うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

ホームズ彗星 その後 18....(228)

2007年12月10日 21時33分51秒 | うべプラネタリアン
今夜は雨だが、昨夜は良く晴れていた。
いろいろばたばたしていたので、しばらくごぶさたしていたが、昨夜17P/ホームズに会った。
ペルセαアルゲニブからすこしはずれたが、ちゃんといたいた。
ずいぶん広がり、その分淡いのは仕方がないが、なんとなくほうき星の型になってきたようだ。
再増光の気配はわからない。
この様子なら、ふたご座流星群観察会の時まで充分楽しめる。
火星をながめ、17P/ホームズをたのしみ、すばるを愛で、オリオンにエールを送り、シリウスに挨拶し、流れ星を追う。
その上うまい物作って食って、あんか入りの寝袋にぬくぬくして、
ぜーたくだのぉ...
昨夜、17P/ホームズを眺めていたら、10分くらいの間に、ペルセをよぎって、ささっと2個流れた。
明らかにふたご群だ。
活発化している証拠だろう。
画像は17P/ホームズ。(NASA)。

ふたご座流星群 3...(227)

2007年12月09日 20時20分26秒 | うべプラネタリアン
12月14日にふたご座流星群の観察会を開く。天気予報は星空指数は30とのこと、
直前に変わるから今一喜一憂しても始まらない。
そこで、いい星空が欲しいことはもちろんだが、いまひとつ気になっているのは、
その夜、何か暖かい物でも作ろうかと計画しているからである。
みんなで鍋をつついてもいいし、豚汁を作るのもいい。
なにせ猛烈に寒いからそんなものでもなければ、耐えられないだろう。
当日は、天文クラブがあるので、あまり事前にみんなで準備できない。
か、やると決めたら何とかなるだろう。
鍋や食器は事前にそろえる。熱は、ボンベ式のガスコンロでいいだろう。
結局、材料が問題だが、前日最終GOサインを出す。
十中八・九やる。
ふたご流星歓食会。冬の宴。
画像は、オリオン三つ星付近広域(NASA)。広い範囲ガスに包まれているのがわかる。

ふたご座流星群 2...(226)

2007年12月06日 21時46分45秒 | うべプラネタリアン
流星の元は、彗星の残していったダストだ。
流星群の軌道をトレースすれば、何らかの彗星の軌道と一致し、その彗星を流星群の母彗星と呼ぶ。
しかし、ふたご座流星群の母彗星は見あたらず、しばらく謎の流星群と言われていた。
地球軌道に交差する小惑星を追跡していて、ようやく、
ふたご座流星群のダストトレイルと一致する軌道を持つ天体が発見された。
なんとそれは、尾を持たない小惑星だったのだ。
これが、ふたご座流星群の最大の特徴かもしれない。
ファエトンと名付けられたその小惑星は、かって彗星だったのかもしれない。
そうした原因からか、この流星群は流れる途中であまり光の変化(爆発)がない。
いわば、すうっと流れる。決して派手ではない。
が、時としてかなり明るいのが混ざる。
そして、うれしいことに、近年どういうわけか、数としては活発で、一時間に50個くらいはコンスタントに流れるようだ。
ふたご座α星、兄カストルのすぐ近くに輻射点がある。
この時期、ふたご座は宵から夜明けまでずうっと見えていて、つまり輻射点は夜中空にあり、全天で流れる。
輻射点の方角を気にしなくていい。
お天気さえよければ、寒いけど、絶対確実という群だ。
極大期の12月14日夜、観察会だ。
日頃の行いを良く保ち、好天を祈ろう。長期予報は、星空指数30。
画像はカナン画伯のふたご座。

ふたご座流星群 1...(225)

2007年12月05日 17時13分08秒 | うべプラネタリアン
ふたご座流星群の一つの特徴として“活動期間の長さ”があげられる。
12月はじめ頃から、12/20頃まで活発で、12/14の極大期をすぎると急激に数が減るようだ。
永安氏によると、今月初めホームズ彗星を見ていたら、
北東の空からカシオペアの方へさぁぁっとゆっくり長く走る流れ星がいくつか見られたとのこと。
つまり、下から上に飛んだわけでそれはなかなか見ごたえがある。
今年の極大期は12/15 03:00と予報されている。
当日月齢4の月は21時には沈むので、晴れていさえすれば、観測条件は絶好。
一年の内で2大流星群と言えば8月盆ころのペルセウス座流星群と、この時期のふたご座流星群だが、
最近ペルセ群が不活発なのではと言われている中で、ふたご群はなかなか調子がいいようだ。
ふたご群の特徴としてさらに“ゆっくり流れる”ことがあげられよう。
ペルセ群は秒速70kmくらいで地球に飛び込んでくるのに比べ、
ふたご群は30km程度と言われているので、数値比較だけでもゆっりくなんだろうなと解る。
ふたご群の最大の特徴は....また後日語るとして、
極大期の12/14の宵から0時ころまで、公開観察会を開く。
具体的には、当日、18:30~20:30天文クラブ12月例会。
そのあと、21:00~24:00 常盤湖畔「青年の家広場」に移動して観察会。
晴れればいいが。

