神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

飛鳥神社

2009年10月13日 | 三重県
三重県尾鷲市曽根町


海辺の神社へは、あまり行くことがない。
海に近い神社なら過去にも取り上げたことがあるが、ここはまさに海縁である。
杜には巨木が多く、港へと張り出した枝の葉が、時には海水に浸かっていたりするくらいで、海と木の両方を堪能できる場所だ。
これだけ海に近くて、よくぞここまで杜が豊かになったものだと思わせられるし、木々の根が海水の影響を受けないのかと心配になってくる。

ここは数年前に、歳の離れた当時高校生の従兄弟と訪れたことがある。
大人と対等に会話の出来る子ではあったが、神社に興味を持っているわけではないし、ただ神社に連れて行っただけでは退屈するだろうと思い、巨木のある神社を選んでいくつか周った。
そのうちの一つがここで、その時は木々を中心に見て周ったのだが、長らく海の写真を撮っていないので、今回は海を目的に訪ねてみた。
そのため、ちょっと神社の扱いが小さいです。


夜明け前に神社前に到着。ちょっと早すぎたので、朝焼けの海を見渡せそうな場所を探すことにした。



神社から、国道を進んでトンネルを二つ抜けた辺りで撮影。
正直、朝焼けや夕焼けの写真は好きではない。
例えば、参道で写真を撮る場合、入り口方向の鳥居を撮る人もいれば、奥の拝殿を撮る人、横に聳える木を撮る人、足許の草花を撮る人と、それぞれの人が、それぞれの好みや感性で写真を撮ると思うが、朝焼けや夕焼けとなると、ほぼ全ての人が同じ方向を向き、似たような構図で写真を撮るので、面白味が無いと感じる。
ただ、実際に綺麗な空を見ていると、やっぱり心奪われて、夢中になって撮ってしまうのだけど・・・。
本当は日の出までいたかったのだが、太陽が出てしまうと神社の写真が撮りにくいので戻ることにする。





神社横の漁港。
一枚目は、私の写真には珍しく人物が写っている。



背後は民家、鳥居奥には巨木、右手には輝く海が見える。



参道と社殿は、社域の海側に偏っている。この神社最大の木は、海とは反対側にあるので、木々をもっと見たい人は、社域をぐるりと一周した方が良い。
私は今回は割愛。



鳥居の右手の空間には、ベンチなどがあって憩える場所。
陽射しの強い日中など、大木の陰から海を眺めるのは気持ち良さそうではあるが、けっこう蚊が多い。



右はスギ、左はクスノキの巨木。



参道の左手に石垣が現れ、門をくぐる。



この門をくぐったところで、異様な姿のクスノキが出迎えてくれる。
何となく動物を思わせ、人が見ていなければ動き出しそうな印象。







何となく、語りかければ返事をしてくれそうな気もする。



拝殿は簡素だ。



本殿。


さて、あとは朝の港の風景を撮ることにする。


左手が社叢で、社務所の裏側が見えている。





船のエンジン音があちこちで響き、朝の活気が伝わってくる。



やっと右手から太陽が顔を出した。
深い湾内にあるので、波は無く海面は穏やか。
海中を覗き込むと、ウニやらコバルトブルーの魚やらがいて、それだけで楽しい。



朝陽を浴びる漁港の家々。


2万5千分1地形図 賀田
撮影日時 090910 5時~6時20分

駐車場 神社前の駐車場は契約駐車場のようだ。神社の少し南側で道が広くなっているのでそこに駐車。
地図