肝臓に食道ガンが転移再発したYさん
次第に肝臓が腫れ
腹水もたまりお腹が張ってきた
しかし体調の良い日も多く
食欲もそれほど障害されることなく経過した
酸素飽和度が低下傾向となり
酸素投与が始まった後も
時折喫煙室で姿を見かけた
ある日喫煙後に経鼻酸素カニューレを付けているYさんに
「タバコを吸うのも大変ですね」
と声をかけると
「命懸けですよ」とのお答え
そしてそのあと
「お世話になりました」と仰った
歩いてタバコを吸う元気があるから
まだ週単位の余命はあるだろうと
私は思っていたのだが
その後急速に状態が悪くなり
翌日の夕方には亡くなられた
やはりご本人には
なんらかの自覚がおありだったのでしょう
間際までほぼ自立した入院生活を送られた後の
鮮やかな幕引きでした