hiroの花便り

我が家に咲く花や日々の暮らしを綴っていきたいと思います

「柘榴坂の仇討」を観て

2014-10-10 | 映画・DVD・TV


映画「柘榴坂の仇討」を観てきました。
原作は浅田次郎の短編集「五郎治殿御始末」に収められた
同名小説で、ページ数が38ページという短編小説です。
前夜に原作を読んでから観に行ったので、
この短編をどの様なかたちで
2時間の映画に仕上げるのか興味津津でした。



あらすじ
桜田門外の変で殺害された主君・井伊直弼(中村吉右衛門)
を守ることが出来なかった彦根藩士の
駕籠回り近習・志村金吾(中井貴一)は切腹を許されず、
逃亡中の水戸藩士暗殺を命じられる。
妻のせつ(広末涼子)に生活を支えられながら、
捜索を続けていたある日、司法省の秋元(藤竜也)から
最後の刺客・佐橋十兵衛(阿部寛)の情報を得る。
志村は車引きの直吉と名を変えて生きていた佐橋を捜し出す。
仇討ちを禁止令が出たその日に。
監督は若松節朗。



静かで、後味の良い映画でした。
原作に負けないほどの作品に仕上がったのは
俳優陣の演技が素晴らしかったからでしょう。
4年前に観た「桜田門外の変」
を思い出しながら観ましたが、
善人・井伊直弼の部分が見られたのも良かった。
さすが、浅田次郎ですね。



映画にはでてこなかったのですが、原作によると
桜田騒動の後、幕府は彦根藩を十万石の減封(35万石 → 25万石)
に処し、水戸藩は何の咎めも受けなかったそうです。
鳥羽伏見の戦いで彦根が早々と薩長の側に立ち、
270 年来の主家というべき徳川に弓を引いたのは、
藩を挙げての仇討だったともとれるとか。
そんな時代の流れをよそに、志村金吾は江戸市中に
身を潜め、主君の仇を探し続けていた。
時代が変わり、彦根藩がなくなったあとも・・・
もう誰も咎める人がいないのだから、仇討なんて止めて
もっと楽に生きたら良かったのに、等と思いますが、
それが武士なのですね。
金吾のひたむきさに胸を打たれました。
コメント (13)
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