画像はペルセ群の流れ星(NASA)。

月面にて 2....(224)

2007年12月04日 20時36分47秒 | うべプラネタリアン
三日月から六夜月ころまで、月を見ると欠けた側、暗い方に、月の丸みがほんのり浮かんで見える。地球照という。
地球の照り返しが見えているのだ。
太陽の光を浴びた地球が月を照らし、その光に照らされた明るさを我々が見ている。
光のトス、キャッチボールだ。
太陽の光もすごいとは思うが、地球の反射率も強いと思う。
月面に立つと、そんな地球が、中天で、青と白とところにより茶色で、ビガビガ輝いているんだろう。
おっそろしいような大きさで。怖いような明るさで。
満月ならぬ満地球(Full Earth)に近い丸みで。
しかし、光の散乱はないから、地球を隠せば(例えば手をかざして..さて、手の中に入るかな)、
あとは漆黒の空だろう。星も見えているはずだ。
わぁっ~見てみたいなぁ....
美しいだろうなぁ....泣けるだろうなぁ....
カナンや冴夏は行けるだろうか、あの月へ。

画像は朏(みかづき)とすばる、地球照 (NASA)。

ホームズ彗星 再増光? 15...(223)

2007年12月03日 19時02分34秒 | うべプラネタリアン
タイトルの通りの新聞記事が、今朝(12/3)の朝日朝刊の科学欄に載っていた。
嬉しくなってしまって、朝飯も口に入らない(←嘘!)。
115年前に初めて発見されたときも、バーストを起こした直後で、4等級だった。
発見の1週間後には9等級に減光したという。
このたびの大バーストは発見時以来の出来事だったが、発見時にも、70日後に再増光したらしい。
だから、今回も...と期待がふくらみ、国立天文台も追跡を怠らないようにしているようだ。
再増光なんて、本当に起これば全く嬉しい。
体内の星虫がうずいて仕方がない。
情報が入れば、どなたでもいい教えて欲しい。

月面にて 1 ...(222)

2007年12月02日 20時49分16秒 | うべプラネタリアン
月に行っている探査衛星『かぐや』は月面に降り立っているわけではなく、
月面より100㌔上空を、南北に飛行している。
だから、「地球の出」や「日の出」が起こるようにみえる。
しかし、月面に居座っていると「日の出」はともかく、「地球の出・入り」は起きないから見えないはずだ。
月面上で見る地球は、上空にべたっといつも張り付いている。
地球で見る月のように東から昇って西に沈むという優雅な動きはしない。
漆黒の夜空に、同じ場所から動かずに、張り付いて見えるはずだ。
しかし、それはこちら側半球(表側)に居て見えることで、向こう側半球(裏側)では一切地球は見えない。
いつも同じ側を向けているということはそういうことだろう。
ただし月は少し揺らいでいて、球面の59%(約60%)見えるので、月面上でも東西の縁の近くの
ぎりぎりのところにいたら、「地球の出・入り」」は起きる。
一方、「地球の満ち欠け」は起きるだろう。
「満地球」になったり、「新地球」になったり、「上弦の地球」になったりする。
昇ったり沈んだりしないで、空に張り付いたまま、満ち欠けだけするなんて、どんなこっちゃろうか。
その満ち欠けも地球から見る月齢と反対になるわけだから、
「満月」のときは「新地球」で、「三日月」のときは「十八地球」ということになるのかしら。
やはり、混乱するなぁ。

画像は11/18の月。同日のホームズ彗星と同じ画角で撮った。
月齢は見ての通り上弦の月(8.2)。宮崎氏の撮影による。

鏡開き 2 ...(221)

2007年12月01日 23時06分03秒 | うべプラネタリアン
今日、昼も夜もものすごいいい天気。
夕刻ちょっと雲が張り出したが、20時ころからピーカンに晴れた。
今宵はミード20の鏡開きととしたが、この機器の使い勝手の悪さに辟易。
まぁなにしろ準備不足だった。
けれど、少人数で眺める初冬の星空は格別だ。
こんなときの道具は、双眼鏡が実にいい。
5㌢7倍の天文標準は、オリオン三つ星がパチンと納まって美しい。
アンドロメダ銀河もホームズもこの双眼鏡一つでいい。
ミード20にかまけているよりも、星虫は、てれりてれりと初冬の東空を舐めまわして楽しむのだ。
時空を超えて宇宙を漂う自由さがたまらないねぇ....
そうだろ、cosumosuさん、カナンさん。
画像は、今日の昼、防府市毛利庭園のもみじ。