ひぐらし農園のその日暮らし

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1月22日・福島の農業再生に向けた技術検討会議

2012-01-21 00:00:00 | お知らせ
福島県有機農業ネットワークでは福島県の農業総合センターの協力で下記の通り技術検討会を開催します。ぜひ多くの方の参加をお待ちしております。

~放射能汚染の実態と今後の作付に向けて~

日時 2012年1月22日(日)13:30~16:30
場所 福島県農業総合センター 多目的ホール

開催趣旨
3・11大震災、原発事故の影響により、農地、山林、海洋がことごとく放射能によって汚染された。これと向き合い、県内の農家はこれまでの経験を生かして農地を耕し、農作物への移行を低減する取り組みを実践してきた。この経験を持ち寄り、福島県、日本有機農業学会、有識者をはじめ多くの実践農家とともに検証・検討し、福島の農業再生に向けた会議を開催する。これにより平成24年春には希望の種を蒔きたい。

開催内容
(1) 検証報告1 
   放射性物質対策についての試験研究成果
   講師:福島県農業総合センター生産環境部 吉岡邦雄部長
   時間:13:35~14:05(質疑応答を含む)
(2) 検証報告2 
   二本松市(ゆうきの里東和)復興プログラムで見えてきた技術検討
   講師:新潟大学農学部 野中昌法教授
(3) 集団討論・まとめ
   司会:茨城大学農学部 中島紀一教授

詳細のお問い合わせ先は
福島県有機農業ネットワーク事務所
〒964-0991
福島県二本松市中町376-1
℡.0243‐24‐1795 Fax.0243-24-1796
mail:yuukiあっとまーっくfarm-n.jp


福島・大波地区の除染の効果は?

2012-01-13 03:00:00 | ノンジャンル
暫定基準値を超えるお米が出てしまった福島市大波地区に住む方からちらっと聞いた除染の状況について。

原子力安全委員会は事故発生後1年間の積算線量が20mSvを超えると推定される特定の地点を「特定避難勧奨地点」に設定すると言っています。これはある地区丸ごと避難させるということでなく、放射線量が高い地区の中の特にホットスポット付近に住む家をピンポイントで避難させるというものです。大波地区は約300戸の集落だそうですが、これに該当する家・場所があるかどうか以前から調査されていました。

で、福島市および大波地区住民が選択したのが避難勧奨地点に指定されることではなく、地区丸ごと除染というものです。さてこの真相はいかに。

地区を除染するにあたり、多くの建設会社がその作業を市から委託されています。いわば新しい公共事業のようなもの。でも結果的に除染した効果があればよいのです。除染とは主に屋根を高圧洗浄機で洗い流す。家周辺の表土を剥ぐなど。

知り合い宅は室内の空間線量が現在0.6マイクロシーベルトほどあった。除染後は0.5マイクロシーベルト。約10%減程度の効果しかなかったそうです。そしてそのためにかかった費用は170万ほど。(個人負担ではない)効果が少ない理由は大波地区は里山地域のため、家を除染しても、周囲の影響を受けやすいためではないかということです。

地区を丸ごと除染する上で、もっとも問題になるのは剥いだ表土などの仮置き場の設置についてです。大波地区はその点についてかなり早く仮置き場を決めたらしい。しかしその決定の過程が不透明だという指摘もあります。

除染ボランティアということで、この地区にもかなりの数の方が外部からお手伝いに来られているそうです。深刻な状況を何とかしたいという気持ちは大切ですが、相手が放射能となると万全な準備と対策が必要かと思います。線量の高い地区での除染にボランティアはいかがなものかと思うのですが。

一つ尾根を挟んだすぐ隣の伊達市小国地区では特定避難勧奨地点に指定されているのに、なぜ大波は指定を拒み除染にこだわるのか。そこには福島市が県庁所在地であり、そこから避難区域を出すわけにはいかないという変な意図が見えてくるような・・・。



新年を迎えて

2012-01-07 19:36:00 | その日暮らし
あの時からも時間は粛々と流れていきます。会津の野山はあの時から何も変わっていないように見えます。川の流れも、漂う空気も美しく澄みきったままです。でも目に見えないものがあの時に降って、全ては変わってしまった。その現実は私たちに絶望をもたらしました。怒りをもたらしました。疑念や不信をもたらしました。でもいくら嘆いても怒っても、森は川は大地はもとには戻りません。もとに戻すことができるのはおそらく時間だけです。

こんな重苦しい時間の中で自分のできることは何なのか。それを必死に模索した一年でした。でもこれほど自分と、家族と、仲間たちと、そして自然と真剣に向き合った時間はかつてなかったのも事実です。

新しい年になりました。いま新年に何を期待したらよいでしょうか。何に希望を持てばよいのでしょうか。復興という言葉があちこちから聞こえます。しかし人の手だけでもとの自然、もとの暮らしを取り戻すことは容易ではありません。むしろ私たちができるのはもとに戻るのではなく、前に進むこと、新しいものを作り上げることだけです。それが真の復興であると思います。でもそこには最先端の科学技術、経済的豊かさ、あふれんばかりの情報なんていらないと思うのです。

答えはすでにあの時体験した苦悩の時の中に見つかりつつあります。それは自分と、家族と、仲間たちと、そして自然と真摯に向き合い続けるということです。人と人、人と自然との関係をもう一度見つめなおすこと。その中に希望がある、復興があると感じています。決して特別なことではありませんでした。そしてそんなごく当たり前なことができる環境に恵まれていたことに気付かされ、ただ感謝するのみです。

一つだけ、気に留めておかなければならないことがあります。それは時間は人の記憶を風化させてしまうということです。今年もごく普通に、穏やかに生きていこうと思いますが、あの時のことだけは風化させまい。あの時まで積み上げてきてしまった私たちの過ちを風化させてはいけません。

そのためにひぐらし農園は今年も様々な情報を発信していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。