Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

港区立こども中高生プラザ

2010-12-07 | Weblog
本日より一週間、水圏環境コミュニケーション学の一環として「海の科学を学ぼう」がスタートした。
例年以上に海への興味関心が高そうだ。
子供達は決して海嫌いではない。海を好きになる環境にうえているのだ。

ここはどこでしょう

2010-07-18 | Weblog
 一見すると陸中海岸国立公園のローソク岩かと思うと,実はそうではない。これはバハ・カルフォルニア半島の最南端にあるリゾート地である。

 ロサンゼルスからバハカリフォルニアの半島の最先端へ向けて出航する客船クルーズが人気のようだ。この付近には船で上陸できず,小型船で移動し奇岩を楽しむ。

 

臨床教科教育学セミナーにて閉伊川大学校の実践を報告しました

2010-01-13 | Weblog
 新潟県上越市上越教育大学で開催された「臨床教科教育学会セミナー」において,昨年度,今年度開催した閉伊川大学校の取り組みを報告した。今回の発表では,科学的概念の獲得に関する調査結果。

 昨年実施のプログラムの実践結果では,仮説を立てるなど抽象概念を理解させることが難しいことが明らかになったが,今年度のアクティビティにおいて「仮説を立てる」という抽象的概念について,昨年に比較して満足度や理解度が高い結果となった。屋外での体験を重視したプログラムは抽象的な概念を獲得する上で有効である可能性がある。というものである。
 
 今年作成したプログラムでは,導入として「川流れ・安全教育」を実施した。さらに,探求として「閉伊川にはどんな生き物がすんでいるのだろうか?」「科学者とは?」を実施し,川を中心とした屋外での体験重視のプログラムとした。

 振り返りの感想の中で,「川の流れの体験がはじめてでたのしかった。もういちどやりたい。」「へいがわのさかなをとるのがとてもたのしかった。」「へいがわにはいろんないきものがいてたのしかった。」など,導入や探求で実施した川の流れ体験,生物採集の印象が強い。野外での体験活動は,抽象的な概念を獲得する上で必要な経験であると考えられている。
 
 プログラムを実施したエデュケーター自身の発話から,「昨年に比較して楽しんでやれた。」「子どもたちの喜ぶ姿を見て頑張った甲斐があった。」「ぜひ,年内にもう一度やりましょう。」等前向きな姿勢が伺えた。
 
 以上のことから、河川での体験活動が抽象的な概念の獲得に効果的に働いたではないかと考えるが,今後,科学的思考力育成のための屋外における体験学習の有効性について精査し更なる検証が必要であろう。

フロリダ大学教授マイク・スプランガー博士とカレン・ブライラー女史による東京講演

2009-12-24 | Weblog
 フロリダ大学教授マイク・スプランガー博士とカレン・ブライラー女史によるシンポジウムが小浜に引き続き東京海洋大学で行われた。
 スプランガー博士からは、シーグラントカレッジによる地域との連携について、ブライラー女史からは、4-Hセンターにおける体験型海洋教育、並びにCOSEEフロリダにおける学者と教師恊働によるマリンサイエンスワークショップについて話をいただいた。

 シーグラントカレッジについては、1966年に設置され年間予算として約60億円が連邦政府から、そしてほぼ同額が州政府自治体、企業から出資されている。合計120億円で全米の400人のスタッフが33の大学に所属していること、シーグラントのエージェントの役割は、「ゴム長をはいた地方役人」として地元重視の取り組みをおこなうことであり、地域住民や企業などとの合意形成を図ること、新しいプログラムを開発し、地域の実情に会わせた海洋教育を実施することなどである。また、海洋教育は海洋リテラシーが基本となっている。このような地域密着型の教育が認められ,政府予算が毎年増加している。

