山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。
神社のある風景



随分と間が開いてしまったけれど、前回の久木神社の続きを。
何ヶ所か立ち寄ったので、それぞれ一つの記事にしたいところだが、あまりいい写真が撮れなかったので、まとめて雑多な写真として掲載することにする。



飛鳥神社
三重県尾鷲市曽根町


ここは以前にも掲載したことがある。
巨木が見事な神社で、尾鷲方面に行くことがあれば、ぜひとも立ち寄りたい場所だ。



丸石を使った見慣れないタイプの石垣。
左から伸びている楠は、ここからでは判らないが個性的な樹形で、この神社を印象深いものにしてくれる。



ここもすぐ隣が漁港で、手水鉢の周りに蟹がたくさんいたので、暫し戯れた。



室古神社
三重県熊野市二木島町


二木島湾を挟んで対岸に阿古師神社があって、以前そちらに参拝したときから気になっていた神社。
阿古師神社は徒歩でないと辿り着けないところで、海辺とはいえ木々も豊かであったが、こちらは車道が通じており、周囲の雰囲気も開放的。
ただし、車道は極めて狭く、軽自動車でないと厳しい。
途中の漁港にいたおじさんに、神社前に車が止められるか尋ねると、物凄く不愛想というか、素っ気ない態度で「止められへん」と答えが返ってきた。
南紀は親切で人懐っこい人が多いというようなことを何度か書いてきたが、こんなことは初めてで面食らう。



右手の林の奥に沼のようなものがあって、そこに十数頭の鹿が戯れていた。
地形図を見ると水田記号になっているが、放置されて沼地化したのだろう。



ここもすぐ目の前が海。
社殿はクリーム色で、阿古師神社と似た感じだった。



橋杭岩
和歌山県東牟婁郡串本町鬮野川 


尾鷲から熊野にかけて、もう少しウロチョロするつもりだったが、同行者のT君と、紀伊半島の西側に回って夕日を見ようということになる。
ここは言わずと知れた橋杭岩。



今まで何度も車でそばを走っているが、撮影するのは初めてだ。
所在地の地名、鬮野川の字は目を引く。
くじのかわと読むが、こんな字はとても書けない。
那智勝浦町には同じ読みで狗子ノ川という地名がある。
鬮は籤のことで、狗子は犬のことだろうから、関係は無いと思うけれど面白い。



方向的にあまり焼けないとは思っていたので、江須崎海岸へ向かう。
と言っても、時間的にかなり厳しい。



江須崎海岸
和歌山県西牟婁郡すさみ町江住


辛うじて空に赤みが残っている時間に到着。
だが、雲が広がり、夕焼けと言うには寂しい状態。



漁火が輝き出した。
夕焼けを目当てに、随分と遠回りしてここまで来たので満足とは言い難いが、やっぱり南紀の海はいいなと思えた。


撮影日 180809



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三重県尾鷲市九鬼町


九鬼に初めて訪れたのは高校生の時だったと思う。
今はもう走っていないけれど、新大阪を夜に発車して、早朝の新宮に到着する普通列車を利用した。
夜通し走り続ける普通列車というのは、ちょっと不思議な感覚で、車内は独特の雰囲気であったし、外の景色は見えなくとも、夜が明ければ日常から遠い風景が広がっていた。
当時の私は、珍しい植物を探すことに夢中になっており、天然記念物に指定されている久木神社樹叢を地図で見つけ、訪ねてみたのであるが、結局、私がいちばん見つけたかった植物には出逢えなかった。
それでも、漁港に泳ぐコバルトブルーの小魚、濃密な緑を描く暖地性の木々が印象に残った。
私は南紀が大好きだと何度か書いているけれど、思えば、初めて南紀の魅力に触れたのが、この九鬼であった。
目を見張るような風景があるわけでは無く、どこにでもありそうな漁港の風景なのだが、それ以降、私は何度か九鬼に訪れている。
今回は、五度目の九鬼だ。



