AKB48の旅

AKB48の旅

香月孝史著『「アイドル」の読み方 混乱する「語り」を問う』

2015年06月12日 | AKB
AKB48『選抜総選挙』は“変化の季節”を迎えた? 各メンバーの参加スタンスから考える
http://realsound.jp/2015/06/post-3467.html

以前の「AKB48の「ミュージカル路線」はここまで進化した」の記事では高く評価させていただいた香月孝史氏だけど、上記、選抜総選挙についての「総括」は、やっぱりどうにも隔靴掻痒感しかないなあ。

というわけで、香月孝史著『「アイドル」の読み方 混乱する「語り」を問う』を読んでみた。・・・と言い切ると語弊があるか。正確には読む「努力」はしてみた。してみたけどムリだった。例によって例の如く、ほとんど全体を読み飛ばしてしまった。

本書の方法論としては、けっこう学術的で、基本、膨大な参考文献からの引用で議論が組み立てられている。だから読み辛いかというと、そんなこともなくて、良く書けてると思うし、けっこうな労作だとも思う。表題の通り「混乱する語り」という状況から「アイドル」とは何なのかを炙り出す作業を淡々と試みる、読み飛ばした分際で申し訳ないけど、そんな理解で合ってるかな。

そんな群盲象を撫でる的なアプローチ(で合ってるよね?)は、けれどもカテゴリー問題をスルーしてるように見えるというか、そんな入り口戦略にして既に困難へと突き当たってるんじゃなかろうかとか思ってしまう。秋元氏の「戦略」についても引用されてるだけに、そっから複雑系組織として立ち上がったAKB48の異質性への言及がないのが何とも。えーっと、いちおう念のために書いとくけど、批判とかの意図はないからね。

本書がAKB48論ではなくてアイドル論の枠組みにあることは分かってるつもり。けれどもだからこそ、柏木さん、渡辺さんには言及し、引用し、議論できても、高橋さん、指原さんに言及すらできないことには、自覚的であってもよかったんじゃないか。否、いちおう指原さんへの言及はあるんだけど、それが「恋愛禁止条例」絡みのみであるということの「外れ値」への気づきというか。


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