 一方、カレン女史からは4-Hセンターは体験型教育を重視しており、カウンティー(自治体)ごとに一人のエージェントを配置する。このエージェントは体験型教育活動を実施するための人材である。ライフスキル(生きる力)は,その20%が体験型教育によって身に付くものであり、体験型教育の重要性は認識されている。ちょうど、ジョンデューイが唱えていることを100年間にわたり、取り組んでいる。日本で言えば、青年の家にあたる。4-Hセンターはランドグラントカレッジの中に配置されているものである。すなわち、大学機関として、機能している。日本の独立行政法人の所属とは異なる。

 COSEEフロリダとは、フロリダ海洋教育センターである。こちらは全米科学財団が年間1億円の予算を出して、11大学に設置されているCOSEEに配分されている。おもに、海洋教育を推進するための機関である。2002年に設置された。この大きな目的が、研究者と教育者を結びつけ,より良い学校教育や社会教育を実施するためのもうけられたものである。海洋リテラシーもこのCOSEEによって作成された。さらに、マリンキャンプでは研究者は自分の研究をどのように教育に結びつけるのか、またどのようにわかりやすく伝えていくのかといった教育学的な知見を高めるとともに、教育者は科学やその方法について理解することを目的として実施されている。

 このような講義のあと、参加者からは、シーグラントカレッジのような役割を持った機関が日本にも必要では?、海洋大学に期待したいとの意見をいただいた。

外来魚は誰の責任?

2009-10-20 | Weblog
 日本魚類学会主催の放流についてのガイドラインに関するシンポジウムが東京海洋大学で開催された。

「水産放流」と「善意の放流」について議論がなされた。
水産放流とは国の法律に基づき食糧を確保するという目的で義務として行うもの。
善意の放流とは,ペットがかわいそうだから放流するというもの。
これら2つは,生態系を攪乱させる大きな原因になっている。

 水産放流は,漁業権が発生する魚種は,放流義務が課せられる。その結果,本来その場で捕獲された水産生物を放流すれば良いものを,人間の都合により放流を行ってきた。例えば,琵琶湖のコアユの放流は全国各地で実施されてきた。大量のコアユが放流された。そのため,閉伊川でもそれまで確認されていなかったオイカワ,ニゴイ,カマツカ,イチモンジタナゴ,ギバチなど様々な魚が生息するようになった。この放流義務は,漁業権を与えられる漁業協同組合に対し義務化されているものである。

 この事業に対して,もう一度原点に返って公の手に戻す事が必要なのではないか?一般市民からは,河川は漁業権だけでない別の整備が必要なのではないか,合意形成により河づくりをすすめるよう目を向ける必要がある等の意見があがった。最後に,行政が変わることが必要であるとした。

 善意の放流について,パネリストは,研究者一人ではかなわないが,いろいろな場面で情報を発信し市民の要請にこたえる必要があるとした。また,里親制度など体験学習の機会が増えているので,小学校5年生のメダカの話や中学2年での外来種について,学校の先生を通じて教育していくことも求められる。という提案があった。

 ある市民から「研究者がもっと市民の中にはいることが必要だ。正確な情報と知識,生き物への気持ちを持ってもらうために研究者は市民の中にどんどん入って欲しい」と期待する発言があった。
 
 それに対して,ある研究者は「事例があれば説得しやすい,リスク評価を実施することを自分自身で行うように,啓発,教育が必要であり,インタープリター養成講座を県が単独で実施しているが,今後大学でも一緒にやっていきたい」と答えた。また,「ある県では,理科エキスパート事業を実施していて,学校に専門家を派遣する制度を作っているが,情報不足である。研究者が積極的にそうしたところアピールして欲しい。一般の人に教える活動があるといい。」という声も上がった。

