うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

月面にて 1 ...(222)

2007年12月02日 20時49分16秒 | うべプラネタリアン
月に行っている探査衛星『かぐや』は月面に降り立っているわけではなく、
月面より100㌔上空を、南北に飛行している。
だから、「地球の出」や「日の出」が起こるようにみえる。
しかし、月面に居座っていると「日の出」はともかく、「地球の出・入り」は起きないから見えないはずだ。
月面上で見る地球は、上空にべたっといつも張り付いている。
地球で見る月のように東から昇って西に沈むという優雅な動きはしない。
漆黒の夜空に、同じ場所から動かずに、張り付いて見えるはずだ。
しかし、それはこちら側半球(表側)に居て見えることで、向こう側半球(裏側)では一切地球は見えない。
いつも同じ側を向けているということはそういうことだろう。
ただし月は少し揺らいでいて、球面の59%(約60%)見えるので、月面上でも東西の縁の近くの
ぎりぎりのところにいたら、「地球の出・入り」」は起きる。
一方、「地球の満ち欠け」は起きるだろう。
「満地球」になったり、「新地球」になったり、「上弦の地球」になったりする。
昇ったり沈んだりしないで、空に張り付いたまま、満ち欠けだけするなんて、どんなこっちゃろうか。
その満ち欠けも地球から見る月齢と反対になるわけだから、
「満月」のときは「新地球」で、「三日月」のときは「十八地球」ということになるのかしら。
やはり、混乱するなぁ。

画像は11/18の月。同日のホームズ彗星と同じ画角で撮った。
月齢は見ての通り上弦の月(8.2)。宮崎氏の撮影による。