久木神社前には漁港の駐車場があって、確か以前は参拝者用の駐車場所が一台分確保されていたのだが、今回は見当たらない。
仕方がないので集落の入り口付近まで戻って道の広くなっているところに駐車する。
海を覗き込めば変わらずにコバルトブルーの魚が群れているし、のんびり歩くのは楽しくある。



楽しくはある。が、暑い。
暑いが、夏だ! と思える青と緑。
駆け出しはしないけれど、内心では童心に返る。



つい右側の海ばかり見てしまうが、左を見れば趣のある路地があって心躍る。



アジの干物が製作中。



いつも思うが、海辺に育ったわけでもないのに、こういう風景を見て懐かしいような気持ちになるのは何故だろう?



人けは無いが、水揚げされる早朝には賑わうのだろうか。



久木神社の鳥居が見えてきた。



南紀の神社らしい雰囲気。



海が近くても緑は深い。



初めて訪れたときは、見慣れない樹相に心ときめいたが、大人になってからは若狭などの海辺の神社で、これと近い杜を見ているので、ああ、海辺の杜だ、と思う。
気象庁のアメダスの気温を見ていても判るが、日本海側であろうと太平洋側であろうと、暖流の影響は大きく、植生に強く反映されるのが見て取れる。



二の鳥居と、潜り抜ける形態の社務所らしき建物。



そこから拝殿を見る。



コントラストが強くて写真にはしにくいが、緑深くていい神社だと思う。



拝殿は比較的新しい。
初めて訪れたときの拝殿も、いつ新しくなったのかも思い出せないが、それほど違和感は無い。



本殿を囲う瑞垣は、丁寧な造りだ。



境内は海辺の割には苔生している。



これは、何だろう?



漁港と神社を堪能したが、九鬼ではもう一ヶ所、寄りたいところがある。



漁港から背後の山の方を見ると、やや高みにそれはある。
そこを目指して路地に入る。



階段を上りきると、明治7年に開校し、平成10年に廃校となった九鬼小学校の入り口だ。
いつだったか、漁港にいるとき、学校の方から子供達の声を聞いた気がするが、それが20年以上も前のこととは信じ難い思いだ。
車道が通じていない稀有な学校でもあった。



校舎内は立ち入り禁止だが、校庭は開放されているようである。



木造校舎はペンキが塗られているし、窓枠はアルミサッシなので、やや趣に欠けるけれど、とても素敵なところだ。



校舎入り口の横には創立百周年の石碑が立っている。
校舎右の斜面には桜の木が幾つかあって、春にはさぞ美しいだろうと思う。



校庭から漁港方面を見る。
大海原が望めるわけではないが、愛おしくなる風景だ。


撮影日時 180809 12時30分~13時20分
地図



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三重県熊野市紀和町丸山

七里御浜では青空も顔を出したが、これから向かう方向は、どんよりと曇っている。
海辺にずっといたい気もしたけれど、しっかりとした予定の無い行程とは言え、丸山千枚田は最後に絶対寄る、と決めていたので山に向かって車を走らせる。
幸い、山間部に入っても雨は降っておらず、空は意外と明るいままだ。
国道311号線から外れて狭い道を進むと丸山千枚田を見下ろす場所に出るが、まずはもっと近くからと思い、道を下っていく。
途中、棚田の中ほどにある駐車場は先客があったので素通りし、最も低い場所にある駐車場に車を入れる。
どの駐車場所も数台分しかスペースが無くて、ここも既に2台の車があったが、この先に駐車場は無さそうだし棚田からも離れていくようなので仕方がない。



丸山千枚田は実際に千枚以上の棚田があるらしいが、低いこの位置からではそれほどの規模は窺えない。
ただ、大石と呼ばれるおむすび型の巨岩が魅力的で、昔ながらの田園風景の眺めを、更に遥か遠い太古への夢想へと駆り立てさせる。



