はるかのひとりごち。

のんびりと旅レポお届け中~。

さよなら「なは」と「あかつき」と…その10:唐津線の旅

2008年06月05日 17時17分16秒 | たびろぐ九州。

島原鉄道のキハ20とのさよならを終えた翌日の朝、
諫早から「白いかもめ」に乗って、佐賀へとやってきました~。
3日目のこの日は、寝台特急「なは」に乗って九州を離れる日。
発車まで時間はたっぷりあったので、未乗だったJR「唐津線」に乗ることにしました。


やってきたのは、島鉄で乗ったのと同シリーズの黄色いディーゼルカー。
それにしても、九州って鮮やかな原色系が多いよなぁ(笑)。
目の覚めるような明るい黄色の車両に乗って、唐津線の終点「西唐津」を目指します。


佐賀から2つ先(臨時駅を含めると3つ)の「久保田」駅を過ぎると、
長崎本線とはお別れ、いよいよ唐津線の線路へと入っていきます。
単線の唐津線は、石炭輸送のためにつくられた歴史ある路線だそうで、
お隣の「小城」駅なんて、タイムスリップしちゃったんじゃないかってくらい、
風格ある木造駅舎なんです。降りる時間があったらじっくり見てみたかった。

そして、まだ古い駅舎が残ってはいたものの、
新しい橋上駅舎が出来立てホヤホヤだった「多久」駅を過ぎると、


列車は「厳木(きゅうらぎ)」駅に到着。
いやもう、この駅舎の造りにも目を奪われました。作られた古さじゃないんだもの。
最近の黄色い車両が、全然似合わない佇まいが素晴らしい。
調べてみたらこの駅舎、昭和5年に建てられたものだそうですよ!
九州って、こういう歴史ある駅舎が大事に残ってるとこがうれしいし、
乗ってて楽しめる魅力のひとつでもあるんですよね。


そしてそして、もうひとつうれしかったのが、このレンガ造りの給水塔!
蒸気機関車の機関区があった名残なんでしょうか?
放ってあるのではなく、ちゃんと保存されているとこがとにかく素晴らしい。
こういう貴重な施設には、国鉄型の気動車のほうがやっぱり絵になります。


そして「山本」駅の手前で、筑肥線の線路がやってきました。
以前、松浦鉄道の旅のときに、伊万里から筑肥線で通って以来のうれしい再会!(笑)
あのときは、この左側の線路を通ったんだよね。(ここまで、後ろから撮ってます)
そんな筑肥線は、次の山本駅で唐津線となり、分断されてしまうのです(悲)。
(詳しくはこちらの記事参照)


のどかな風景から一転、唐津駅の手前で高架区間に差し掛かりました。
向こうに見える高架上には、姪浜方面から来ている筑肥線の赤い103系が♪


そして、唐津を出て1つ目、終点「西唐津」駅に到着。
筑肥線で唐津線を通った時(まぎらわしー)に山本-唐津間を通って以来、
これで唐津線、全線完乗となりました~♪
せっかく来たので、ちょっとだけ駅周辺を歩いたあと、折り返しの電車に乗って、


唐津駅へと戻ってきました~。
前回、ここ唐津へ来たときは体調最悪でそのままスルーしちゃったからね、
今回はちょっとのんびり、駅前の通りを歩いてみることにしました。
そこで、「唐津名物」と思われる風景&ウマいもの発見!!
さて、その名物の正体とは??

「その11」へつづく~♪



…って、つづくんですけどね、その前に、
ちょっと明日から、久しぶりに旅に出てきます!
ちょっと最近ヤなことあったんでね、リフレッシュしてきます!!
にしても、旅レポどんどん溜まる一方だなぁ。ひー(^^;;
帰ってきたら続き、バンバン書いていきますので、ちょっとお待ちを~。
もちろん、出先からまたいつものようになんか投稿したいと思ってますので、
よかったら遊びに来てくださいね♪では行ってきま~す!

