兵庫県美方郡香美町小代区鍛治屋
但馬へ行くからには滝や渓谷にも寄りたいと思っていたのだが、ちょっと神社巡りが楽しくて、前回の小代神社の撮影を終えた時点で15時半になってしまった。
これでは奥深い場所に行く時間はないし、小代神社から近くて手軽に行けて、それでいて良さそうな場所、ということで吉滝に行ってみることにした。
吉滝キャンプ場の案内板を目印に道を進む。
途中、棚田もあったがカメラマンがいたので素通りし、キャンプ場も過ぎてから右折して林道に入る。
狭い道かと心配していたが、難なく峠に到着。しかし、そこから先は通行止めになっていた。
駐車場はまだ先のようだが、広い場所なのでそこに駐車して歩き出す。
落石のため通行止め、ということであったけれど、それらしき場所も見当たらないまま本来の駐車場の横を通り過ぎる。
木々が深くなってきて、右下に流れが近づいてくる。
ヤマアジサイなどを見ながら、思っていた以上に豊かな森の雰囲気に足取りも軽くなる。
といっても、ここは手軽に来られるものの、改めて地形図を見て、峠越えではなく下流から遡るように視線を運べば、かなり奥深い山中に感じられる筈だ。
橋を渡る。
上流側を見てドキッとする。あ、これは熊の棲む森だ、と感じられる。
吉滝はこの流れにではなく、対岸に注ぎ込む支流に懸かっている。
私は一直線に落ちる滝はあまり好きではないのだが、この滝はただ一直線に落ちるだけではない。
写真を見れば判るように、滝の奥に神社がある。
いわゆる裏見の滝と呼ばれるもので、兵庫では珍しいものだ。
滝の奥にあるのは善滝神社であるが、事前にネットで見たものと違い、建物が新しくなっているようだ。
下段の滝はオマケのようではあるけれど、これはこれで表情のある滝だと思うので、いろんな顔を撮ってみようと思う。
岩肌の質感や、苔に滴る水など、楽しませてもらう。
さて、メインである上段を。
最近仲良くなった人に、「神社の魅力って一言で言うと何?」と訊かれたので、「自然と人間との接点、あるいは融合する場所」と答えたら、「なるほど、なんか凄い納得した」と言ってもらえた。
ここも、そういった形容が当て嵌まるだろうか。
アンダーで。
実際には、これより少し暗い程度。
少し横に移動すると、滝が岩壁から大きく離れて落下しているのが判る。
滝の下へは左側から入っていける。
光を浴びる緑も、岩陰の緑も美しい。
滝の裏にある善滝神社。
洞窟状の空間はかなり広い。
滝と左岸にある祠。
滝の右側にも行ってみる。
夕方と言っていい時間帯なので高速シャッターが使えないのが残念だが、ここの神秘性としっとり感はスローシャッターの方がいいかもしれない。
それはそうと、時々、思い出したように口笛を吹いたりする。
ひと気は全く無いし、夕暮れ時が近づいてきたし、森の雰囲気からも熊が出そうに思えて警戒してしまう。
最後は真裏から。
滝壺は無く、豪雨のように岩を叩き付けて飛沫を上げる。
滝の向こうに狛犬。
滝の向こうに森の緑。
最近は神社の記事が続いていたけれど(神社ブログなのでそれが本来の形なのだが)、久しぶりに滝が撮影できて楽しかった。
駐車場所まで戻り、一眠りしてから帰ることにする。
深夜の1時に出発。
何となく出るのではないか、と思いながら運転していると、二頭の仔熊が車の前を横切っていった。
ビックリしたけれど、こちらは車なので恐怖心は無い。
寧ろその臆病な様子に可愛らしいとさえ思えたが、果たして親熊がいたらそう思えたかどうか判らない。
というか、きっと近くにいたであろうから、もし徒歩のときに出逢っていたらと思うとゾッとする。
熊を見たのは初めてで、森が豊かな証拠でもあるだろうけど、遭遇するのはこれが最初で最後であってほしい・・・。
撮影日時 20130627 16時30分~18時
地形図
道路地図
駐車場 あり