▲2三香成△4二飛▲1五歩で、先手勝勢となった。
局後Akiちゃんに質すと、△7七飛成▲1一角の筋は知らなかったそうだ。横歩取りの定跡などには精通しているAkiちゃん、とんだ手抜かりがあったものだ。
女子中学生をハメてしまった私は、勝っても喜び半分だった。
Hanaちゃんが前を通る。
「たしか、Hanaちゃんだったね?」
「『たしか』だけよけいだよ」
「ナイスツッコミ!」
Hanaちゃん、なかなか笑いのツボを心得ている。将来が楽しみだ。
時刻は午後6時を過ぎた。大野教室は午後1時から5時までだが、時間が過ぎても追い出されることはない。将棋を指すぶんには大野八一雄先生、何時でも付き合ってくれるのだ。
私はソファーに座り、傍らにある「週刊将棋」のバックナンバーを読む。「週刊将棋」が330円に値上げされてから購読を止めているが、とくに不自由は感じない。
その1面に室谷由紀女流初段の写真が掲載されていた。一段とオンナっぷりが増して、激烈な美人になっていた。芸能界デビューはいつになるのだろうか。
「観戦記書きてえなあ」
私はため息をつきながら言う。
「書けるよ。湯川博士さんとかに頼めばできるんじゃない?」
こう答えたのはW氏だったか。
「でもなあ、オレの場合、室谷由紀ちゃんと山口恵梨子ちゃんとか、対局カードを限定しちゃうからなあ。室谷-山口戦だったら、もうおカネいらない。ハハッ」
本当に、実現しないかなと思う。
「はあ~あ。沖縄から帰ってきて、きょうで1ヶ月ですよ、まったく。さすがにもう、疲れちゃったな」
今度は一転して、私は嘆息する。これは微妙な掛け言葉になっている。大野七段が5月20日の竜王戦6組の準決勝で敗れ、6月19日の食事会の席で「あの対局から、明日で1ヶ月になります」と嘆息したことに掛けているのだ。
「ボクだってあのときはつらかったんだから」
と大野七段。
「でも先生はあの一局だけでしょ? 私は一生の問題だったんですから」
「ぼくだってイッショウ(一勝)の問題だよ」
「…うまい!!」
この教室は、先生も生徒も笑いのセンスがよい。私も精進しなければならない。
恒例の食事会は、駅近くのサイゼリヤへ。ここは何回か訪れているが、田町のサイゼリヤは、すっかり足が遠くなってしまった。そこへ行くことは、もうないだろう。
さて今回のメンバーと席の配置は、以下のとおり。

植山
     衝立
Fuj W

ちょっと離れたテーブルで、

Kun 大野
      壁
一公 Hon

という具合。移動を1回挟んで、最終的には

Hon W 植山 大野

Kun 一公 Fuj
   壁

という配置になった。
話は、いつもの話。植山七段が早退し、Kun氏も退室したが、残りのメンバーでバカ話は続いた。お陰さまで、きょうも若干癒された。ショックから、徐々に快方に向かっていることを実感する。皆さまに感謝である。
コメント (4)
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