その大石のそばに行ってみる。
雨除けの農機具置き場になっているのが何とも素朴で、いいなぁ、と思う。



観光客は各駐車場に5、6人程度で、本格的なカメラマンは見当たらない。
平日だし、天気も悪いからで、普段はもう少し多いのかも知れない。



棚田の間を縫って下る小道を進む。
水鏡という言葉があるが、水の張られた棚田は光が水面に反射しないと映えない。
大石の辺りからは順光で棚田が周囲の色に溶け入ってしまったけれど、この辺りからなら、それなりに浮かび上がってくれそうだ。



自然の恵みと厳しさ、逞しい人の営み、そういったものを感じさせてくれる風景だ。



人の足跡の残る田圃。
自動化は出来ないし、維持管理は困難な環境。
ただ、多くの地域から協賛する人々がいて、この風景が保たれている。



青空と白い雲が映ればいいなぁ、とは思うけれど、贅沢は言えない。



特筆すべきは、棚田を構築しているのが自然石を積み上げた石垣であることで、最近では随分と減ってしまった風景だ。
そしてそれを、サツキの花が彩る。
ここで撮影していると、斜面の上から「反射してますかぁ?」という声が聞こえた。
一瞬、何のことかと思ったが、すぐに水面のことだと理解して、「はいー!」と答える。
すると、一眼レフを抱えた初老の男性が現れて、私の後ろで撮影を始められた。
確か、駐車場で隣に駐車していた車に乗っていた方で、熊谷ナンバーだったはず。
埼玉県から来られているのは凄いなぁ、と思う。
ここで見かけた方は、皆さん光の向きなど気にせずにスマホでパシャパシャ撮られていたが、この方はいい光が来るのを待っていたようだ。



と、それに呼応するように、雲が切れて日が差し込んできた。



手前の棚田ではなく、向こうにある杉の木をスポットライトのように照らしてくれたら、と思わないでも無かったが、それでも辺りが華やいで、心が昂るのを感じる。



似たような構図ばかりで恐縮だけれど…。



それでも、思うような写真は撮れなかったけれど、美しいと思う光景に出逢えた。



こういう小道が好きなのに、その情緒というか、いいなぁと思わせる何かを写し撮れない。



日が傾いてきた。



ここは夕暮れ時の、朱に染まった棚田の風景が有名なのだが、今日の天気では見られそうにない。



丸山千枚田の文字、観光客が記念に撮るにはいいのかも知れないが、純粋に風景を撮りたい者としてはちょっと邪魔かなぁ…。



ササユリ? 私が知るササユリはもっと白に近い淡いピンクなので確信が持てない。
そういえば名張に住んでいた頃、近所の田圃の畔に、当たり前のようにリンドウが咲いていた。
こういった植物が、当たり前のように水田を彩るのは嬉しい光景だ。



先程のおじさんが再び話しかけてこられた。
気儘な年金暮らしで、埼玉から車中泊をしながらあちこち立ち寄ってここまで来た、とのこと。
車中泊は決して楽ではないし、お歳の割に凄い情熱だと思ったが、羨ましくもある。



駐車場の近くに休憩所とトイレがある。
休憩所には記帳ノートがあったのでパラパラと捲ってみると、あらゆる地域から人々が訪ねて来ていることが判る。
外国の方の書き込みも幾つか。
何語か判らないものもあったが、この風景が良い思い出になってくれたなら嬉しいと思う。

雲は多く、夕焼けは望めないけれど、綺麗な空だと思って写真を撮った。


撮影日時 180529 16時50分~18時30分 
地図



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三重県熊野市


飛鳥神社からは熊野市街方面に向かう。
天気は曇りのままで海の色は冴えないけれど、ついでだから鬼ヶ城に寄ることにする。
鬼ヶ城は海岸の景勝地で、浸食された岩が、独特の奇妙な景観を作り上げている。
まずは遅くなってしまった昼食を摂る。
観光客の多いところだから味は期待していなかったが、鯛と鮪の海鮮丼は悪くなかった。



よく整備された遊歩道を進めば、こんな風に頭上を覆う奇岩が次々に現れる。
面白いところだが、観光客が多くて人が写らないタイミングに苦労するし、何よりここは青空と青い海でないと映えない。


