カンムリワシ、ワシは名ばかり、言うばかり

20年前探せばカンムリワシがいて、10年前そこにはカラスがいて、いま両方ともいません。よって最近ではそれ以外の話題に。

2014台風19号 日本列島通過の軌跡

2014年10月14日 08時38分31秒 | 科学(気象)

「でした」などと安易に過去形で済ませようという意図はなく、被害を受けた人たちのことをよく理解しています。

今年の台風で、連続して発生し、なおかつ似た経路をたどったのがありました。

台風18号

  • 南太平洋で発生
  • 静岡に上陸
  • 内陸部を通り茨城から太平洋へ
  • 南太平洋で発生
  • 鹿児島に上陸し宮崎から海へ
  • 高知に上陸し徳島?から海へ
  • 大阪へ上陸
  • 内陸部を通り福島から太平洋へ

ということでした。


気になった一つはNHK総合の報道で、2014台風19号が大阪へ上陸するときのこと。

気象庁によると、として2回ほど画面に「現在地を緯度経度つき」で示していました。それは淡路島のやや北から大阪湾へ抜けたころと、大阪市の南港近くへ上陸したころのことです。

ところが最新状態だったはずなのに、その発表の5分後〔10/13 20:41〕の臨時ニュースで「大阪府岸和田市に上陸」となりました。

大阪市と岸和田市は約20km離れていて、同じ大阪府内とはいえかなり離れています。20kmといえば、羽田空港からなら横浜あるいは船橋への距離に相当しますから、かなりの誤差とも言えます。

昔の記憶では、「台風~号が~市に上陸しました」と断定していたようですが、今の時代では台風~号が~市付近に上陸したと見られます」とあいまいになってきました。観測精度が上がっているはずなのになぜこうなったかと言えば、おそらく台風の上陸そのものの定義が変わったからでしょう。「台風の中心」というのが、中心気圧がひっければひくいほど(大きければ大きいほど)あいまいになりますし、どの時点、どの場所で、上陸したと特定することが難しくなったからではないか、と勝手に考えています。


もう一つは「再上陸」という言葉です。

再度(さいど) goo辞書によれば

ふたたび。二度。両度。副詞的にも用いる。「―にわたる交渉」「―注意する」

神戸市には地名として残っているようです。

「再度」を「ふたたび」と読ませ、再度公園(ふたたびこうえん)とか再度山(ふたたびさん)などの例があります。

ところが3ヶ所に上陸したとされる今回の2014台風19号のニュースでNHKは

  1. 最初鹿児島に上陸(これはこれでいいでしょう)
  2. 高知県に再上陸(これもこれでいいでしょう)
  3. 岸和田市に再上陸

最後では「再々度上陸しました」などのほかの表現を使い、「3回目の上陸だった」ことを示すほうがよかった、のかも知れません。

 

さいさい【再再】( 副 )

ある動作を何回も繰り返すさま。たびたび。何度も。 「 -申し入れたとおり」 「 -にわたる警告」 (三省堂大辞林)


尤も、

どのくらいの面積以上の島から「上陸」とするのかといえば、「島」の定義にもよります。同様に大陸と島の定義もあやふや(綾小路麩屋町:あやのこうじふやまち)ですね(笑)。

つまり沖縄本島ならば、堂々と南から上陸して北へ抜けても「通」にぎず、九州ならば鹿児島の南部をほんの少しかすめた程度なのに「上陸」とするのか、ということですね。

まぁ今回も、どうでもいいことばかりでしたか(大笑)。