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くらぶアミーゴblog

エッセイを綴るぞっ!

ベタがよし

2009-12-24 10:30:52 | エッセイ
 いよいよクリスマス・イヴ。
 この時期にお店に入ると、どこでもクリスマスの曲がずーっと流れている。
 そんなお店の中でも、それほどおしゃれではない店を思い浮かべてくだされ。
 例えば郊外の商店街にある雑貨店とか、そんなところ。 
 そういうお店では有線放送のクリスマス曲を流している。
 それも、ちゃんとした歌手のものではなく、安っぽーいインストゥルメンタルが延々とリピートされるやつですね。

 お店で接客をやったことのある人なら、あのインストを聞くたびに、懐かしい想いがするのではないか知らん。
 僕はすごく懐かしいです。
 学生の頃、吉祥寺の雑貨屋でバイトをやっていたのだけど(何と四半世紀も昔のことだ!)、この時期は毎日あのインストを聞いていた。
 その店では、バイト同士の恋もあり、ケンカもあった。仲間たちはまさしく匂い立つような青春をおくっていたのだ。
 そうして、その当時に流れていたクリスマス曲というのが、今でもちっとも変わってないのだ。
 

 現代の街並みを歩いていても、心は想い出の街を歩いている。
 そんなノスタルジアを楽しめるのもクリスマスのいいところなんだな。
 メリクリ!!


これでいいのだ

2009-07-20 17:23:27 | エッセイ

Manga300

 僕は生来やりたいことが多く、いろんなことに手を出した。
 空手、テニス、登山、吹奏楽、ジャズ、美術、マンガ、小説と、ざっと想い出してもこれだけ出てくる。
 これを多才というとカッコいいが、ひとつのことをやり遂げた経験がない。
 大人になると、ひとつのことをやり遂げた人のほうが強い。
 粘り強さ、押しの強さが違う。
 そこに僕はいつも負い目を感じていたんであります。
 ところが昨夜、
「それでもいーではないか」
 と突然、開眼した。
 というのも、自分の本を出せることになって、そこで使うイラストを書き始めたからだ。
 今日はいよいよ、ペン軸とペン先、ケント紙を買ってきた。
 こんなのを買うのは中学校のマンガ研究会以来である。
「そうそう、Gペンは柔らかいんだよな」
 なんてことを想い出す。
 友人とマンガの同人誌を書いてたような経験も、ちゃんと仕事で生かせることになったのだ。
 こうなると初めて、オレはオレで良かったんだと思えるようになる。
 どんな経験も、無駄にはならないもんですねー。

 
 


かまぼこの色気

2009-07-03 18:34:31 | エッセイ
 板にのった白いかまぼこが大好きだ。
 あれを1センチくらいの厚さに切っていき、それぞれの真ん中を切る。
 これを一寸ずらして小皿に並べると、うろこが並んだようになり、日本的な形式美が誕生する。
 このかまぼこに、ちょいとワサビをなすりつけて食べると堪えられない。
 たまにショーユをつけることもあるが、基本的にはワサビだけで食べる。
 ショーユをつけないと良く分かるが、かまぼこは意外と塩っ気がある。噛みしめるごとに魚の滋味がわき出してきて、鼻からは海の香りが抜けていく。
 ああ、こうして考えるだけで食べたくなってくる。
Photo

 ところで、世には笹かまぼこという商品がありますね。
 表面は香ばしく焼け、噛んで引っぱるともっちりと切れる。
 材料にはわりと高級魚を使うらしいです。
 しかし、僕はこの笹かまがあんまし好きではない。
 もし笹かまが好きな人が目の前にいたら、自分の分は全部あげてもいいと思うくらいだ。
 笹かまには汁気が感じられない。
 だから表面が汁気で輝くこともない。
 もちもち感はあるけど、かまぼこの吸い付くようなねっちり感はない。
 かまぼこの肌はあくまでも白く、つるつる輝いてる。しかしそのわりにはショーユもワサビも良くなじむ。
 酸いも甘いもかみ分けてきた感がある。
 つまりあれだ、かまぼこというのは熟女的魅力があるのかもしんない。
 そうなると
「じゃあ笹かまはナニ女なのだ?」
 という疑問も当然出てくる。
 しかし、僕には分からんです。
 その辺はきっと、笹かま好きの人がうまく答えてくれると思う。


ビフテキ賛歌

2009-06-21 10:55:01 | エッセイ
 我が家はビフテキをよく食べる。
 平均して、週に1回くらいは食べている。 
 こういう風に書くと、ひと昔前なら

「やっナマイキな」
「ブルジョアを気取っちゃってさ」

 という非難の嵐が吹き荒れたと思う。
 30年も前の時代なら、ビフテキはお金持ちの食べ物の代名詞だった。厚みが増すほど階級も上ということになり、しまいにはタテかヨコか分からないようなビフテキを食べたいと切に願った。
 その高貴な存在が悔しくて、逆に侮蔑してやろうと思ったのか「テキ」なぞと呼ぶ人もいた。
 ああ、まったく日本中がビンボーで、しかしそれが普通の時代でありました。

 そして時はめぐり現代。
 僕がよく買いに行く業務用食材店だと、ステーキ用の肉が100gで100円程度から売っている。
 銘柄豚なんかよりも安いのだ。
 だから嬉しくなり、ついつい買ってしまう。
 それらはもちろん輸入牛なので、僕の購買行動は、今話題の食糧自給率を下げることに貢献している。
「それはどうなの?」と少々疑問がわかぬでもないが、やっぱりビフテキの魅力には勝てない。
 それにはやっぱり、昔の「ビフテキ=ごちそう」という観念が働いているのだと思う。
Steak557



せっかち

2009-04-16 12:01:29 | エッセイ

 僕はかなりせっかちで、これはいけないことだと思っている。
 せっかちというのは、今やっていることを、さっさと終わらせてしまいたいのだ。
 どうしてかというと、頭の中には常に次の行動があって、その段取りのことばかり考えている。
「今日は11時に客が来るから、それまでに掃除を済ませよう。でもその前に郵便局に行く用事があったから、まずはシャワーを浴びて着替えるのが先。ついでに銀行も行きたいが、そーなると何時に出ればいいのだ??...」
 ざっと、こんな具合。これが毎日、朝から晩まで頭の大部分を占めている。

 一体、他の人たちはどうしているのだろうかと、よく思う。



0416441

 このせっかちが生来のものなのか、どうも覚えていない。
 大工仕事をしているときに顕著になったのは確かだ。
 ああいった仕事は「始める前の段取りがすべて」といわれている。無駄な動きがもっとも軽蔑されるのだ。

 だけど、こんな意見も、世間にはある。
「男は目標を立て、それを遂行することにヨロコビを感じる」
 だから女性と買い物に行くと、予定外の店に行かれるのがとても嫌なんですね。予定通り、杓子定規に行動を終えて「本日の任務終了!」、これが気持ちがよい。

 ともかく、だ。たまにはゆっくりと、目の前の事柄だけに、じっくりと取り組んでみたい。
 次の予定に脅かされることなく、納得のいくまで時間をかけてみたい。
 そんな風に思いつつも、実はさっきのこと。
 このエッセイを書くことを、食事中に思いついた。
 そうなるともう、食事もへったくれもないんですよ、みなさん。
 ロクに噛まずに飲み込んで胸を詰まらせ、1人おだいどこでもがき苦しんだりしているのだ。
 どうにかならんですかな、この悪癖は。