「滝川」駅から、日本一長い距離を走る定期普通列車に乗って、「富良野」駅までやってきました。
ここで停車時間が20分あったので、ちょっと駅の外へ出てみることに。
いままでにもこの駅には何度か訪れてるけど、
そういや初めて訪れたときに行ったのが、駅前にある「北の国から資料館」。(ベタ(笑))
純が大きくなってコトー先生になっても(?)、やっぱりなんだかんだ言っていまでも大好きなドラマです。
そんなことをね、駅前に立って思い出したりしてみました。歳を取った証拠か(笑)。
ここまで単行で来た列車は、富良野駅で1両連結して2両編成で釧路を目指します。
ただ、お客さんの数はそれほど増えなかったけど(^^;;
ここ富良野から先、「新得」駅までは、今回初めての乗車となりました。
根室本線という幹線は、道内最長距離を走る路線だけあってか、
滝川-新得間、新得-釧路間、釧路-根室間と、3つの別路線のような雰囲気があります。
かつては道東へのメインルートだった根室本線ですが、
短絡線として日高山脈をブチ抜いてつくられた石勝線の開業に伴い、
それまでの滝川経由から、運転時間が大幅に短縮できる石勝線経由へと流れが変わり、
滝川-新得間は優等列車の走らない、ローカル線色の濃い区間となりました。
あ、滝川-富良野間は、札幌とを結ぶ臨時特急「フラノラベンダーエクスプレス」が走っているので、
富良野-新得間はまさにローカル幹線といったところ。
そして、石勝線経由で走る特急「スーパーおおぞら」は、新得から根室本線へ入り、終点が釧路駅。
その先は、やはりローカル線ほどの本数しかない、通称「花咲線」として根室へ。
日本の最東端へ向かうには、長い道程なわけですね。
さて、ここまでまだまだ序盤戦。(←戦て(笑))ここからの初めての区間、楽しみです。
ひとつひとつの駅間の長い路線というのは、ずーっと車窓を見ていても飽きないんですよね。
どんな車窓も初めて見る景色はワクワクするけど、北海道ならではのスケールの大きい景色が続きます。
いくつかの駅を過ぎ「東鹿越」駅の手前で、川かと思いきや湖が見えてきました。
その昔、このダム湖ができたことによって、この付近の線路の付け替えが行われたんだそう。
そして、普通列車は「幾寅」駅に到着。
ここは映画「鉄道員(ぽっぽや)」の「幌舞」駅として登場したことで有名な駅です。
映画のために、立派な木造駅舎に改装しちゃったっていうんだからすごい。
そんな素敵な駅舎の向こうには、やっぱり映画で活躍した赤いキハ40がチラッと見えます。
こちらも映画の時代設定に合わせて、キハ12としてバス窓に改造された車両。
廃車の2年くらい前だったか、たまたま「名寄」駅で出会って感動したのを憶えてます。
それ以来の再会。チラッとだったけどうれしかった。ここで余生を過ごしてたんですねー。
幾寅を出ると、次の停車駅がこちらの「落合」駅。
上り列車と交換したあと、こちらでも少し停車時間があったので、駅舎を見に外へ。
こんな赤い屋根がかわいい木造駅舎をゆっくり見られるのも、各駅停車の旅をしているからこそ。
特急でピューッと目的地に到着できるのもいいけど、ノンビリ旅するのもいいものです。
ホームからこれから進む方向に目をやると、トンネルが見えます。
ここからの根室本線は、かつて日本三大車窓のひとつと言われた狩勝峠を行くルートを走ってたんですが、
急勾配を通っていたため、昭和41年に新しくトンネルが造られ、廃止となりました。
その後、新狩勝トンネルで合流する石勝線が開通され、メインルートを譲った根室本線。
ここ落合駅には、長い歴史の中でもいろんなドラマがあったんですね。
広い構内を跨線橋から見下ろしてるうちに、発車の時間となりました。
かつて、苦労して新得へ向かった旧線を進行左手に見送りながら、
いくつかのトンネルをくぐり抜け、長い長い新狩勝トンネルを通り、新得へと向かいます。
長いトンネルをくぐる頃、まずはひとつ目の根室本線未乗区間の完乗です。
気圧に弱いわたしにとって(笑)、長いトンネルは修業みたいなもんです(^^;;
やっとその苦行(は言い過ぎか(^^;;)から解き放たれ、車窓を眺めていると、
左手に旧線の廃線跡が見えてきました。
ここ、旧線が廃止されたと同時に廃駅となった「新内(にいない)」駅から新得間を、
「狩勝実験線」として脱線や車両火災など、鉄道事故の究明の実験に使われた区間。
トンネルの向こう側にも、たくさんの歴史が詰まっています。
そして、滝川を出発して3時間。「スーパーおおぞら」で何度か通った「新得」駅に到着です。
残すところ、まだあと5時間。日本一長距離普通列車の旅はまだまだ続きます。
「その5」へつづく。