カンムリワシ、ワシは名ばかり、言うばかり

20年前探せばカンムリワシがいて、10年前そこにはカラスがいて、いま両方ともいません。よって最近ではそれ以外の話題に。

中国共産党が香港民主派に警告する「違法行為をやめよ」とは

2014年10月02日 03時51分37秒 | アジア

時事通信が伝えるところでは

 

「違法行為やめよ」と警告=香港民主派に共産党機関紙

【北京時事】中国が建国65年の国慶節(建国記念日)を迎えた1日、共産党機関紙・人民日報は民主派の街頭行動による香港の混乱について評論を掲載。「違法集会が社会秩序を乱し香港の経済・民生に影響を与えている」と非難し、デモ発起人や参加者に対し早急に一切の違法行為をやめ、社会の安寧と秩序を戻すよう呼び掛けた。評論は「極めて少数の者が法律を無視し、大衆を扇動している」と指摘。「結局は自らその報いを受けることになる」と警告した。:時事ドットコム(2014/10/01-11:47)

 

とのこと。これは落語のようであり、笑ってしまいますが、中国事情に暗い人なら笑えないでしょうから、私も何か発言しなければならないようです

 

■中国で「法」とは中国共産党の方針そのもの■

中国人を代表していない、ほんの一握りの共産党員だけからなる中国共産党組織が、国民など無視して、いつでも恣意的に変えることが出来るのが中国の「法」。共産党が三権と軍事を独占支配しているのが中国なので、そんな国の言う「違法」そのものに疑惑が残るのです。独裁国の宿命でしょう。

よって「違法行為をやめよ」には、まるで中国共産党が法律をよく守っている、という風に響く効果があり、自らの非常識な弾圧を棚に上げて、人には法を守るよう要求する、ここが落語的で笑いの対象になるのでした。

別の言い方をするなら、「違法行為をやめよ」とは、「中国共産党の弾圧に逆らうな」ということ(笑)。

    • 中国共産党が「違法行為をやめよ」と言う場合、普通のまともな国での「違法行為をやめよ」とはまったく意味が異なります。
    • こういうのを専門用語?では「天につばする中国共産党」と言います(笑)。

もちろんこの場合「法」とは、中国共産党が香港の長を選ぶ選挙の立候補の資格を査定・検閲する、という決定のことです。

中国共産党が香港を名実ともに支配し始めたため、香港の民主派はこれに強硬に反対しております。民主派の行動には十分に理があり、このままでは、あまりにも中国人がみじめ

香港の民主派に助言することなどできませんが、民主派に暴力沙汰を起こさせるように誘導し、これを口実に武力鎮圧しようとする中国共産党にだまされないように、これだけを言っておきます。天安門事件などその極致ですね。

 

■違法集会が社会秩序を乱し・・・・■

まず中国共産党〔1921- 〕という過激派集団が、中華人民共和国〔1949- 〕を建国したという厳粛な事実を思い出しましょう。

中華人民共和国建国〔1921- 〕は、イスラム国建国〔2014- 〕に似ているのかも知れません。

イスラム国とは、イスラム過激派集団が、シリア・イラク・トルコ国境あたりで今年(2014年)勝手に宣言して建国した国。

この国は、複数の当事国の主権を無視して建国されたものであり、まだどの国からも承認されていませんし、他国のイスラム教徒からさえ「暴力的だ」と非難されていて、国の名前に「イスラム」を使うことにさえ反発があり、現在、周辺国による多国籍軍の協力で米軍が空爆を続けているようです。

香港での「違法集会」とは中国共産党が勝手に決めた方針に異議を唱える「集会」のことで、これは独裁政権としては認められません。政権と異なる意見をもつことは禁じられているのです。これが中国。

宗教〔イスラム教や共産主義〕の信者の中から、過激な人たちが出てきて、本来の教義を死守しようとするあまり、周囲を威嚇したり暴力行動に走るものが、必ずあらわれます。

こういう連中の代表が、暴力を肯定し世界中を敵に回す、イスラム国中国共産党、などの不法集団。

ですから・・・・ 

■「香港の違法集会が社会秩序を乱し」 はまちがっていて

中国共産党の一党支配が社会秩序を乱し」が正しいことになり、世界の多くの人が香港の民主派の人たちに賛同するゆえんです。

 

■「極めて少数の者が法律を無視し、大衆を扇動している」■

と指摘したというのも、「極めて少数のもの」が中国共産党そのものであり、半世紀以上にもわたって中国人を代表しないまま独裁政治を続けていることから、「大衆を扇動してきた」のは中国共産党そのものでした。

中国共産党が何を言っても、自分の汚点をネタにして相手を攻撃する未熟な心理が垣間見え、実に見苦しい!

 

■「結局は自らその報いを受けることになる」■

も、こういう弾圧を続けていると中国共産党にその報いがくる、と自覚しているかのようです。

もしこの「自覚」が正しいとするならば、中国共産党は、香港の民主派に警告しながら、中国共産党の末路を見通している、ことになります。さてこれが正しいかどうかは分りませんが(笑)。

 


 中国内の中国人の中には、

香港人の行動に注目し応援している人もいると思われますが、 もしも中国内で「民主派」とみなされたら、韓国で「親日派」とみなされるのと同様に、国家によって徹底的に弾圧され、拘束・粛正・処刑されることでしょう。

