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なんか、凡庸ですけべな映画になっちゃったなーー。
詩史の夫が、妻と潤君との関係に気が付いて、プールの飛び込み台で、取っ組み合うなんて、原作にはなかった。
潤君の母親は、詩史との関係に責任さえ感じていた原作なのに、映画では、怒ってシャンペンを詩史の顔にぶっ掛けて、純白のドレスにもぶっかける。
映画向けに、ストーリーを際立たせるのも手法として理解するけれど、原作の味わいを消し去って、薄っぺらい火遊びの物語にしちゃったね。
原作の生きる微妙さ、人間関係の襞・細やかさが消し去られて、当代美男・美女だけを際立たせてしまった感じがします。
音楽と映像は綺麗なのに。
原作では、デンマークの歌手マリーフランクが出てくるけれど、映画では、詩史と潤がコンサートで聴いているのは、ラフマニノフのピアノコンチェルト2番。いかにもで、こういう場面で使われるとロマンチックの押し売りっていう感じがしちゃいます。
詩史からの電話のとき、潤の部屋に流れているのはマーラーの交響曲第9番第四楽章。この曲は、マーラーがベートーベンを尊敬し、影に怯えながら、死を予感して書いた最後の交響曲。静かに響く、このアダージョは第五番のアダージェットと並んで素晴らしい音楽です。
エロスと死は、相通じるということを表現したのかなー??
東京の映像は素晴らしかったです。