ひぐらし農園のその日暮らし

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農業の労働基準法からの適用除外っぷりがすごい

2014-06-26 04:50:00 | 独り言
何か、ネットでよく見るようなタイトルになっていますが・・・。

今年国の「農の雇用事業」という制度を利用して、ひぐらし農園をお手伝いしてくれる若者が一名おります。
先日事業を受けている農家向けの研修会があり出席。その時に聞いた、農業の労働基準法からの適用除外っぷりが面白かった(ひどかった?)のでここに記します。

まずは労働基準法とは労働者の保護を目的とした法律であり、「労働条件の最低基準」を定めたもの。そう最低基準です。それなのに農業は適用除外を連発!

・割増賃金
普通法定労働時間を超えて労働させた場合には割増賃金の支払いが義務付けされています。
例えば時間外労働や深夜労働は25%増し、休日労働は35%増し、時間外+深夜労働は50%増しなど。
ところが農業においては適用除外。超過した場合その労働時間分は支払われますが割増はなし。

・法定労働時間
労基法では、法定労働時間を①休憩時間を除き一週間について40時間を超えてはいけない。
②一日について8時間を超えてはいけない。とあります。
ところが農業においては適用除外。その理由として①天候に左右される。②労働の性質からそもそも規制になじまない。③天候の悪い日、農閑期など適宜休めるからだそうです。

・休憩
労基法では労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければいけない。
これも農業は適用除外。理由は休憩を与えなくても農業従事者は何時でも自由に休憩がとれるためとか。

・休日
労基法では毎週少なくとも一回の休日を与えなければならない。
でも農業ではこれも適用除外。

・年少者等
労基法では年少者(18歳未満)には原則として時間外労働と休日労働をさせてはならない。
でも農業では適用除外。

農業の労働条件、おそるべし。

森林除染の話・金子先生の方法

2014-06-25 04:51:00 | 放射能の話
横浜国大・金子博信先生が会津に所用があって来られているということで、急遽6月21日に茶房千にて、二本松市東和地区で行った森林除染の実証研究についてお話をしてもらいました。


まずは森林除染の現状ですが、現在国は汚染地の全面除染は考えておらず、当面は住宅地に隣接している森林20mを除染対象としています。その方法は立ち木は伐採せずに、地面の落ち葉や枝を取り除くというものです。

環境省はこれにより除染の効果は、汚染度が高いところ(空間線量一㍉シーベルト/時間)で最大31%としています。しかし住民の実感としては、直後は空間線量が下がるものの、すばらくするともとに戻ってしまい、効果は薄いと感じているようです。
(これは住宅除染も同じようです)また集めた表土や落ち葉の保管に膨大な場所を必要とするのも問題です。


そこで金子先生が提唱しているのが立ち木をチップ化し、それをネットに入れて山林の表土に敷き詰めるという方法です。

敷き詰められたチップと表土との間に菌糸=カビを発生させ、この菌糸で放射能を除去しようということです。キノコがセシウムを取り込みやすいことは広く知られていますが、それを人工的に広範囲に行うことを狙っています。


この方法による除染効果は空間線量が伐採により19%低下、チップ敷設により17~37%低下<遮蔽効果)、チップに吸収されるセシウムは試算値で土壌セシウム量の約7%だそうです。
これは表土剥ぎ取りなどと比べれば効率的とは言えないそうですが、この方法のポイントは、地域にとって大切な「里山」の再生につながるということ。


さらにここからこの方法の真骨頂なのですが、吸着したチップを回収し、小型のチップボイラーを家庭に導入しこれをバイオマス燃料として熱源にしようと提案しています。

つまり広がってしまったセシウムを表土という膨大な量で集めて保管場所を探すのではなく、菌糸の力を使ってチップで集め、それを燃やして濃縮して集めていこうということです。その過程に里山の利用と再生(伐採→生活利用→萌芽再生)が含まれるのです。