さよなら「なは」と「あかつき」と…その9:さよならとはじめまして

2008年06月03日 16時10分00秒 | たびろぐ九州。

廃止となった島原鉄道「南線」の終点「加津佐」から、諫早行きの列車に乗って、
今度はここ「南島原」駅で途中下車。
この、レトロ感たっぷりな駅名板がわたしたちを出迎えてくれました。
作られたものじゃなくて、ちゃんと時を重ねてきてるところに旅情を感じます。


南島原駅には島鉄の車庫があって、
「その8」でチラッと紹介したベテランさん、キハ20がお休みをしていました。
今回、廃止になってしまった「南線」に乗るのも旅の目的のひとつだったけど、
この古い車両たちも時を同じくして現役を引退するとのことで、
どうしてもこれに乗っておきたくて、ここ南島原で途中下車したのでした。


お目当ての車両が来るまでの間、駅の外へと出てみると、
歴史を感じさせる素敵な駅舎に、思わず目が釘付け(笑)。
「驛」の字もシブいし、窓枠や壁の色、そして門構えが何よりかっこいい。
で、駅の待合室には、この立派な扉じゃなくて、
ちょうどタクシーが止まってる辺りの小さい入口から出入りするんです。
あの立派な扉の中はいったい??かなり気になります(笑)。


日が落ちて、すっかり冷え切ってきた駅の待合室で諫早行きの列車を待っていると、
来ました来ました!!加津佐へ向かうときに島原で見送った三本ヒゲ
国鉄からお嫁に来た車両も貴重だけど、
最後に「島鉄オリジナル」が来てくれてよかった~♪
乗っていいよ、と言われるまでワクワクしながらジッと待ってたんですが、

あれ。車庫へ帰っていっちゃった。


ありゃ?もしかしてこのままベテランさんには乗れなかったりして??
また黄色い車両がきちゃったりして??
思いっきり肩透かしをくらい、ちょっと不安になりながらホームに佇んでいると、






車庫から、国鉄色のベテランさんが堂々登場~♪
ああよかった。今回最後の島鉄乗車で、お目当ての車両に乗ることができました。


車内の雰囲気も匂いも、時代を感じさせる懐かしさでいっぱい。
そこには昭和がそのまま残ってるように思えました。
この、シートについてる取っ手の形状が、手作り感があって大好きなんですよね♪


車内で、こんな銘板を発見。
日本車両で昭和37年製といったら、4月に乗った名鉄のパノラマカーの1年後輩!!
どう見ても、こっちのがノスタルジー溢れてて先輩っぽく見えるけど(笑)、
そう考えると、今でもまったく引けを取らないフォルムのパノラマカーってすごい。
そんなパノラマカーも、もうすぐ引退の時が近付いてるんですよね。
だんだん、この世代の車両たちが消えていくのも、寂しいものです。


そうこうしているうちに、発車の時間が迫ってきました。
辺りはすっかり日も落ちて、夕闇に浮かぶオレンジ色の車体に哀愁が漂います。
このホームの柱といい、とにかく絵になってました。

心地よいディーゼルエンジンのサウンドに包まれながら、
ベテランさんは諫早へ向けて走り出しました。
車庫から出てきて間もなかったので、暖房の効きがイマイチで寒かった~。
最近の車両と比べると、揺れも大きいし乗り心地は決してよくなかったけど、
普段乗れない列車で旅ができるってだけで、楽しくなるから不思議なものです。
このとき、廃止までまだ1ヶ月以上あったせいか、
さよならをしに来ている人もほとんどいなくて、
車内は地元の学生さんがメイン。楽しそうな笑い声が車内に響いていました。

名残惜しい気持ちでいっぱいになりながら、キハ20は終点諫早駅に到着。
長かった島鉄の旅も無事終了です。
諫早駅では、長崎ブロガーの征吾さんが待っててくれました!
長崎を訪れることを伝えたら、仕事後でお疲れのところ駆けつけてくださったのです。


お店に入って、お通しを頼む時、3種類くらいあったはずなのに、
みんな揃って「チキン南蛮!」と答えたのには笑っちゃいました(笑)。
やっぱ、九州来たらこれ食べたかったんだよね~♪
お刺身もプリプリで、写真撮り忘れちゃったけど「温泉湯豆腐」もウマかった~。