岩壁に見える手摺を目で追えば、なかなかスリリングなところで楽しそうだが、こんな天気だし、この後に寄りたいところもあるので先に進むのはやめておく。



天気や時間によっては、異世界風の写真が撮れそうなところではある。

国道42号線を南下。
左手には防風林がずっと続く。
暖地らしい濃密な緑の防風林で、海辺に多い松林ではなく、楠などの常緑広葉樹を主体とした森だ。
明るく開けた国道から見ると、鬱蒼とした密林に見える。
一時期、南紀に足繁く通ったことがあって、この道は50回以上は走っている。
その度、ちょっと車を止めてこの防風林の中を散策してみたいなぁ、と思ったのに一度も実行せず、七里御浜についても同じで一度も浜辺に立ったことがない。
というわけで、この機会にちょっと立ち寄ることにする。



防風林を抜け、まずは浜辺へ。
遠目から見ると砂浜に見えるけれど、近付いてみれば、砂礫、というか殆ど小石ばかりの浜だ。
泳いでいる人を見かけたことが無かったので、恐らく波が高く水深も深いのだろうと思っていたが案の定で、遊泳禁止と書かれているし、風もあまり吹いてないのに波は豪快に打ち寄せる。
波打ち際は急傾斜で、その右側は、やや平坦になっているが、時々来る大きな波が、その平坦なところまで舌を伸ばしてくる。
飛沫が霧状になって浜を白く霞ませている。



どんよりとした曇り空で海は鉛色だが、うねる波に、時おりドキッとするような青さが現れる。
そう言えば、ここからそう遠くない楯ヶ崎に行ったときも、同じように、波の中の青さにドキッとした記憶がある。



急傾斜の手前のところに座り、ずっと波を見続ける。
波が打ち寄せる時には豪快な水音だが、返す時には玉砂利がシャラシャラと独特の音を立てる。
何故かそれが心地よく聞こえる。
「なんぼでも見てられるな」
T君にそう言うと、彼は黙って頷く。
焚火の炎を見ているときと、どこか似ている感覚だ。
ひと時として同じ形を保たず動き続ける、というところが、共通しているのかも知れない。



空がやや明るくなって、雲に表情が出てきた。






いつしか青空も顔を出して、清々しい空気になる。
私としては珍しく爽やかな写真になったので、お気に入りの一枚。
右側の雲の表情は、不穏なものにも見えるけど…。



防風林が目当てだったのに海がメインになってしまったが、少しだけ林内も歩く。
外から見れば暗い密林のようであったのに、中を歩けばそうでもない。
ちょっと物足りない気もする。
ただ、この森は海沿いに何キロも続いているし、場所によってはもっと深い木々のところもあるだろう。
霧が出たりすれば別世界になりそうだし、朝の表情も見てみたい。
何より、家々のすぐ近くにあって、こんなところを毎日散歩出来たらいいなぁと思う。
南紀は海も山も豊かだが、平地や家並みのそばにも、心惹かれる豊かさがある。


先日、PCが壊れたことを書いたが、その日の昼前にネットで新たなPCを注文すると、翌日の昼過ぎには届いた。
別にお急ぎ便や日付指定などはしてないが、今回に限らずネットで買い物をすれば、大抵は翌日に届く。
便利で有難いとは思うものの、この便利さは、どこかに皺寄せというか、無理を強いている部分があるようで、ちょっと行き過ぎの感がある。
急ぎの場合は割高な配送料、そうでない場合は三四日後の配達くらいでいいのではなかろうか。


撮影日時 180529 15時30分~16時15分



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落下物でパソコンが壊れてしまいました…。

スマホから投稿しています。

皆さん御無事でしょうか?

被害が拡大しませんよう祈ります。

余震等にお気をつけください。

 

阪神大震災のことを思い出しました。

胃がキューっとなって、胃酸が込み上げてきました。

被害は無くとも、トラウマのようになっている人は沢山いらっしゃると思います。

どうか警戒の上、ご自愛下さい。



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