問題点はセシウムが濃縮した灰の処理でしょうか。
しかし灰の最終処分までを含めた一貫した仕組みを国や県がつくり上げられれば、この方法は単に表土を剥ぐよりもはるかに有効的だと思いました。(ちょうど会津の山をどう動かしていくかも考えていたところですし。)

もう一つは伐採した木を現場でそうやってチップ化するかということ。今里山が積極的に利用されなくなって数十年が経ち、立ち木は巨木化しています。直径が20センチを超えた木をチップにするには相当大きなチッパーが必要で、まして傾斜地に移動できる機械はそうはありません。


ちなみに県や国は、除染とはセシウム除去が効率的(一説によると90%以上)でないと除染と認めず、金子先生がこの方法を提案しても全く興味を示さなかったそうです。

百姓市始まります

2014-06-13 06:29:00 | お知らせ
今年も6月29日(日)から百姓市が始まります。オープニングイベントとしてお好み焼きのお振舞い。ディジュリドゥのライブ。さらに「Happy」会津バージョンの撮影もあります。(映りたい方、派手な格好でどうぞ)
今年は毎月最後の日曜日は特別企画を予定しています。お楽しみに!!


めざせ!会津でWOOD JOB!

2014-06-10 05:42:00 | その日暮らし
会津自然エネルギー機構が主催の「森学校」に参加してきました。

会津三島町で林業に関わっているの五十嵐馨さん、諏訪幸彦さん、岩渕亮太さんが講師となって、チェーンソーの使い方研修。
日頃薪作りに使うことはあっても、本格的に学んだわけでもなく、まして立ち木を切り倒すなんて全くの我流。プロの仕事を学ぶには絶好の機会です。本当は農繁期なのですが、このチャンスを逃す訳にはいかないなんて言い聞かせながら。
参加者は20名位でしょうか。

まずは座学。チェーンソーの使い方を学ぶことが今回の講義の第一目的なわけですが、これは午後の実践に譲るとして、殆どは森を創るとはどういうことか。という話になりました。


企画した五十嵐さんらが目指すのは、この広大な森・山をもっと有効利用した仕組みをつくりたいということです。林業がもうからない仕事となってから久しい。会津の山間部は、バイオマスとしての資源は豊富にあるのですが、これらを活かす仕組みが全くない。これを活かすことができるようになる、つまり資源をしっかりとお金にし、それが地域を循環すれば、仕事がない、人がいないと言われる会津の山間部がよみがえるというのです。

例えば植林された杉の場合、雪国で成長の遅い杉を太くて立派な木に育てるには、80~150年の時間が必要となります。林業で生計を立てるということは、簡単に言えば、植えてから切り出すまで間伐や下草刈り、枝打ちなどの仕事があるわけですが、この長い期間どうやって収入を得るかということになります。

かつては間伐材は稲を干すハザ用として、薪としてなど様々な用途がありました。しかし今間伐材は商品価値を失い、切り倒してもそのままです。間伐を進めるために、行政は森林組合に補助金を出しているようですが、補助金を得るための仕事となっており、森を育てるという視点が欠けているという指摘がありました。



午後は実際に木を切り倒す実技。参加者のほとんどはマイチェーンソーを持参する人たち。しかもスチールやゼノアばかり。みんな本気だなあ・・・。
実技は間伐の練習。木の重心を見て、あえてその方向ではなく、違う方向に倒します。現場では実際にこうしたことが必要なわけですね。受け口をつけ、追い口にくさびを入れて倒すのですが、木は決してまっすぐ立っているわけではなく、まして周囲には邪魔になる木が並んでいる。そんな中狙った方向に倒すにはいろんな技があるのです。その一端をベテラン二人が見せてくれました。
う~ん、面白い。

今ちゃんと間伐をし、手を入れておけば絶対に将来につながる。高齢化が進み、地主が出来ないのなら、誰かがやってあげる仕組みをつくれれば、会津の山は生きます。大切な視点は山を活かすということ。その糸口としてはやはりバイオマスとして間伐材や雑木がお金になる仕組みをつくることでしょうね。しかも大規模な林業ではなく、小さな林業。何とかならんのかなあ・・。