健康楽園。

健康に関する情報・提案を主にする。

どうして出生率が上ったのか??

2007-04-13 | 読んでみた。finding.
フランス家族事情―男と女と子どもの風景

岩波書店

このアイテムの詳細を見る
手元にある初版本。1995年8月21日大一版発行とあります。
日本よりも一足先に高齢化を体験しているヨーロッパ諸国。
北欧も、この本の現場フランスも例外ではありません。日本は、急激な高齢化の真っ只中に突入していて、それに加えて出生率1.31という小子化も深刻な問題となってきました。
最近の新聞で、どん底まで落ちたフランスの出生率が1,9以上に、急速に上昇してきたという記事を読んで、この本を引っ張り出してきました。
筆者が、実際フランス在住時代・目の当たりにした、数々の家族・結婚のありかた、個々のフランス人の生きかたを提示している内容です。
フェミニズムでもアメリカのような極端なかたちをとらず、理論を一人歩きさせることなく、現実の生活と心情に即しているフランス。
「世の中、栗か白かではなくて、さまざまなグラヂュエーションがあるわけだが、その灰色の微妙な色合いを味わう強靱さと明晰さを持ち、それに加えて洒落っ気もある。」って前書きに書いてあります。
日本の戸籍の世界かあら見ると、不思議・異常な形式。
家系・家族構成など載っている戸籍など、フランスでは考えられない。フランスでは個人を単位とする登録であり、家制度に立脚した登録簿はおかしいっていうことにも気付かされる。
離婚・シングルマザー、複合家族、既に19世紀の家族観を持ち出しても何の意味もなく、その複雑性にどんどん分け入ってみよう(単純化するんじゃなく)という姿勢でフランス社会を見ています。
世帯主・依存関係にあるカップルから、心も体も自立していて、相手を受け入れる姿勢を強く持つこと、向き合い方の変化も綴ります。
とても興味深い内容になっています。
五月革命を1968年に成し遂げたフランス。
価値観の転換で、21世紀を生き抜いていくヒントに満ち溢れる良書です。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする