はるかのひとりごち。

のんびりと旅レポお届け中~。

みちのくぶらり旅その4:名物団子

2006年11月28日 23時55分12秒 | たびろぐ東日本。

一関で有名なお菓子といったら、こちらの「ごま摺り団子」
な~んて紹介しておいて、実はいままで一度も食べたことがなかったんです。
その理由のひとつは、タイムリミットが厳しいこと。
日持ちしないお菓子のため、冷凍して売られてるんですね。
冷凍したままなら2ヶ月持つそうなんですが、持ち帰るまでに解凍されちゃうし、
解凍したら2日以内に食べちゃわなきゃいけない、というはかない命。
帰って即食べる!ってとき以外は、なかなか手が出にくいのです。
買ってすぐ列車の中で食べる、ってわけにもいかないしね。凍ってるし。


というわけで、帰ってきた翌日、念願のご対面となりました。
かわいらしいひと口サイズのお餅が、整然と並んでおります。


よくよく見ると、プリッと角が立ってるんですよ~!かわいい~♪
まさに「モチモチ」なお団子を、そぉ~っと枠から外して…、ひと口でパクッ!


うんまい。


中から、トロ~ッと濃厚なゴマの餡?いや、蜜が出てきました。
これが、モチモチプリプリのお団子と合うんです。
これ、乱暴に扱っちゃダメなお菓子ね。そぉっと優しくしてあげないと、
お餅から中身が飛び出したら大変なことになりそうです。

HPの商品紹介にも、
お召し上がりになる時は、中の蜜が飛び出さないように一口でお召し上がり下さい。
と書かれているくらい、トロトロの蜜なんですが、
とりあえず、撮影に成功しました!!↓





キャー!!あぶないあぶない。撮ってる最中にも流れ出そうな勢い(笑)。
これがまた、すんごいゴマゴマしていて(?)ウマウマなのです!(なんだそりゃ)
他にも、ずんだ団子やみたらし団子(もちろんどちらも中に蜜)があったので、
また一関へ行く機会があったら、買ってみたいなと思ってます♪

さて、なんだか食べものばっかりになった(いつものこと?)みちのくレポですが、
これにておしまい。次の旅レポは、先日の瀬戸内の旅をお送りします♪
またよろしければ、お付き合いくださいね!

みちのくぶらり旅その3:こっちも「元祖」

2006年11月26日 23時00分28秒 | たびろぐ東日本。

JR東北本線の一関駅前に、煌々と光る「うなぎ」の看板と、
「カツ丼」ののぼりのある料理屋さんがあります。和風レストラン「松竹」さん。
こちらののぼり、「カツ丼」の上に、うん??なにやら文字が見えますよ。


そう、こちらのカツ丼、ただのカツ丼ではなく「ソースカツ丼」なのです。
80年もの歴史のある、「元祖」ソースカツ丼なんだそうですよ。
なぜここのカツ丼がソースカツ丼になったかというと、
初代店主が、なんと卵が苦手だったそうで、
なんとか卵を使わずに作れるカツ丼はないかと、試行錯誤してできたのが、
この、ソースカツ丼なんだとか。

メニューには特に「ソース」の文字は謳われておらず、「カツ丼」と表記。
ちなみに、上カツ丼にはヒレカツが使われているとか。
そういえば、「元祖」やこのメニューで思い出したけど、
以前、福井で食べた「ヨーロッパ軒」のソースカツ丼も、
メニューには「カツ丼」のみの表示で、「元祖」なんですよね。
あちらは福井の元祖、こちらは一関の元祖、なんでしょうか。


もちろん、その名物「ソースカツ丼」を注文してみましたよ。
丼の蓋の隙間から、チラリと見えるカツと千切りキャベツ。
このね、蓋を開ける瞬間が楽しみなのね(笑)。


はいっ!出てきました!こちらが松竹さんの「ソースカツ丼」。
秘伝のソースの染みた、大きめの3枚のカツの下には、
たっぷりの千切りキャベツがごはんの上に敷き詰められています。
そういえば、福井のソースカツ丼にはキャベツは乗ってなかったなぁ。
さらにこのソース、ごはんにもかかっているんです。
あー、ソース好き(ここ参照)にはたまらないごはんだぁ~(笑)。


