くらぶアミーゴblog

エッセイを綴るぞっ!

ダウナー系で仕事始め

2010-01-07 13:26:11 | エッセイ

20100107img_4594

 正月休みに、なぜかバーボンを買ってきた。
 フォアローゼスのブラックラベルである。世界で一番ウマいバーボンだと信じていて、血気盛んな頃(20年くらい前のことだ)は週に5日ほど呑んでいた。
 その頃は、バーボンを呑む自分を
「オレ、カッコいいかも」
 なぞと思っていたフシがある。
 そういうことを思い出すと、顔から火が出るような思いをするのだけど、しかしこのバーボンのウマさは本物だ。
 どこまでも濃く、甘いのである。
 そういう想い出深い酒を、新年早々、久しぶりに呑んでみる。
 燻蒸香が鼻から抜けていき、舌の上にはハチミツのような甘味がわずかに残る。1分もすると酔いが回り、物事の角がとれて、あたりが柔らかくなってくる。
 そうして数々の想い出がよみがえってくる。魔法の時間の始まりである。

 今年はますます、いろんな分野で文作をしていくことになると思う。しかし表面に出てくる(発表する)文章の背景には、自分の膨大な記憶が埋め込まれている。
 表面に現れたものはあくまでもタグなのだ。それらがシナプスのように、20年も30年もかけてリンクしていくのだ。
 結局、説得力を持つ文章というのは、自分の体験からしか書けないのだと思う。そのためには自分の内なる声を聴くことになるのだが、それにはこのダウナー系バーボン、フォアロゼのブラックが最適なのだ。