ですから、息をひそめて、なりゆきを見守っています。もちろん情報を遮断され肝心のことを知る手段が限られていますが、わかっている人はわかっているようですよ。

中国人には、

    • 国民を武力で弾圧する中国共産党のいいなりになっている一面〔独裁者の圧制下で暴動を起こすのが好き〕
    • この暴政を「個人の利益追求」で忘れようとする一面〔個人利益追求型〕
    • さらには、この悪質な中国共産党さえ利用して利益をあげようとする狡猾な人たちもいるという一面〔独裁者をもだまそうとする心意気?〕

などがあるようです。多面的ですな。

仮にですが、中国共産党が崩壊したとしたら、

多くの中国人は、「ほら、みたことか、私が言った通りだ」と、まるで、ずっと中国共産党を認めていなかったかのように表明することでしょう。ここが中国人らしいところです(笑)。

 

くれぐれも「違法行為をやめよ」という中国共産党の声明から、香港人が「違法なことをしている」と決めつけないでほしいもの。香港の民主派は、中国共産党の存在そのものに疑義を感じ、国の成り立ちそのものに疑惑をもっているのです。

香港の民主派が違法行為をしている、のではなく、中国共産党が違法行為をしている、のでした(大笑)。 

いくら香港の民主派が集会をしようとも、それでも静かに、ゆっくりと、わからないように、じょじょに、中国共産党は香港の支配を狙い続けることでしょう。


最後のまとめとしては、冒頭に引用した時事通信の「共産党談話」は、香港の民主派のことではなく、中国共産党の恥部について述べたものだった、のでした(大笑)。

 


香港の現実と台湾・沖縄

2014年10月01日 04時44分32秒 | アジア

やはり、香港・マカオ返還時の「1国2制度」はでたらめでしたね。返還時にはにこにこしながら、しかし10年以上かけて、香港の政治を中国共産党の支配下に置こうとしています。

香港での政治混乱を見ていると、まちがいなく、そう感じます。あり得ないことを平気で叫び、ずるがしこく領土を広げ他国を侵略する中国共産党!

崩壊前に、もう一度大きく変化がありそう。それは何か・・・・

昨日今日の「香港関係のニュース」冒頭のみを引用しておきます。詳しくはリンク先をあたって下さい。

 

香港政府打つ手なし 民主派「雨傘革命」 デモ参加10万人超か 1日の「国慶節」焦点

 【香港=河崎真澄】香港で「真の普通選挙」を求める民主派の学生や市民による抗議デモは、3日目となる30日も幹線道路を占拠して続いた。地元紙はデモ参加者が最大で10万人を超えたと伝えた。今月1、2の両日は、香港でも中国の国慶節(建国記念日)の祝日で、参加者が増える可能性がある。解決に有効な手立てを打ち出せない香港政府は、事態収拾を急がせたい中国政府の意向との板挟みにあっている。・・・・:msn産経ニュース 2014.9.30 23:03

 

習主席「香港・マカオの繁栄と安定を維持」
 
 【北京=五十嵐文】中国の習近平シージンピン国家主席は9月30日夜、北京の人民大会堂で開かれた中国建国65周年の祝賀大会で演説し、中国の「一国二制度」下にある香港について、「『一国二制度』の方針と基本法を貫徹し、香港とマカオの長期的な繁栄と安定を維持する」と述べた。・・・・:読売新聞 2014年09月30日 23時21分

 

香港デモ:政府、対応に苦慮「選挙制度撤回は不可能」

 【香港・鈴木玲子、隅俊之】香港の次期行政長官選挙制度に抗議する大規模デモを巡り、香港政府トップの梁振英(りょう・しんえい)行政長官は30日の記者会見で、民主派を事実上締め出す選挙制度の「原則」撤回は不可能だとし、デモ隊による占拠は「しばらく続くだろう」との認識を示した。強気の姿勢は崩さなかったが、強制排除のために催涙弾を使用するなどの強硬策を再びとるのは困難とみられ、政府は難しい対応を迫られている。香港は10月1、2日と連休で、参加者はさらに増えそうだ。:毎日新聞 2014年09月30日

 

香港の路上占拠、長期化の様相 観光・経済へ打撃懸念も

香港行政長官選挙の制度改革をめぐり、中国側が決めた案に反発する民主派が香港中心部で続けている路上の占拠は、長期化の様相を見せ始めた。香港政府は民主派の要求を拒否しているものの、強硬な排除策は控えている。占拠の範囲は広がる一方だが、反発する声も出始めた。朝日新聞デジタル 2014年10月1日01時04分 

 

香港デモ長期化の様相 経済に悪影響、懸念する声

 【香港=粟井康夫】香港の民主派による中心部の占拠活動が長期化する兆しを見せている。30日夜も数万人規模の学生らが集まったが、香港の警察当局は強制排除を当面見送る構え。学生らは持久戦に備えた態勢も整えている。事態収拾のめどは立たないままで、香港経済への悪影響を懸念する声も強まっている。:日本経済新聞 2014/10/1 0:52

 

 

しかし、何よりも驚いたのは、朝日新聞が香港の混乱をちゃんと伝えていることで、今までは考えられなかったことです。中国共産党の公式声明をただながすだけで、文字通り人民日報日本支社のレベルでしたから(笑)。時代はかわったものですね。2件の吉田問題で、ようやく目を覚ましたかと思われます。

個人的な好みから言えば、一番興味があるのは、野球でいえば「大谷の二刀流」、そしてアジアで言えば「中国」。 

中国では、中国共産党がなんでもかんでも支配しようとせずに、「中国民」の存在を少しでも念頭に置くことを望みますが、それができない弾圧独裁政権を続けるならば、まことに残念なことですが、消滅の運命をたどること、間違いないでしょう。