パン粉のきめ細やかさが、目で見てもはっきりとわかるくらいのサクサクの衣。
ソースが染みていても、ベタッとした感じがありません。
そして、肝心のカツですが、これ、お肉がすんごくウマいんですよ。
肉の甘みと旨味がしっかりと出ていて、そしてやわらかい。
ウスターソース&鶏がらスープの特製ソースとの、絶妙なコンビネーション。
個人的には、福井より一関に軍配!
また食べたい~!と思わせる、駅前の名物でありました。

あ、そうそう、「はっと亭」で【はっと】ではなくカツ丼を注文した理由
石越駅のすぐ近くにもうひとつ、「赤城亭」さんという食堂があるんですが、
そこのカツ丼も「ソースカツ丼」らしい、という情報を小耳に挟んでいたので、
もしかしてここいらはソースカツ丼の文化圏?と思ったからなのでした。
でも、予想を裏切って、出てきたのはシンプルな「煮カツ」。
でもでも、あれはあれでとってもウマかったので、大満足でした♪

みちのくぶらり旅その2:駅前食堂

2006年11月25日 22時35分36秒 | たびろぐ東日本。

ではでは、先日のみちのくレポの続きをお送りしま~す♪

JR東北本線とくりはら田園鉄道の乗換駅である石越駅前にある、
ちょっと古そうな建物が目に入りました。
お店の名前は「はっと亭 和」。
はっと、という耳慣れない言葉の響きに、ちょっと惹きつけられたわたしたち。


はっと? はっと、って何だ??



お店の入口には、こんなメニューが置いてありました。


ん??
【ご飯物】【麺物】のほかに、

【はっと】

というカテゴリーがあるのです。
五目??あずき??ええっ!セットものやら、なんと定食まである!!
いったい、【はっと】ってナニモノなの~??

ちょうどお昼時を過ぎ、お腹を空かせていたわたしたち。
気になったからには、入ってみるしかありません。
思い切って扉を開けると、
表の古めかしい雰囲気とは反対に、真新しくて明るい店内。
リニューアルかなんかしてから、それほど日が経ってないのかも?

お店のおじいちゃんとおばあちゃんに迎えられ、いよいよ注文です。
こちらが同居人の注文した【はっと定食】。↓


じゃーん。

そう、【はっと】って「すいとん」のことだったんです。
練った小麦粉を団子状か平たく伸ばして、
たくさんの具と一緒に、お醤油ベースのおつゆで煮込んだもの。
東北では、すいとんをこう呼ぶ地域があるんだそうです。
こちらの定食は、【五目はっと】とごはんの組み合わせ。他の付け合せも素朴でいい。
ちなみに、【あずきはっと】っていうのが、ぜんざいのようなあんこモノ。
そうそう、【ずんだはっと】っていうのもありました。
で、セットはなんと、【あずき】と【五目】の組み合わせ。
注文した先輩が、かなりのボリュームに悪戦苦闘しておりました(笑)。

で、わたしが注文したのがこちら。↓


カツ丼。

なんでここまで来て「カツ丼」なの~?!
ってみなさんの怒号が飛び交い…ませんでしたけど(笑)、
ちょっと理由があってね、あえてカツ丼にしてみたの。
みんなそんな、ビックリしなくてもいいじゃん(笑)。

で、同居人の【はっと】を横からつついたんだけど、
ダシの効いたおつゆをたっぷり含んだ、モチモチプリプリの【はっと】は、
体が温まって、これからの季節には最高に合う料理だなぁと思いました。
シンプルだけど温かい、こういう郷土料理っていいですね。

そして、わたしのカツ丼も、
割と厚めのカツを、絶妙な甘辛さに煮含めてあって、すんごいウマかった!!
ちょうど好みの味付けだったので、ペロッと完食してしまいました。
【はっと】を主役に据えてはいても、脇役もウマい、ってのがいいです。

と、食事中、お店のおばあちゃんが、
「これもよかったら食べて」とサービスで持ってきてくださった一品が、


カリフラワーの酢漬け♪

これがまた、シャキシャキでウマかった!
お酢のキツさがまったくなく、とっても優しいお味に漬けてあるのです。
まるで真珠のように、キラキラと輝くカリフラワー。
ああ、こんな風においしく漬けられるようにわたしもなりたいと、
みちのくの駅前食堂で、ほっこりとした気持ちになりました。
ごちそうさまでした♪

瀬戸内から帰ってきました。

2006年11月24日 22時15分39秒 | たびろぐ西日本。

昨夜、広島から帰ってきました~。
初日2日目と暖かくてよかったんですが、昨日がね、残念ながらお天気悪くて。
帰りの飛行機なんて、もー揺れる揺れる!
ほとんどベルト着用サイン点灯しっぱなしでしたよ。
いや、揺れはどうってことないんです。
わたしの場合、荒天だと怖いのが「気圧」。
もうね、帰りのフライトはこの「気圧」との闘いでしたよ。耳が、耳が抜けない~っ!
くっそぉ、なんで飛行機乗るだけでこんなツライ思いしなきゃなんね…(以下略)。

さて、今回は瀬戸内の島を2つ回ってきました。
自転車の写真なんて載せちゃったので、思いがけなく期待させてすみません(笑)。
さすがにあそこを自転車で渡るのは…、至難の業です。
ユルユルなわたしには無理です(笑)。

でも…、いつかやってみたいかも。(あ、いや、自転車でなく「カブ」くらいで…)

で、そのうちのひとつの島に2泊したんですけど、
お料理も温泉もよくて、いいリフレッシュ休暇となりました。
たまには、のんびりとした旅もいいものです。
この写真は、初日にその島から撮ったもの。きれいでした~。

のんびり、といってもいつもよりはのんびり、ってな今回の旅、
もちろん、ある「乗り物」にも乗ってきました(自転車だけじゃなくて)。
この「乗り物」がまたね、なかなかおもしろかったんですよ。
2つの島の正体(?)とも合わせて、追い追いレポートして行きますね~♪

おっと、その前に…、
なんかね、先週の出来事だというのに、
みちのくの旅に行ってたことを忘れるくらい、内容濃かった今回の旅(苦笑)。
というわけで、みちのくの旅レポの続きを先にお送りして、
そのあと、今回の瀬戸内レポをお送りしようと思ってますので、
どうかどうか、忘れないでいてください~!

みちのくぶらり旅その1:ローカル線

2006年11月19日 21時35分32秒 | たびろぐ東日本。

久しぶりの東北新幹線と、在来線を乗り継ぎ、
たどり着いたのが宮城県の北部にある、JR東北本線「石越」駅。
今回乗車してきた「くりはら田園鉄道」との乗換駅です。
やっぱりみちのく、駅に降り立つといつもとは違った冷たい空気を感じました。


ちょうどJRの駅舎の向かいにある、こちらが通称「くりでん」の石越駅。
薄緑の三角屋根がかわいらしい駅舎です。
こんな立派な駅舎なんですが、実は無人駅。
中の待合室は、とっても昭和な雰囲気が漂っておりました。


赤いボディがかわいらしい、くりでんの車両。
元々は、「栗原電鉄」という私鉄だったんですが、
細倉鉱山の閉山によって貨物での収入が減少し、経営が悪化、
11年前に第三セクターへと転換されました。
で、それまで電車が走っていたんですが、電化を廃止し、
新たに導入されたのがこちらの気動車(ディーゼルの車両)。
カンテラ風の、おでこのデカめなライトがかわいらしいです。
ここからこの車両に乗って、終点「細倉マインパーク前」までの旅が始まります。

行きの車内は、JRとの接続もあったせいか、
それとも廃止の知らせを聞きつけた人が多かったせいか、
意外にたくさんの人が乗っていました。
賑やかなおばちゃんグループなんかもいたりして(笑)。


細倉マインパーク駅に到着して、すぐに折り返し。
いや、せっかくだから散策しようかとも思ったんですけど、
折り返しの列車を見送ると、次のが来るまで2時間(!)も空くので、
とりあえず、石越まで戻ることにしました。
「田園鉄道」と名が付くだけあって、ほんとにのどかな田園風景が続くんです。
この架線柱もいい雰囲気。と思いつつ、実は架線がないんですよ。
気動車ですからね、架線は必要ないわけ。架線柱だけが残されているのです。


くりでんの一部区間では、今ではめずらしくなった「タブレット」が使われていました。
単線の路線では、駅間に上りと下りの列車が同時に入っちゃったり、
同じ方向の列車が他にも入ってしまったら、衝突したり追突しちゃいますよね。
それを防止するために、このタブレットを持ってる列車だけが、
その駅間に入れる、といった決まりみたいなもんがあるんです。
最近では、信号による制御が主流となっていて、
こうしたタブレットを使っているのは、ごく一部のみとなりました。
こういう昔ながらの姿が見られるのも、ローカル線の魅力なんですよね。

往復約2時間ほどで、石越まで戻ってきました。
お昼ごはんを食べた後、ホームをふと見てみると、
さっき乗ったのとはちょっと違う車両がいたので、また乗ってみることにしました。


ミヤギテレビで放送されてる(らしい)「OH!バンデス」という番組とのコラボ列車、
その名も、「くりでんOH!バンデス号」。
番組で募集したという、沿線の子供たちが描いたくりでんの絵が、
車両の外にも中にもたくさん飾られていました。
そしてそして、なんと車内放送にはあの、さとう宗幸さんが登場!!
なるほど、それで「宗」の字が書かれてたわけね(笑)。


車内には、木でできた列車のおもちゃがありました。
これ、番組内で俳優の津川雅彦さんから贈られたものなんだそうですよ。
反対側には、くりでん応援メッセージノートも置いてありました。


最初に乗ったときの賑やかさとは違い、乗客は数人。
のんびりと静かに、単行の列車は橋を渡り、終点へと進みます。


細倉マインパーク前駅を折り返し、
隣の鶯沢工業高校前駅から学生が乗ってきて、ちょっと賑やかになったけど、
途中の駅でひとり減りふたり減り、
終点の石越駅に着いたときには、辺りはすっかり暗くなっていました。
さすがに日が落ちると、厳しい寒さを肌で感じる、そんな晩秋の1日でした。

みちのくの旅から帰ってきました。

2006年11月17日 23時36分59秒 | たびろぐ東日本。

昨夜遅くにみちのくの旅から帰ってまいりました!
で、今回の行き先、
ここはいったいどこ??な写真ばかりアップしちゃいましたが、
今回の旅は、来年3月末で残念ながら廃止が決まってしまった、
宮城県北部を走る、「くりはら田園鉄道」に乗るのが目的。
実は、出先からの「あったかい~。」って記事中に、
答えの一部が隠されていたのです。

>と、田園を走る鉄道をお腹いっぱい堪能したところで、

ってくだりを入れたんですけど、気付いたかな??(わかりにくいって)
で、この写真は、途中交換駅の「沢辺」駅ホームから望む栗駒山系。
山頂に白いものが見えるだけあって、もうね、とにかく寒かったんですよ~。
新幹線でこっちへ戻ってきて、駅に降りたら暖かく感じたもんなぁ。
そんな神奈川も、今日は寒かったですね~!いよいよ本格的な冬到来かな。

と、ちょっとだけ冬を先取りしてきた今回の旅、
いつもの通り、おいしいものも交えながら少しずつレポートしようと思ってます。
またよろしかったら、おつきあいくださいね~。


※縦置きの写真、大きさ調整するの難しいですね…(泣)。デカイので元に戻しちゃいました。

炭鉱の島を訪ねて その10:電車レストラン

2006年11月10日 22時40分40秒 | たびろぐ九州。

長崎の街で見かける乗り物といったら、「路面電車」。
長崎には、そんな「路面電車」がそのまま「レストラン」になっちゃった!
というお店があるのです~♪
それがこちらの、「きっちんせいじ」さん

なんかなんかもう、理屈抜きですっごいかわいい~!
乗り物好きとしては、ぜひ一度行ってみたい!と思っていた店なのです。


早速店内へ。なんと、ドアも路面電車そのままの折戸…。かわいい…(笑)。
店内には、所狭しと歴史ある長崎の路面電車の写真などが飾られています。
「お子さまメニュー」なるかわいらしい手書きのメニューがなかったら、
一見、何屋さんだかわかんないような、素敵な店内です。
ってこれ、もしかして運転台の後ろにある広告入れ??うは~♪


一角には、むか~しのマスコン(アクセルみたいなもんね)と、
古い電停の看板などもあって、レトロな香りがプンプン!
この「出師橋(すいしばし)」は、今は無き電停。
トラス橋だったこの橋を、路面電車が通っていたんですが、
橋の取り壊しと同時にルート変更、電停も廃止されたんだそうです。
貴重な看板なんだなぁ~。


ふと、上を見上げると、なんと網棚に吊り革!!天井の電気も路面電車??
そして、座ってるシートもなんと電車のもの(笑)。
背後は電車の窓ですよ。もうダメ、楽しくてしょうがない(笑)。
なんと、向かい側のテーブルの中は、Nゲージのジオラマになっておりました!
鉄道好きには必見??


