腰痛は完治していないが、畑が呼んでいる気がしたので、「腰椎ベルト」を締め軽作業をした。畑に出るのは4日振りだった。
そんな時、畑の横を通る道路から女性の声が聞えてきた。声の方を見ると、スーパーカブに乗った見知らぬ「オバチャン」だった。道路脇にカブを停めていた。
カブのオバチャン:「チョット、聞かして欲しいんやけど・・・」「ウチの芋、この間掘ったら、小さなものばかりやった。掘るのが早かったんやろか」
自分:「いつ植えたん?」
カブのオバチャン:「ここと一緒」
自分:「4月? 6月?」
カブのオバチャン:「4月」
自分:「それやったら、早くない」
カブのオバチャン:「この前、ここを通りかかったのでみたら、さつま芋を掘った跡やった。ここのは、大きかったん?」
自分:4月に植えた苗は、遅れて10月に掘ったんやけどバカでかくなっていた。
カブのオバチャン:「ウチ、寒いからやろか」
自分:「家、どこ?」
カブのオバチャン:「〇〇よ」
我が家から車で15分ほどの観光ブドウ園のある千葉山(標高542m)の山頂近くだった。
自分:「ここよりは多少涼しいやろうけど、この夏は猛暑続きだったから寒くはなかったと思うけど」「それよりも、植えた芋の品種は? 土壌によって出来不出来が違うし・・・」
カブのオバチャン:「芋の品種? わからん」
自分:「そら アカン」「作りやすいのは「紅あずま」。大概の土壌でも育つで」
カブのオバチャン:「紅あずま? いいこと聞いた。来年はそうしてみる。「紅あずま」・「紅あずま」・覚えた。忙しいのに手を止めてすみません。おおきに」
丁寧にお礼を言って、颯爽とスーパーカブで走り去った。
話しを聞いていて、この「オバチャン」も、この道路を通るたびに我が家の芋畑をずーっと観察していたことがわかった。地区外の知人や見知らぬ人から我が家の「さつま芋」の話が出てくるのは、二度や三度どころではない。
声なき声も入れると、たくさんの人が我が「家庭園芸ぶり」を眺めているのは間違いない。場所柄、どうも注目されやすいのかも知れない。周辺の畑がミカン畑ばかりなので、風変わりな作物をたくさん作っている光景が珍しいのかも知れない。
そんなことに思いを馳せると無言のプレッシャーになるばかり。道路脇に、「勝手気ままな手抜き栽培の家庭園芸です! ご覧いただくほどの畑ではありません!」との看板を立てたくなってくる。
見られて嬉しい家庭園芸? それは無理・無理・無理・・・