Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

8月2日海街コミュニティ・スクールが開催されました。

2024-08-21 | 水圏環境教育
キーワードは「対話」,「つながり」,「探究」
オープンキャンパス,森川海体験交流会,認定講習会,修論発表会,大学院試験などに追われ,8月もあっという間に過ぎてしまった。8月は,これまでの取り組みを振り返る良き機会であった。キーワードは「対話」,「つながり」,「探究」であった。

海街コミュニティ・スクールを開催!
東京海洋大学海街コミュニティ・スクールを開催した。印象に残ったのは,子供たちの発表内容だ。現状を理解し,問題点を発見し、仮説を立てて検証方法を考え,発表していること。何の縛りもなく,自分の自由な発想を十字モデルワークシートに当てはめて淡々と発表する。そして,子どもたちはそれぞれ,解決のアプローチが異なっていること。これは興味深く,大人たちは驚きを隠せなかった。

子どもたちの素敵な発表
大学近くの運河に出かけて御楯橋の下で観察会を行ったあと,十字モデルに対応させて発表会を行った。

中1女子「海藻が生えているところとないところがありました。海藻が生えてるところからは,水が出ていました。その水は汚いのかなと。それで私の仮説は海藻が生えているところは? 水が汚いのではないか。実験方法は,海藻が生えていないところと生えているところでの水質の違いを確かめたいと思います。」

6年生男子「高浜運河で魚の群れを少し見ました。魚はどうして水の下の方にいるののかな。そこで,実験を考えました。水槽に魚を入れて,どのあたりで泳いでいるのかを確かめる方法です。魚が底面を好むのかなということを水槽を使って。 上にいるのか下にいるのかを調べてみたい。それから魚は暗いところにいたので。仮説は,魚は暗いところが好きなのかもしれない。 確かめる方法は, 水槽を用意して明るい場所と暗い場所ではどちらを好むのかを観察します。それから魚の匂いがしてたので。仮説は魚の匂いがするということは、魚がたくさんいることではないかと。それで実験としては水槽の中に魚をたくさん入れて。匂いがするかどうか?水のみだけではどうかと比較したい。」

 
港区の住民が求めていることは?
  このあとあつまっていただいた大人の皆様には,子どもたちの発表内容をもとにしながら,これからの活動について深く考えていく場面を設けた。海街コミュニティ・スクールが取り組むことについて,様々な提案を頂いた。大人の人達が求めているものは何か,それは「つながり」。 水辺との繋がり。そして人々との繋がり。 住民の人たちとの繋がり、そして多様な人たちとの繋がりだ。

 「つながり」は,港区の沿岸地域住民の願いだ。水辺は人々を引き付ける力を持っている。文化を生み出す力がある。この水辺をいかに活かすかが,この東京の沿岸部のにぎわいや発展の鍵になる。一部のお金持ちや専門家の人たちだけの場所ではなく,すべての人々が交流を深める権利を持つ。誰でもが関わり続ける環境を提供することが大事なこと。そして、多くの人々が関係価値の意識を高め合ることが,日本全体の沿岸域の発展につながる。皆さんの思いを形にしていく取り組みにしていきたい,と強く思った次第である。

補足:chan et. al (2016)が定義した関係価値というのがある。関係価値とは,人と自然とのつながり,人と人とのつながりにある価値だ。海街コミュニティ・スクールは,このような活動を通して,運河の水辺と人とのつながり,そして人と人とのつながりにある価値=関係価値を高める活動である。都市部での関係価値を高めるための教育活動は,世界的にも珍しい活動である。



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