征吾さんに、「長崎へは何が目的で?」と聞かれ、
「あかつき!」と元気よく答えたら、
「ランタンフェスティバルじゃなかったんですね(^^;;」と。
そうそう、このとき初めて知ったんですけど、ちょうど開催期間中だったんですね(^^;;
今回、長崎の街を歩く予定がなかったので、まったくのノーマーク。
はるかさんらしい、と笑われてしまいました~。いやはやお恥ずかしい(笑)。
とっても誠実そうな優しい征吾さんとの晩ごはんもあっという間、
「はじめまして」でしたがとっても楽しかったです。ありがとうございました♪
切ない別れもあれば、素敵な出会いもある。そんな1日なのでした。

「その10」へつづく~♪

さよなら「なは」と「あかつき」と…その8:いまはなき「終着駅」

2008年06月01日 23時59分07秒 | たびろぐ九州。

島原の街で途中下車の旅を堪能した後、
当時の島原鉄道の終点、「加津佐」駅へ向かう列車に乗り込みます!
待っていたのは、最初に諫早から乗ったのと同じ黄色い車両。


そこへ、諫早方面へ向かう列車が、ここ島原駅で交換するためにやってきました!
これこれ!島鉄に乗りに来たのには、これに会いたかったってのもあったんです!
昭和30年代前半に誕生したベテランさん、キハ20。
目に眩しい黄色い車両の隣に並んだのは、島鉄オリジナルの三本ヒゲの車両。
最近の車両にはない、味わいと風格を感じさせるスタイルが大好きです。


2両編成のもう1両を、加津佐行きの車両の後ろから見てみると、
こちらは国鉄色のツートンカラー。いやぁ、国鉄&古参車両好きにはたまりません♪
終点へ向かわずに、こっちに乗って諫早へ戻っちゃいたい気持ちを必死に抑え(笑)、
ベテランさんを見送ります。どうかまた後で会えますように。


島原駅から3つ目の「島原外港」駅から先が、先日の3月末をもって廃止になった区間。
「南線」と呼ばれたその区間を走り始めると、
「安徳」という高架の駅から、きれいな白いトラス橋が見えました。
それが、左の写真の「安新大橋」。
ちょっと小振りな、もうひとつの「水無川橋梁」とともに、
あの雲仙普賢岳の噴火の被害を大きく受けた場所で、
噴火から4年ほど、不通となっていた区間だそうです。
こうして立派な橋が架けられて復旧したものの、それから10年ほどでの区間廃止。
2つの橋を列車の後ろの窓から見送りながら、
そうした辛い時期を乗り越えてきたことを考えると、なんとも切なくなりました。


その普賢岳・平成新山の脇を、列車は進んでいきます。
噴火した当時、ニュースから流れてくる映像がとにかく衝撃的でした。
いまでも噴煙を上げている姿は、怒っているみたいでなんだか怖くて。
あらわになった山肌が、噴火のものすごさを物語ってる気がしました。


また線路は海のすぐ脇を通り、ゆっくりゆっくり進む区間にさしかかりました。
線路脇の崖がちょっと危ないせいなのか、のんびりと徐行しながら進む列車。
きれいな海がゆっくり見られたのがうれしかった~。
でも、残念なことに噴煙を上げる山も、そしてこの海も、
いまでは列車の窓から眺めることができないのが寂しい…。


そして列車は終点、「加津佐」駅に到着。
途中下車したものの、区間距離78.5km、44駅の島鉄の路線を完乗です!
いやぁ、乗りごたえありました~。


終着駅でありながら、この加津佐駅は無人駅。
でも、以前は駅員さんがいたのかなぁ、というような窓口がありました。
2月だったけど、暖かそうな色の陽が射していた駅舎内。
ほんとにもうすぐ終わっちゃうのかなぁ、なんて思ったのを憶えてます。


線路を挟んだ向こう側に、ちらっと海が見えたので行ってみると、
途中、そこらじゅうからたくさんのノラネコちゃんが出現!!
追いかけて遊んでるうちに、諫早方面へ戻る列車の時間となってしまいました(笑)。
もう2度と鉄路で来ることのない「終着駅」とも、あっという間にお別れです。


島原の街で買った「焼きたてパン」をおやつに、元来た線路を戻ります。
クリームパンとりんごパン、そしてライ麦パン。
パンの酵母の香りが、いかにも手作りー!って感じでとっても美味しかった~。
夕陽を浴びながら走る黄色い列車の中で食べたから、より格別だったのかな♪

「その9」へつづく~♪