ひぐらし農園のその日暮らし

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10トンのじゃがいもの行き先は?

2017-08-31 07:58:00 | ノンジャンル
喜多方の若手大規模農業経営者から聞いた話です。

昨年北海道で大雨のためじゃがいもが不作になりカルビーのポテトチップスが販売を自粛した事は記憶に新しいところです。

ある会合で喜多方市長がカルビーが新なる産地を探していることを聞きつけ、では我が市がと手を挙げたそうです。
そこで市内の若手後継者に白羽の矢が立ち、8月に10トンのジャガイモが収穫されたのですが、いざカルビーに買い取ってもらおうとしたところ、澱粉質が足りないと言うことで買取りを拒否されたとのこと。

後継者曰く、カルビーによれば夏が暑い本州では規格通りの澱粉質を確保するには、4月10日以前に植え付けをしなければならないそうで、そもそも雪国喜多方ではムリがあるとのこと。
ちなみにカルビーは収穫後3日以内に加工することを売りにしており、さらに極力土もつけないことを要求されるため、収穫時期が極めて限定されるそうです。

「日本で最も美しい村」連合の活動などで良いイメージを持たれているカルビーですが、意外な一面を見ることができました。

さて問題はこの10トンのじゃがいもの引取先です。学校給食は既に契約農家がいるので無理とのこと。何よりも栽培者が言うには、普通の栽培よりも農薬使用量がべらぼうに多く、他の用途にするには気が引けると言うことでした。
市から補助金が出ているので大赤字にはならないそうですが。さらに懲りずに来年も予算をつけるとのこと。もう来年は誰もやらないのにね〜、とは農家談。

しかし引取り先は農家が探さなければならないんだべか? ねえ、市長さん。

ちなみにじゃがいも収穫機は相馬市のJA倉庫に眠っていたものを購入。震災以前は相馬もカルビーと取引があったのですが、風評のため今は作っていないらしい。