ひぐらし農園のその日暮らし

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喜多方はサイクリストに魅力的な町になれるのか?

2018-01-27 17:29:00 | 独り言
喜多方はサイクリストに魅力的な町になれるのか?
学生の頃、九州や四国、東北など輪行しながら旅した身としても、サイクリングのまちづくりには興味があります。
で、専門家の目には喜多方がどんな風に写るのかなとお話しを聞きに。

しかし中身は、まず日本の高齢化問題から始まり、いかに日本が車優先社会で、人や子ども、障がい者に優しくない、もちろん自転車にも優しくないまちづくりをしてきたかを多角的にひたすらお話しされ続け、それでほぼ時間切れ(笑)

例えば
・高齢ドライバーによる事故が増加しているが、これは車がないと暮らせない社会が最大の原因。
・道路交通法で自転車の並走禁止、徐行の規定などのために、逆に自転車の安全や利便性の確保が困難になっている。
・人口密集地での道路では速度規制を海外並みに30キロにすべき(ゾーン30)
・歩道と車道の間に柵を作ることでむしろ歩行者の交通事故が増える原因になっている。
・点字ブロックは障がい者の自由をむしろ奪ってはいないか?
・荷物や子どもをたくさん載せられる三輪自転車を普及したら?
・自転車を列車に持ち込めないのは日本くらい。歳をとったらあんな重い輪行するか?サイクルトレインでは不十分。

そして最後にちょっとだけ先進事例としてしまなみ街道の紹介。

いや〜、想定外でしたが、とても勉強になりました。

今の道路交通法では車が優先のため、自転車の扱いは極めて中途半端で、安全性も公共性も利便性も享受できていない。

そこで国は議員立法で昨年5月に自転車活用推進法を施行したそうです。
http://www.mlit.go.jp/road/bicycleuse/pdf/about.pdf
成立過程が有機農業推進法に何だか似ています。

この法を元に、人に優しく、環境に優しいまちづくりになるといいですね。

川北さん講演会

2018-01-18 14:59:00 | その日暮らし
会津坂下町で行われた小規模多機能自治の勉強会に(こっそり?紛れ込んで)参加してきました。
講師の川北秀人さんのお話を聞くのは4年ぶり2回目ですが、希望と絶望が入り混じる心境になる、聞くたびに学び多いお話でした。

喜多方市議会の総務常任委員会で、この方法の導入に向けて動いている(つまり議会は頑張っている)ようですが、川北氏曰く、市自体の動きがきわめて鈍いとのこと。あの市長では仕方がないですね。
まもなく喜多方市は市長選挙。新しい市長さんには、この新しい住民自治の在り方の導入に向けて力を注いでほしい。

ちなみに会津坂下町は喜多方市よりも数歩先に進んでいる(町職員も多数参加していた)。さらに喜多方市の周辺部(山都、高郷)は会津坂下町よりも高齢化が進行しており、一刻も早く対応しなければならないと思います。

以下備忘録を兼ねて。

①まずは現状がいかに危機的な状況にあるかを把握する。(データは会津坂下町)
・さんざん言われていますが、今は超高齢社会。しかもこれからはけた違いの高齢社会を迎える。(高齢化第二幕)会津坂下町は日本平均より15年先に進んでいる。
・人口は1995年20,000人→2015年16,300人→2035年12,200人に減少
・1995年に生産人口27.9人で85歳以上の人を支えていたのが、2015年8.1人→2035年4.6人。今の仕組みのままで支え続けられる?
・後期高齢者世帯率は2005年6.4%→2025年11.4%に増加。
・高齢の単身世帯の8割は女性。女性の運転免許取得率は11%しかない。(だからまず必要なのは買物支援、移動支援)
・公共施設(ハコモノ)は一人当たりの延床面積が5.9㎡全国平均の1.8倍。インフラ改善に毎年11億円必要。(公共施設等総合管理計画から)つまりこれからハコモノやインフラ維持が大変になる。ちなみに喜多方は6.0㎡でもっと高いレベル。改善には74億円毎年必要!
   
②協働から総働へ
・まちの力は関係の密度がつくる。人口密度より人「交」密度
・自治会は行事を減らして、事業=福祉+経済をやるべき
・福祉、防災、教育をそれぞれ別にやるのではなく、複合的に行う仕組みを。
(町民運動会と防災訓練を合わせて実施。例えば炊き出し競技、担架競争など)
・子供たちをどう地域の担い手として育てるか? 愛着を育てるのではなく、稼ぐ力を育てる。(北海道浦幌町の取組が面白い)
・年金は外貨。せっかく獲得した外貨が町外に流出しない仕組みを。(買物支援も大手スーパーへの移動支援ではなく、地元の商店との連携や自主経営を)
・自治会役員に女性を増やさないとダメ。役員は役ではなく、経営者。
・自治会の持つ問題点はそれぞれ違うことを認識。地域ごとの問題点洗い出しと解決策が必要。

あまりにも学ぶところが多くて、書ききれない(笑)

近所の特老に行ってふと思うこと

2018-01-07 09:03:00 | 独り言
年末に所用があって近所の特老にほんの少しだけ訪問する機会がありました。

実はここはボクにとっては因縁の場所。ちょっと大袈裟かな。というのもこの特老は旧山都第二小学校の建物を利用していて、震災前の2010年に喜多方市が廃校利活用のプロポーザルを募集したコンペで、仲間達と地域づくりの拠点とした利活用を提案したのでした。そしてこの特老を提案した医療法人に負けたという経緯があるのです。

以来この場所を訪れたのは7年ぶり。上の娘が通っていた頃の、木をふんだんに使い、広い廊下と教室の仕切りのない開放的でおしゃれな学校の面影は消え失せ、個室が並ぶ見事なほどありふれた福祉施設に変わっていました(あくまで個人の感想です)。

当時は自分たちの提案内容に自信(過信)があったし、小学校を老人施設にするなんて夢もアイデアの欠片もない全くつまらん選択だと思っていました。
しかし、冷静に考えれば、ボクらが運営を託されたとしたら、僻地の小学校とはいえ、それなりの大きさを持つこの建物を上手く運営し続けられたかは疑問です。

その後、あいかわ百姓市や地域資源を活かしたワークショップ(会津留学)など、その時のアイデアを別の形で少しずつ実現してきたわけですが、こうした活動を続けていく上でやはり感じるのは、ハコモノよりもいかに中身=コンテンツが重要かということ。

全国的にも廃校利用の事例が増え、またどこもかしこも過疎化が進み、似たような企画や施設が乱立していく中で、どうやってオリジナリティあるコトを提供し、支持されていくか。

いま福島県には多くの人が来てくれています。それは震災からの復興を応援したいという目的が彼らにはあるから。同時に我々が提供しているプログラムも、震災に関わるものが多い。つまり多くの人が来てもらえているのは、コンテンツが優れているというよりも、震災という類まれな経験があったからこそといえるかもしれません。そしてその状況に甘えて、中身以上に自分たちを高く評価してしまっているかもしれません。

ボクは、震災の経験をもとに次世代の地域の在り方を示すことが、これからの福島の役割だと常々思っています。それが福島を応援してくれている人たちへの恩返しでもあると。今のボクのポジションなら、農業(特に山間部の農村)の在り方を提案すること。

復興という贔屓目を差し引いてもなお魅力的なモノやコトを、これからはどれだけ提供できるかが大事だなあ、何て旧山都第二小学校に久しぶりに行ってみてふと思ったのでした。