で、肝心の食事食事(笑)。
前日に続いて、やっぱりここでもトルコライス。と、これは同居人のもの。
たっぷりのナポリタンに、ボリューミーなとんかつ、
そのとんかつの下には、やっぱりこちらもドライカレーが。
サラダとオレンジがついて、一皿でいっぺんに楽しめるメニューがいいですね。
ちょっと見づらいけど、なんとお皿にも路面電車がデザインされております!


実はこの後、もう1食トルコライスをいただく予定があったわたしは(!)、
こちらのサービスランチを選択。これで600円、お得だよね~。
ナポリタン・ハンバーグ・豚の生姜焼き・ハムポテトサラダと生野菜に、
日替わりで1品付くという、こちらのなかなかのボリューム。
この日は、ポテトコロッケが付いてきました。
どれも素朴だけど、いかにも手作りといった味で、おいしかったです。


サイドにある調味料コーナーには、こんな手作りマヨネーズが。
このマヨが、サッパリとした酸味でなかなかイケました!
脂っこくないのがいい!マヨラーにはうれしい一品です。


そんな、こちらの電車レストランは「きっちんせいじ前」電停のすぐそば!
…ってのは嘘ですけど(笑)、眼鏡橋のそばにありますよ~。
乗り物に特に興味がなくても、
電車の中でごはんを食べてる錯角に陥れるこのお店(笑)、オススメです!
他にもオムライスやハンバーグが評判だとか。
次回長崎を訪れる際は、他のメニューもいただいてみたいです♪

炭鉱の島を訪ねて その9:軍艦島クルーズ

2006年11月09日 23時58分23秒 | たびろぐ九州。

今回の旅の最後の目的が、この「軍艦島クルーズ」。
以前、やはり同じく離島炭鉱だった「高島」から、軍艦島を望んだんですが、
あのときは霞がかかっていて、輪郭くらいしか見れなかったのです。

そのときの記事がこちら→「長崎の旅その6:高島と軍艦島」

軍艦島の解説は以前の記事でしているので、今回はちょっと端折りますけど、
正式名称を「端島(はしま)」という、やはり炭鉱で栄えた離島でした。
閉山と同時に無人島になり、既に30年以上も経過している軍艦島。
日本最古の高層アパート群の老朽化はかなり激しく、上陸は禁止されているので、
近くまで寄って見学できる、こういうクルーズ船が人気なんですね。
今回、やっと軍艦島を間近で見られる~と、かなりドキドキ。


途中、三菱造船所のドックにいた海自の新造イージス護衛艦「あしがら」やら、
香焼工場のゴライアスクレーンなんかに見惚れているうち、
大波止ターミナルから45分ほどで、いよいよ軍艦島のシルエットが見えてきました。
おお!!なんともいえない威圧感というか、迫力というか。


案内役の方の解説によると、学校と病院だとか。特に学校はかなりの規模の建物。
写真や映像では見てはいたものの、人の気配がまったくないだけに、
実際に目の当たりにすると、恐怖心が湧いてきます。


船は、居住区域側へと回ってきました。
一部、色の変わっている護岸は、台風などで崩れたところを補修した跡。
9月の台風13号のときも、一部護岸が崩落してしまったそう。
これだけの護岸を築いていても、高波が来ればひとたまりもないんだろうな。


4~5階建ての鉱員社宅群。その奥にヒョコッと建っている高い建物が、
後から新たに建てられた10階建ての社宅。その10階には幼稚園があったとか。
この辺りは戦後に建てられたものなので、比較的新しいほう。
ほんとにたくさんの人が、密集して住んでたんだなぁ。
住宅が護岸のすぐ脇、というのがとにかくすごい。
台風のたびに、建物ごと波に飲まれてたのは間違いないでしょう。


島が見えてきたときとちょうど反対側へとやってきました。
こちら側から見る姿が、戦艦「土佐」に見えるんだとか。
いわゆる「軍艦島」と呼ばれる所以ですね。


今度は鉱場区域側へ。手前の左側にある円錐形のものが「ドルフィン桟橋」の土台。
日本初の可動式接岸桟橋だそうです。
でも、やっぱり台風の影響で2度も流出してしまったんだそう。
ここに住むということが、どれだけ過酷だったかがわかる気がします。


