Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

21世紀のFDモデルの構築に向けて

2009-03-25 | 水圏環境教育センター
21世紀のFDモデルの構築に向けて:オープンエデュケーションscholarship of teaching and learning(SOTL) とテクノロジーの活用を中心に と題し,MIT(マサチューセッツ工科大学)教育イノベーション・テクノロジー局上級ストラテジスト東京大学大学院情報学館 ベネッセ先端教育技術講座 特任教授 元カーネギー財団上級研究員,知識メディア研究所所長の飯吉透氏による講演要旨を紹介する。

<FDとは何か?>
FD楽しいですか?それとも,憂鬱ですか?と尋ねると,日本では,FDというと暗くなる。しかし,アメリカでは,驚いたことー楽しくやっている。―教員誰もが似たようなトレーニングを受け,同じような教授方法をマスターしようとするからとうまくいかないのだ。

教えと学びのパラダイム転換はFDでも同じである。学生にこのことを話しているが,先生に話すと全盛期モデルになる。
”NO PAIN,NO GAIN”から”MORE FUN,MORE GAIN”へ 楽しむことが必要である。
(ワカサギ博士:FDとは大学教育の質を高めるという意味であるが,FDの本来の意味がうまく紹介されていないのが日本の現状である)

<アメリカの高等教育におけるFDの歴史>

元来は研究者として育成するためのものがFDである。
社会や経済における変化の影響―”つまり研究知識偏重は良くない”から始まり,学生の多様化という観点でFDが必要になった。

もう一つの潮流として,授業実践を公開,コニュニティーとして教育実践の改善に関する知識構築を行う,
carnegie acacemy for the scholarship of tehaching and learning (CASTL)というものに取り組んだ。
CASTL CAMPUS PROGRAM 大学機関レベルのでSOTL連絡協議会がはじまった。
際学会を通じたSOTL連絡協議会のグローバル展開とネットワークを構築した。

<オープンエヂュケーションの3構成要素>

◎オープンテクロノジー  
大学がネットワークを作りいいものが繋がっていく。改変することが出来る。大学が繋がることが大切だ。

◎オープンコンテンツー Multimedia educational resources for learing
触るベからズ,ではいけない。これは大学の文化の問題として,時間がない,適合しない,など固定化されているためである。オープンコンテンツプロジェクト,ウエブで製本したものが送られてくる。いろいろな学会とも提携している。オープンラーニングイニシアティブ 次世代のオープンコースopen course wareである。

日本は20年以上遅れている。どんなに材料が良くても,料理人がしっかりしないといいものは作れない。同じように,知の料理人としての教員は,これらの教えるための道具と材料をこなすことが求められる。他の料理人はどうしているだろう。これをFDの教材と使うとどうなるか?と考えていくことが重要だ。

◎オープンナレッジー オープンエデュケーションで大事なのは知識である。
ここでいう知識とは,教授と学習に関する経験的知識,科学が発達しても教育的知識表象が必要。

これら三拍子そろったものを作る。例)KEEP TOOL という教材ツールキットを作成した,育知識表象共有テクノロジー 世界中のスナップショットを連携させる取り組みを実施した。

<広義のFDを構成する3要素>
広義のFDを構成する3要素は教員開発,教授開発,組織開発である。 
文化を変える必要がある,表象の制度を改善する,情熱や意気込みをどう変えるか,何か新しいことを試みをすると失敗する,失敗を奨励すること。イノベーションセーフティネット,学生の成績が落ちるかもしれない。情報を交換する場が必要。
FDは多角度的にみていくことが必要である。