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「走ることについて語るときに 僕の語ること」
(2007年 文藝春秋刊、2010年 文春文庫第1刷)
この写真は文春文庫「走ることについて語るときに 僕の語ること」の中から、取り上げました。
本人がチョイスしたのでしょうか。7年以上は前のものですね。
ドイツ紙ウェルトが選ぶ「ウェルト文学賞」を村上春樹さん(65) が受賞しました。
7日夜、ベルリンの授賞式での受賞スピーチ。その抜き書きです。
9日でベルリンの壁の崩壊から25年を迎えます。
壁について、人々や異なる価値観を隔てる「象徴」と位置づけ、「私たちを守ることもあるが、守る
ためには他者を排除しなければならない」とし、ベルリンの壁は「その典型だった」という。
壁が崩壊したときのことを「ほっとした」と振り返り、中東やバルカン半島での戦争、米中枢同時テロ
で、「幸せな世界への私たちの希望は崩れた」という。
「小説家の私にとって、壁は常に重要なモチーフ」「小説家にとって突き破らなければならない障害」。
「小説を書くとき、現実と非現実、意識と無意識を分ける壁を抜ける」「人がフィクションを読んで
深く感動し興奮するとき、作者と一緒にその壁を突破したといえる」。
「ジョン・レノンが歌ったように、誰もが想像する力を持っている」(名曲「イマジン」)「より良い、
より自由な世界の物語を語り続ける努力をすること、壁に取り囲まれているときでも、壁のない世界に
ついて語ることはできる」。
「2014年のベルリンは、そうした力についてもう一度考えるのに最適の場所」。
「今、壁と闘っている香港の若者たちにこのメッセージを送りたい」。
(SANKEI EXPRESS 2014.11.9.)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/97/59e1b02f838743fb30dea9fd261ff1de.jpg)
7日授賞式の“ハルキ”さんです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/55/ccae5f6bc5ccc99ff21f556e639abbd5.jpg)
スポーツ紙の“ハルキ”さんです。
井戸の底だったり、ホテルの密室だったり、その壁を通り抜けていく。
現実と非現実、意識と無意識の壁が消失していく。
そんなシーンを想い出しました。
2006年、「フランツ・カフカ賞」(チェコ)
2009年、「エルサレム賞」(イスラエル)
2014年、「ウェルト文学賞」(ドイツ)
こう並べてみると、“ハルキ”さんにはノーベル賞が似合わないように
思えてきましたよ。