 最後に,主催者側から今後の取り組みとして,この放流魚の問題について,研究者は「一般の人々にも分かりやすい啓発書を発行していくなどの活動をしていきたいと考えている」と語った。
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 アメリカのシーグラントの記述で紹介しているが,日本ではいまだこうしたアウトリーチの専門家が存在しない。まして,専門家の研究業績を分かりやすく市民に伝えるエデュケーターの専門家も存在していない。ほとんどが,ボランティアでアウトリーチ,教育活動のようなものを実施しているというのが現状である。現在,水圏環境リテラシー教育推進プログラムで人材養成が始まったが,受け皿がない状況だ。市民の要望にこたえるためにも,日本版シーグラントなど社会システムの構築が必要になるだろう。

フレッシュマンセミナー東京湾クルージング

2009-04-21 | Weblog
フレッシュマンセミナー東京湾クルージングが1泊2日の日程で開催された。

本セミナーの主旨は,これまで船というものに触れたことのない新一年生300名全員を対象に,1泊2日の日程で本学海洋科学部が所有する海鷹丸,神鷹丸,青鷹丸の研究船に乗り込み,初めての乗船を体験。大方の学生の感想は,「はじめて船に乗り,海の上での体験は感動的である。」「船上で大学生としてのスタートを切り,海洋科学への興味が湧いた。」などである。

市議の訪問

2009-04-13 | Weblog
吹田市市議会議員の訪問を受けた。

「国を作るのは人,人を作るのは教育だ。しかし,その教育が危うい。今のままでは,日本がだめになる。」

そう思った農業高校の若い高校教師は,一念発起し市議会議員に立候補した。現在2年目,32歳。国を支えるのは地方自治。地方自治のより良いモデルケースを打ち立てることが今の彼の使命だ。国の将来を考え希望に燃える瞳は輝いていた。

現場の教師をサポートするためには,今の教育システムをより良くする必要がある。徹底的によりよい国を作るための教育政策を実施したい。彼のウエブサイトは教育問題の課題解決から始まる。http://www.kamiyasohei.jp/

教育の本質とは何か?子どもたちの能力を最大限に引き出す方法とは?住民を主体とした政策決定とは?

次の新しい時代を作ろうと努力する若きリーダーにエールを送りたい。

日本水産学会 高校生による研究発表

2009-04-03 | Weblog
東京海洋大学楽水会館で開催された,第3回日本水産学会「高校生による研究発表」が成功のうちに終了した。北は北海道から南は鹿児島まで,全国から11題の研究発表が行われた。

深海エビに関する水産資源的研究,未利用資源の開発,食品工場の生ゴミゼロ化,発光バクテリアを用いた新技術開発,魚類生態調査,魚類の形態進化に関する考察等,多岐にわたる発表内容であった。

高校生による研究発表は「どうしてなんだろう?何とか出来ないか?」という身近なものに対する疑問や,「なんとかしたい,こうしたい」という願いから端を発しているものである。

まさに,海洋を通して科学をしているのである。海洋は未だ数%明らかになっておらず,科学の対象として多くの可能性が秘められている。海洋は科学的な思考力を高める上でも,有効な対象であるといえる。

また,水産は日本人の食生活と深く関わりを持っている。地域ごとに特徴を持っており,こちらも食文化として見逃せない分野だ。

地域に密接に関わった諸課題を高校生がこうした学会の場で情報発信していくことは,研究者としても大変興味深いと同時に,研究者がアドバイスを行うことで,高校生の研究活動に一層の拍車がかかる。

参加した先生方からは「地方で研究発表していたが,こうして全国の研究者の前で堂々と発表し,大変自信をつけることが出来た。また,専門の研究者から適確なアドバイスを頂くことで生徒たちも大変励みになっている。」と感想を頂いた。

こうした研究発表を学会で行うことで,生徒たちはそれぞれの地域の良い面を理解することができ,自分たちのアイデンティティーを高めることが出来る。そのことが地域の活性化に繋がり,ひいては日本の水産学・水産業の社会的認識や重要性の向上・発展につながるものと確信する。

海洋教育セミナーが東京海洋大学で開催

2009-03-14 | Weblog
The ocean education seminar is held in the TUMSAT.

