8月3日から4日にかけての豪雨で大きなダメージを受けた本木上堰ですが、その後は少しずつ復旧に向けて歩んでいます。
まず直後に心配されていたお米の品質と収穫量ですが、お盆過ぎからは適度に雨が降ったことにより、問題なく収穫までたどり着くことができました。土砂の崩落などで一部収穫できなかったところはありましたが、全体的には平年並みとなったので、「上堰米」そして「上堰米のお酒」も変わりなく販売しております。
復旧については大きな被害箇所は土木業者にお願いするしかありませんが、小さな部分については自力で行わなければなりません。まず第一弾として11月6日に復旧ボランティアを募集したところ、首都圏を中心に20名を超える方が集まってくれました。再び越水の心配があった土手の補強や堰の底盤に堆積した土砂をさらう作業を行いました。この春には今年の作付けができるように仮設ポンプを使って早稲谷川から水を上げて、ダメージの少なく堰下流部に揚水する計画ですが、そのためにはまだまだ人力で修復しなければならない場所がたくさん残っています。引き続きボランティアの皆さんの力をお借りすることになります。
さてこうした地域外の方々と協働で堰を守っていく取組みについて、1月に山都中学校から当会にある提案がありました。山都町は喜多方市と合併してから人口は35%も減少(平成18年4131人⇒令和4年2701人)し高齢化率(65歳以上の人口比率)は48.5%となっています。山都町に生まれ育った子供たちは、残念ながら地元に残るよりも他地域に出てしまう方が圧倒的に多い。山都中学校はこの春の入学生は一桁しかおらず、全校生徒も30名強だそうです。そこで少しでも山都町の魅力を中学生のうちに体感してもらいたいし、町に魅力を感じて来てくれている堰さらいボランティアの方々の話をぜひ生徒に聞かせたいので協力してもらえないかとのことでした。そこで今年は4月にガイダンスを行い、5月の連休明けに生徒に堰さらいを体験してもらいます。本当は5月4日に一緒に参加してボランティアと交流もしてほしかったのですが、授業の一環なので休日は無理とのこと。6月末には水路全体の見学、7月にはボランティアの方数名に山都中学校に来てもらい講演会を行う予定となりました。相変わらず堰の存続には厳しい状況ですが、こうした教育機関と連携した取り組みにも積極的に関わっていきたいと思います。