ひぐらし農園のその日暮らし

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山を動かせないか

2014-02-27 19:21:00 | その日暮らし
奥会津・三島町で「きこりと語る・五十嵐馨×岩淵良太(弟子)」というトークイベントに参加してきました。

三島町は只見川沿いに広がる林業が中心の町。特に桐の栽培と加工を始め、地域の自然素材を活かした工芸が盛んなところ。6月に行われる工人まつりには全国からたくさんの人が集まります。(ぼくはその頃は田植えと田の草取りのピークで行ったことは残念ながらありません)

そんな山の町でも、大径木を切らせたら右に出るものがいないと言われるきこり・五十嵐馨氏とその弟子・Iターンの岩淵君の対談。

大径木を切っている記録映像を見ると、急峻な谷に生えた樹齢百数十年の栃の大木を、木を傷めないために、根元からではなく、チェーンソーを担いだまま幹の上まで登り、上部から切り倒す様子が映されていました。長尺のチェーンソーを足場の安定しない状態で、倒す方向を見極めながら切り倒していく姿は当然危険なのでしょうが、それを感じさせない安定感。その姿から「宙氏(そらし)」とテレビで紹介されたこともあるそうです。(五十嵐さんご本人は「宙氏」と呼ばれるのは好きではないらしい。)


いずれ朽ち果ててしまう寿命の近い大径木を切り出し、貴重な材として有効に使うこと。
そしてあらゆる木を健全な状態になるよう管理するのがきこりの仕事。人工林は人が使うためのもの。計画的に手入れをしていく。
きこりが仕事ができる環境を創ること=木を使ってもらうことで山が生きてくる。
今はあまりにも山を活かしていない。

さて今回のイベントの目的は何か。それは山を動かしたいということでした。
その呼び水として、まずは真のプロフェッショナルである人の生き様を知ってもらう。
職人の存在感はつねに周囲に刺激を与えます。まさに今回はそんな人の話を聞くことで、皆で山のこと、木のこと、暮らしのことを考える、そういうきっかけをつくるよいイベントでした。


堂本暁子さんの講演会に行ってきました

2014-02-27 06:31:00 | その日暮らし
会津若松市で「男女協働参画宣言都市のつどい」があり、そのゲストとして前千葉県知事の堂本暁子さんが来会されるとのことで、参加してきました。

堂本さんは前千葉県知事で、現在は男女共同参画と災害・復興ネットワーク代表を務めています。ボクの1月の喜多方市長選挙立候補にあたり、たいへん厚いご支援、アドバイスを頂きましたが、今回は会津にお越しになるので、ご挨拶も兼ねてお伺いしました。

会の趣旨から堂本さんの講演内容は、会津で活躍した女性の話から東日本大震災と女性の社会参画についてが中心でした。

その中で印象に残った話を一つ。
3.11後避難所を訪れた時に、女性の視点を欠いた運営が行われていた避難所が多かったそうです。確かに映像で見たほとんどの避難所には仕切がなく、プライベートを無視した構造だった。ちなみに避難所の運営は男性中心で、この点を堂本さんが指摘すると、仕切ると目が行き届かなくなると言われたそうです。
また避難所の食事提供の係はなかば強制的に女性にあてがわれるということがあちらこちらで見られたとのこと。大人数の賄いはいくら家事になれている女性でも大変で、一方で拘束の少ない男性は自宅の様子を自由に見に行けたなどの差が生じていたそうです。
この例を見ても判るように、防災に対する備えに男女共同という視点が極めて欠けているということ。実際に各自治体にある防災会議の構成メンバーを見ると極端に女性が少ない傾向がある。これは災害対策基本法に欠陥があったこと(防災会議メンバーがアテ職のため必然的に男性が多くなる)もある。
復興基本法で男女共同参画の項目も盛り込まれ改善の兆しがある。2012年6月災害対策基本法も改正されたそうです。

さて喜多方市の防災会議はどうなっているのでしょうか。
メンバーについては問合せしてみないと判りません。
ちなみに地域防災計画の策定は平成19年11月に行われていますが、その後HPを見る限り改正等はされていないようです。震災後防災に対する状況は大きく変わっていますから、早い改正を期待したいところです。