本セミナーは,日本船舶海洋工学会海洋教育推進委員会主催で,全国の大学,高等学校,高等商船の学生により,これまで彼らが取り組んできた海洋教育についての事例発表ならびに研究発表会が行われた。
Case announcement and meeting for research papers on ocean education conducted by university and high school, student of higher marchant ship in the Japan, marine ship engineering association's ocean education promotion committee sponsorship were carried out this seminars.
主催学会が工学系という事もあり,水中ロボット,体験乗船,海洋スポーツ,帆船教育など船舶に関する話題提供がメインであった。全国各地で実施されている熱心な取り組みに会場からは惜しみない拍手が与えられた。
There was the sponsorship institute on the fact of the engineering, and topic offer on ships such as underwater vehicle, experience boarding, ocean sports, sailing ship education was a main.
The enthusiastic challenge carried out in national each place gave not grudging handclap from the place.
本研究室からは,手賀沼の住民意識調査,閉伊川大学校の運営と評価,大田区ふるさとの浜辺公園における水圏環境教育の有効性に関する調査結果を報告した。
From this our AMEL LAB, the survey result on resident consciousness investigation of Teganuma, management of the Heigawa River university school and evaluation, effectiveness of aquatic environment education of the in artificial beach park was reported.

最後に,総合討論が行われた。私の方からは,「将来社会人になって海洋教育に携わりたい思っているか?もし,携わるとした場合どのような基盤整備が必要だと思うか?」という質問をさせていただいた。
Finally, the total discussion was carried out.
Is it thought from my way ocean education want to the future member of society ?
Is it thought that what kind of establishing of a base is necessary, when it participated,?
The question had been done.
その答えとして,職業として成り立たせるための仕組み作り,マーケティングの手法を活かした海洋教育活動,海洋教育活動のしっかりとした位置づけ,その仕組み作りのために学会が機能すべきでは?といった意見を頂いた。
There were opinions that positioning of mechanism for establishing as an occupation, ocean educational activity which utilized the technique of the marketing, ocean educational activity done securely.
日本のこうした海洋教育活動は近年盛んになってきている。しかしながら,その活動のほとんどはボランティア活動であり本職として取り組むことは難しい。海洋教育を志す学生が将来のプロフェッションとして仕事に就ける仕組み作りが日本の喫緊の課題であろう。
Such ocean educational activity of Japan becomes recently prosperous.
However, it is a difficult situation that most of the activity is the volunteerism and that it wrestles as this job.The mechanism make it provides for the work, as the student who aims at the ocean education makes it to be future profession, will be an urgent issue of Japan.

アメリカン自然史博物館その2

2009-02-20 | Weblog
 特別展示は,本来は科学者の指導の下,エギゼビターが,展示をまかなっていたが,数年前からエデュケーターとエギゼビターを仲立ちするリエゾンスペシャリストを置くようにした。また,展示も,ニーズアセスメントを実施し,事前に展示内容のチェックを行うようにしている。

 それは,エデュケーターとエギゼビターの間に大きなギャップがあったからである。エギゼビターは教育のバックグランドがないので,オーディエンスの理解が得られていない事が多かった。現在は,改善されて,リエゾンの重要性が高まっている。現在のパターンはまず,教師を対象にワークショップを実施して,どのように特別展示を見せればいいのか,またどのように質問をするのかを理解してもらう。その後,学校に戻り,事前学習を行う。その後先生が生徒を引率して特別展示を見学させる。というパターンを取っているようだ。

 この博物館もNPOであり,ほとんどが寄附で成り立っているが,NOAAや大学などがファンドを出しているようだ。今回のワークショップでは,4名の学校教員がNOAAから出張旅費を出してもらい参加していた。また,一部の若い職員の給料もfellowship プログラムの一環としてNOAAから支給されている。政府機関と民間企業,そして個人が一体となって体系的に教育に熱心に取り組んでいる様子が伺われる。