この手前ふたつが、石炭積込用の桟橋の跡。
端島では住民が離島して無人島となったと同時に、桟橋を取り払ったんだそうです。
丘の上にそびえ立つ建物は、幹部職員の住宅だとか。さすが見晴らし良さそう。
そして、その右手にちょこんと小さく見える三角屋根が端島神社の神殿。
あんな高台にあって風雨にさらされながらも、健気に建ち続けています。


もっともっと見ていたかったなぁ、と後ろ髪を引かれながら、
船はだんだんと島から離れていきます。
比較的じっくりと停まって見せてくれたりで、大満足の内容でした。
とにかくね、案内役のお兄さんの解説がよかったんですよね。
終わったあと、拍手が起こったくらい。
充実した100分間のクルーズでした。また行きたいな。

大波止へ戻ってきて船から下りると、ひとりのおじいちゃんが声を掛けてきました。
あ、このおじいちゃん、出航のときに桟橋で見送ってた人だ、
と思いながら話を聞くと、なんと、このクルーズを運営している会社の会長さん!
(名刺をくださったので、たぶん間違いないと思う)
神奈川から来たことを伝えると、ずいぶん喜んでくださって、
貴重な遺構として残る端島を、これからも伝えていきたいとおっしゃってました。
世界遺産登録という話もある軍艦島。
日本の高度成長期を支えてきた島の歴史を伝える語り部として、
ずっと続けていってほしいです。また乗りに行きますから。

炭鉱の島を訪ねて その8:人情トルコライス

2006年11月08日 23時00分37秒 | たびろぐ九州。

今回の長崎行きで、楽しみにしていたうちのひとつ(ありすぎ?)がこちら!

長崎名物 トルコライス

「トルコライス」とは、カレーピラフとスパゲティと卵でとじたトンカツが、
ひとつのお皿に乗っかってる、お子様ランチの大人版!みたいなもの。
長崎でしか味わえない、ご当地グルメのひとつなのです。
特に、この「アストリア」さんのトルコライスが大好きなわたし、
長崎に行くのが楽しみでしかたなかったのよね~♪

ところが…、

以前、食べに行ったお店というのが、新大工町にあったお店。
こちらで鍋を振っていたおばちゃんの体調があまりよくなかったそうで、
新大工町店は惜しまれながら、昨年末に閉店したんだそうです。
それを知ったのが、今年に入ってしばらくしてから。
あぁ、もうあのおばちゃんのトルコライスを食べられないのか…、
と、かなり脱力状態だったんですが、
実はこのアストリアさん、ご主人がやっているという浜町店があるのです。
なので、今回はそちらへ行ってみました。

カウンターのみの新大工町店と違って、広くて明るい店内の浜町店。
いかにも下町ーな新大工町に対して、おしゃれな浜町といった感じでしょうか。


早速、念願のトルコライスとご対面!このボリュームで840円は安いっ!
ちょっぴりスパイシーだけど、優しい味のカレーピラフ、
子供の頃に食べたような、懐かしい味のスパゲティ、
そして、卵で優しく包みこんだ、薄切りサクサクのトンカツ、
どれをとってもウマい!もちろん、あっという間に完食(笑)。
おばちゃんのトルコは飾り気がなく豪快なとこが大好きだったけど、
こちらのトルコも申し分ない味でした。ああ、食べれてよかった~。


そしてそして、こちらが同居人の食べた「びっくりトルコ」。
えー、このボリューム、わかります??
上の写真と比較してみてね。ちなみに、トマトは同じ大きさですから(笑)。
普通のトルコに、白身フライ、ハンバーグ、骨付きグリルチキンが付いとります。
あ、明らかにピラフの量も多いですね(笑)。
そして、これをペロッと食べちゃった同居人。さすが!
でも、ここのは不思議と重たくないんです。それが人気の秘密なのかも。

翌日、そういえば新大工町のお店って、今どうなっているんだろう?と、
ちょっと気になったので、路面電車に揺られて見に行ってみると、
お花屋さんに変わっていました。


在りし日の「アストリア新大工町店」。いい雰囲気でありました。

そういえば、新大工町店のボリューム満点メニュー、「スーパートルコ」を、
次回長崎に行ったときに食べてね、と同居人に話してたんですが、そんな夢も叶わず。
ちょっと寂しい気分で商店街を後にしようと、角の床屋さんをふと見ると、
こんな貼り紙を見つけました。↓


