健康楽園。

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加齢礼賛!

2007-04-29 | 読んでみた。finding.
眠れぬ真珠

新潮社

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池袋ウエストパークシリーズでは若者を描いて好評だった作者。
こんどは、年を取るっていうのも、まんざらではないね!!って思わせる小説を書きました。
「娼年」にも、若さだけでなく、年を重ねる良さを描く萌芽もあったけれど、ここでは恋愛仕立てにしました。
離婚暦一回45歳の咲世が主人公。メゾナントという銅版画作者です。
海辺のリキッドカフェで、映像作家28歳独身の素樹と出会います。この辺がいかにもおしゃれで、石田衣良風っていえばいえるけれど・・・。
年を重ねるって、できないことを、みきりつけられるようになる!!っていいます。
「若いころは、夢見てもかなわないことで、自分を傷つけていて・そうなりたいとさえ願っていない夢で自分を傷つけていた。今は、自分にだけできることがわかる。」177ページ。
「どんな風に45歳のわたしを受とっているか、わたしでなくては決して見つからなかった光を封じ込めてあります。」と、最後の場面・銅版画個展での挨拶を締めくくります。H/ヒューストンでなくリンダロンシュタットの「アイ ウイル オールウェイズ ラブ ユー」が出てきたり、20世紀・スペインの作曲家フェデリコ・マンボウのピアノ曲をラローチャが弾いていたり・・・。
石田節健在です。
よく、都合よく出来過ぎているっていう批判もあるだろうけれど、恋愛小説としては、きわめて読み心地は上質。
加齢している私にとっても気持ち良い小説でした。
コメント
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