9月27日 よみうり寸評
〈わたしは政治家を見る時、こんな見方をしている。それは「闘う政治家」と「闘わない政治家」である〉◆安倍晋三氏は6年前、自民党総裁、そして首相の座に就く直前、2006年の夏に出した著書「美しい国へ」でこう書いた◆〈わたしはつねに「闘う政治家」でありたいと願っている。それは闇雲に闘うことではない。「スピーク・フォー・ジャパン(日本のために語れ)」という国民の声に耳を澄ますことなのである>と続く。その1年後、体調を崩し、任を辞した安倍氏が再び自民党総裁に選ばれた◆この重いポストに2度就いた人物は初めて。それも1956年以来、56年ぶりに決選投票での逆転勝利だった◆56年前、石橋湛山氏に逆転されて敗れた岸信介氏は安倍氏の祖父。今度は孫が勝利というのも因縁めく。5年前「闘う」ことに挫折した日々を安倍氏はどう反省するか◆何が日本のためかを語れ! 3年前の政権交代は自民のお粗末で起きた。今度もただ民主の失点で自民にまたお鉢が回ると考えては甘い。
総裁選の1回目の投票では、石破氏が199票でトップ、安倍氏が141票で続いた。5人の候補者のいずれも過半数を獲得できず、上位2人が国会議員投票だけで争われる決選投票に進み、安倍氏が108票、石破氏が89票だった。1位となった石破茂前政調会長(55)(無派閥)を決選投票で逆転し、勝利した。任期は2015年9月末までの3年間。安倍氏は9月中に党役員人事を決める方針だ。安倍氏は、党員投票で過半数を獲得した石破氏を幹事長などの重要ポストで処遇する考えだ。いずれは、民主党から自民党政権になるのは間違いない。日本の未来を託したい。
安
〈わたしは政治家を見る時、こんな見方をしている。それは「闘う政治家」と「闘わない政治家」である〉◆安倍晋三氏は6年前、自民党総裁、そして首相の座に就く直前、2006年の夏に出した著書「美しい国へ」でこう書いた◆〈わたしはつねに「闘う政治家」でありたいと願っている。それは闇雲に闘うことではない。「スピーク・フォー・ジャパン(日本のために語れ)」という国民の声に耳を澄ますことなのである>と続く。その1年後、体調を崩し、任を辞した安倍氏が再び自民党総裁に選ばれた◆この重いポストに2度就いた人物は初めて。それも1956年以来、56年ぶりに決選投票での逆転勝利だった◆56年前、石橋湛山氏に逆転されて敗れた岸信介氏は安倍氏の祖父。今度は孫が勝利というのも因縁めく。5年前「闘う」ことに挫折した日々を安倍氏はどう反省するか◆何が日本のためかを語れ! 3年前の政権交代は自民のお粗末で起きた。今度もただ民主の失点で自民にまたお鉢が回ると考えては甘い。
総裁選の1回目の投票では、石破氏が199票でトップ、安倍氏が141票で続いた。5人の候補者のいずれも過半数を獲得できず、上位2人が国会議員投票だけで争われる決選投票に進み、安倍氏が108票、石破氏が89票だった。1位となった石破茂前政調会長(55)(無派閥)を決選投票で逆転し、勝利した。任期は2015年9月末までの3年間。安倍氏は9月中に党役員人事を決める方針だ。安倍氏は、党員投票で過半数を獲得した石破氏を幹事長などの重要ポストで処遇する考えだ。いずれは、民主党から自民党政権になるのは間違いない。日本の未来を託したい。
安