なんと、こちらの床屋さんに浜町店の地図が置かれているとのこと!
ちょっとお店の方に話を聞いてみたんですが、
やっぱり、おばちゃんのトルコライスが恋しくてやってくる人が多いんだとか。
いやぁ、なんかこういうのってうれしいよなぁ~。
人情味あふれる素敵な長崎の街を、垣間見たような気がしました。

そんな、アストリアさんの感動のラストの模様はこちら→グリルアストリア

炭鉱の島を訪ねて その7:タイムスリップ

2006年11月07日 23時56分40秒 | たびろぐ九州。

池島の炭鉱住宅群から、再び港地区へと下りてきたわたしたち。
帰りの船の時間までの間、
港をグルッと囲むようにして続く道を歩いてみることにしました。
すると、石炭を船着場へ運んでいたトロッコの廃線を発見!
使われなくなって赤く錆付いたレールでも、こうして残っていることがうれしい。
その先の施設は、いまにも動き出しそうな雰囲気が漂っていました。


手前には、踏切の名残もありました。


フェリーで港へ着いたときに、目の前に広がってたのがこのコンベア。
とにかく、とにかく長いのです。迫力あったなぁ。
操業していた頃は、ここに山のように石炭が積まれてたんですね。
閉山からまだ年数が経っていないせいか、動かないことが不思議な感じがしました。


しばらく歩いていくと、ありました。石炭の欠片。
正確には、資源として使えなかった捨石、なのかな。
ボタ山、と呼ばれる捨石を集積していた敷地では、
こうしていまでも残っているのを見ることができるんだとか。
せっかく出会った欠片なので、ひとつ思い出にいただいてきました。


ここまで来ても、地元スーパー巡りは欠かしません(笑)。
港のそばの建物の中に、呼ばれるように入っていくと、
小さな日用品店があったのです。
ここで、「○○の素」みたいなものを発見したので、レジへ持っていくと、
レジの女性に「え?これ??」みたいな顔されて、お互いに笑っちゃった(笑)。
だって、うちの地元では見かけたことなかったんだもの。ははは。


通路を入った右手に、酒屋さんがあったんですが、
なんと、立ち飲み?のカウンターがあったのです!これ、すごいかっこいい!
ヤマで働くたくさんの男たちが酒を酌み交わす姿、浮かんできました。

ふと、1日島を見ていて思ったこと。
日本の高度成長期を支えた、こういう島の人々のことを、
わたしたちは忘れちゃいけないと思う。
苦渋の思いで島を離れた人々のことも。
そして、島を離れずにがんばってる人々のことも。

島を後にする前に、
お昼ごはんをごちそうになった「みなと亭」のご主人と奥さんに、
ご挨拶しに行きました。今回、本当にお世話になってしまって。
感謝してもしきれないくらいなのでした。ありがとうございました。
また来ます、と最後に言ってお別れしました。
次に行くときも、おいしいごはんを食べさせてください。

さて、予定よりも1本早い船で帰ろうと港へ行くと、


ネコだまり~っ♪

おおお、なんか増えてない??(笑)
実は、ここに写りきれないほど、ほかにもいっぱいいました。うひゃ~。
ちょうど、夕方仕事が終わって、通いの人々が港へやってくる時間。
なんかもらえる~、ってわかってるのか??


帰りは行きと違って、神の浦行きの旅客船に乗って帰ってきました。
で、この船がまたすごかった。座敷みたいなとこに靴脱いであがって、
いっしょに乗ってた作業服姿のアンチャンが、
飛び入りのわたしたちに座布団を譲ってくれたりして、アットホームな雰囲気。
そして、着いた桟橋から見えた赤い橋は、
行きに乗ったバスが渡って行かなかった、あの橋なのでした。


突然の狭隘路にワクワクした、あの商店街から帰路に着くとは、
行きのバスの中では夢にも思ってなかったんですよね。
やっぱり、「いい!」って思う場所には引き寄せられるようになってるのかも。
なんだかずいぶん長い時間彷徨ったような、でもあっという間だったような、
まるでタイムスリップでもしてしまったような、そんな1日でした。