カンムリワシ、ワシは名ばかり、言うばかり

20年前探せばカンムリワシがいて、10年前そこにはカラスがいて、いま両方ともいません。よって最近ではそれ以外の話題に。

香港騒動その後

2014年10月05日 09時51分28秒 | アジア

2014/09/26深夜からなので、発生から1週間を超えた香港デモ騒動。


  • 予想されてはおりましたが、民主派の長期にわたる抗議行動の影響で商売が成り立たないとし、現実利益を生活信条とする香港中国人の中には、日常生活を犠牲にできないと判断する人も増えてきて、いくら中国共産党の弾圧政権であれ、巧みに泳ぎわたって金儲けに奔走する日常のほうを優先したいという本音がみえつつあります。つまり占拠に懐疑的な人がデモ占拠に反対するようになりました。
  • そこで中国共産党は最終的な武力鎮圧時に「この政府弾圧を甘受する人たち」を巧みに利用しようと、策略を練りつつあり、本土や香港のヤクザを「弾圧甘受派」の味方だと装わせ、ひたすら民主派の分断を図っております。デモが発生したときの有力な対応策の一つは、デモ派を分断することでした。
  • さらに民主派の中も一枚岩ではなさそうです。リーダーを設けると、弾圧派がリーダーを拘束すれば簡単に排除できると考えた民主派は、今回、中心となるリーダーを置かない作戦に出たようです。これで、弾圧派が民主派を分断できなくなると判断したというのです。
  • しかしこの作戦を逆用したのが中国共産党。つまりリーダーを置かないからこそ、分断させやすくなったと考えたのでしょう。①「中国共産党との対話」路線と②「行政長官選挙方式の撤回」路線の二つです。

①では一人一票になったのだからいいではないかとし、

②ではいくら普通選挙になったとは言え立候補者が中国共産党の承認を必要とする制度など決して認められず一人一票に意味はない、

とします。

私は、

為政者である中国共産党は、不都合な立候補者を事前に排除できるような姑息な制度をとるべきではなく、立候補に制限を設けないで中国共産党にとって不都合な人さえ立候補させ、自由に香港人に選ばせる、こういう堂々たる姿勢をみせるほうが1国2制度に相応しい

と思うのですが、

一党支配を続け、しかも民主制度を否定する独裁政権にそれを期待するのは無理、あり得ない選択でしょうか。

だからこそこれだけ混迷を続けているのかも知れず、中国共産党が崩壊せざるを得ないゆえんです。


もう一つの要素は、

来月 2014年11月に北京で開催される予定のAPEC(アジア太平洋経済協力 1989- )を前にした中国の素行です。

APECを直前に控えて、もしも中国共産党が香港で武力弾圧すれば参加予定の全21カ国・地域のいくつかが大会参加をボイコットすることでしょう。

そこで中国共産党が参考になる手順を、ロシアがソチで示しました。ロシアは、ソチ冬季オリンピック終了(2/23)を見届けてからウクライナのクリミア半島を武力侵略。パラリンピック(3/6-3/16)開催前でしたね。

今はAPEC開催の前です。まだ1ヶ月以上あるので、引き延ばしは無理でしょうから、中国共産党としては、そこはなんとか香港民主派をごまかして形式程度に一件落着にしておき、APEC終了後になだれ式に実質香港支配を企む戦術にでるかもしれません。


さて余談を許さない香港事情。

皆様は、この混乱をどうとらえていますか。ご自分の問題としてとらえることができますか、それとも対岸の火事でしょうか。

本記事が、ささやかながらもそれを判断する一つの資料になりましたでしょうか、それとも大いにあり得ることですが、ほとんど価値がない記事で、時間のムダでしたか。もしも後者ならばワタクチメ「はと」としては、大いに反省するしだいです(大笑)。

 

上図では「過激派」としておりますが、あくまでも香港争乱に限ってわかりやすくしたもので、イスラム国やロシアや中国に対応した呼称ではありません。本来の意味では、むしろ中国共産党のほうが過激派でしょう。