小５虐待死、母がゴルフクラブで撲殺

１０月３日　よみうり寸評


　｛〈はなちゃんのみそ汁　天国のママとの約束〉（文芸春秋刊）のはなちゃんは５歳でママを失った◆乳がんの全身転移で先立ったママは、幼いはなちゃんに包丁を持たせ、家事を教えた。だから、はなちゃんはパパと２人になったときから、みそ汁つくりができた。今はもう小学４年生◆「はなはね、ママに伝えたいことがあるんだよ。それはね、おべんとうが全部作れるようになったこと。びっくりしたでしょ」――天国のママへあてた手紙は 健気 ( けなげ ) で涙なしには読めない。この子を残して逝ったママの胸の内は察するに余りある◆健気なはなちゃんに感動したばかりだったので、 不憫 ( ふびん ) 極まる児童虐待は逆の衝撃が大きかった。こちらは母の手にかかった広島県府中町の小学５年堀内 唯真 ( ゆま ) さん◆「しつけのため練習用のゴルフクラブで頭を殴った」と母親。死因は後頭部のくも膜下出血など。１１年の生涯の半分ほどは、乳児院や児童養護施設で過ごした末だ◆〈三千世界に子を持った親の心はみな一つ〉と言えないのが悲しい。｝


　自分が生んだ娘を、ゴルフクラブで殴りつけ、頭骨砕け脳挫傷させた。人間ではない、いや動物にも劣る所行は、許し難い。何度も養護施設に預けられ、母と一緒に暮らせることを喜んでいた唯真 ちゃんは浮かばれない。結果論だが、母親に手渡したことが間違いだった。日常から母から暴力を受け、かばってくれる祖母も暴力をふるったと聞く。傷害致死で逮捕と聞くが殺人容疑にすべきだ。